介護が快護であるように・・・・

2008/10/14(火)09:54

昔、昔・・・・結婚式がありました。

私の思うこと(239)

私の住んでいるところは町と町の間にある山に囲まれた田んぼや畑だらけの田舎です。 車で行けば買い物にも病院にもすぐの位置にあり、交通の便も良く、自然に恵まれた環境だからか、母が入所している特養施設の他にも、知的障害者の施設やグループホーム、聾唖者のための老人ホーム、長期療養型病院などがあります。 福祉施設が多いので福祉の町と呼ばれています。 これはその中の聾唖者のための老人ホームでのお話です。 もう十数年前になるのですが、私は個人的に手話が覚えたくて、その老人ホームの講習会に通っていた時期があります。 目は見えるけれど、耳が聞こえず話もできないお年寄りばかりです。 皆さん手話で話をしているので、とても静かなホームです。 めったに訪問者はいないので、私なんかが行っても、とても喜んでくれて、手話で挨拶してくださいます。 ある日いつもどおりに行ってみると、いつもと何か雰囲気がちがうのです。 「なんだろう・・」と思っていると、なんと入所者のお爺さんとお婆さんの結婚式が始まったのです。 「老人ホームで結婚式???」 綺麗にお化粧したお婆さんが白いベールをかぶり、お爺さんと一緒に並んで、皆の前で婚姻届にサインをしていました。 聞こえるのは職員さんの声と周りのお年寄りの拍手だけの静かな静かな、それでもとても暖かい式でした。その場に立ち会った人たちは皆ニコニコ微笑んでいます。 「お二人はこれで正式な夫婦となられました。今日から一緒に二人部屋で暮らされます。」と職員さんが宣言されました。 年寄りのくせに・・・なんて目で見ないでください。 このホームに入所されているお年寄りは、幼い頃からその障害のために家庭を持つことができなかった方たちがほとんどです。 自分も高齢になり、親や兄弟にも先立たれ、たどりついたこの老人ホームで人生最後である恋をしたんです。これって素晴らしい事だと思われませんか? 今の若い人よりずっとずっと純粋で綺麗だと思われませんか? 年齢から考えるとそう長くは一緒にはいられないだろうけれど、それでも結婚しようと決心したお二人に心から幸せを願わずにはいられませんでした。

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