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カテゴリ:祖母の日常
今日午後施設の母のところへ行こうと準備をしていたら来客がありました。
祖母の娘・・・義母の妹という人です。 「・・・という人」って変な表現ですよね。 でも、そうなんです。この人は去年突然現れたのです。 去年の2月、祖母の元に1通の手紙が届きました。祖母は内容が分からないので私に読んでくれ・・と持って来ました。 手紙の内容から、祖母の娘だということでした。ずっと捜し続けていたそうです。 いつも祖母から昔話を聞いていた私も今まで聞いたことがありません。 私 「ばあちゃん。お義母さんの他にも子供を生んだことがあるん?」 祖母 「・・・・・よう分からん・・・」 私 「分からんことないでしょ。この手紙はばあちゃんの娘って人からだよ」 祖母はずっと考えているようです。でも、少し思い出したのでしょう、涙目になりました。 祖母 「○○子か・・・○○子からの手紙か・・・」 手紙の内容と祖母の話から祖母は祖父を戦争で亡くしてから再婚をしたようです。 でも折り合いが悪く別れてしまったそうです。手紙はその時に生んだ娘からで、別れるときに相手側が強引に引き取っていたのです。 ○○子さんはその後養女に出されます。養父母はとても優しく彼女を実の子として慈しみ育てられたんだそうです。養父母は最後まで真実を隠し通していたのですが、彼女自身は小学生のときに真実を知ってしまいます。でも養父母の気持ちを思い知らないふりをしていたそうです。 その養父母も亡くなって長年心に秘めていた「実の母に会ってみたい」という気持ちが抑えられず、探し続けていたそうです。 別れてから60年ぐらい経っています。生きているとは思っていなかったけれど、探し当ててみるとちゃんと生きていて、住所も隣の市です。自分には姉までいたことを知った彼女は自分の家族と相談し会う決心をして手紙を送ってきたのです。 驚きますよね。当時我が家は大騒ぎでした。突然現れた60年前のばあちゃんの娘です。 テレビドラマでもなかなか無いでしょう。 現実は小説よりも奇なり・・会わせていいものかどうか家族で喧々諤々・・何で今更・・大丈夫なの?・・・悪い人だったらどーするの? その結果「会わせてみよう」ということになりました。 最初は緊張・・・でも会ってみるとちょっと前の祖母にそっくりの体型なのです。そしてとても優しく礼儀正しく良い人でした。娘さんも2人いてとても幸せに暮らされているようです。 祖母も○○子さんも再会をとても喜んでいました。涙の再会とはいきませんでしたが、それでも感動の空気が流れていました。 それからは時々祖母に会いに来て下さるようになりました。 祖母もうれしそうに話をしています。良かった。良かった。 でも・・・再会して1年・・・現在の祖母はだんだんと認知症が進んでいます。 いろんなことを忘れていくのです。そして記憶は新しいものから消えていきます。 今日縁側で祖母と○○子さんは20分ぐらいずっと話をしていました。 会っている間は祖母は相手に話を合わせるのですが、帰ってしまうと誰が来たのかさえ忘れてしまいます。 ○○子さんはそのことに気づいているのか、いないのか分かりませんが、やっとの思いで探しだした母親が自分の事を忘れてしまう・・・・哀しいですね。 私は親でなくても友達でも恩人でも、ちょっとぐらい無理すれば会うことができるなら、会いたい人には、いっぱい会っておいたほうがいいなあ・・・と思いました。 認知症になって忘れてしまう前に・・・寝たきりになって外出ができなくなる前に・・・ 余談 今、派遣労働者が解雇されて大変なことになっている・・という中で、今日、大分県のある市が「解雇された人を市の臨時職員として雇用することにした」というニュースが流れました。 あっぱれ!すばらしい市長です。グッド 国がぐずぐずしているから、地方が先に動きます。「このまま年を越させるなんて可哀想だ・・」そこには損得を考えない人間としてあたりまえの「助けたい」「何とかしてあげたい」という感情があります。フレーフレー!頑張れ!大分県!そして他の県も頑張って下さい。! あの・・・思うんですけど、農業って派遣でできないんでしょうか?私の周りの農家は後継者がいなくて困っているのです。忙しいときは親戚が集まって手伝ったりしています。手伝う親戚もいない家は、年をとって農作業ができなくなって畑や田んぼが荒れていくのです。 もし農家を会社組織にできて、労働者を派遣で雇って利益がでるほど収穫があれば、いろんなメリットがでてくると思うんです。いろいろ難しいことはあると思うのですが、利益の何%かを土地を提供してくれる農家に渡し、残りを給料などの会社運営に使うのです。 いろんな仕事を経験した派遣労働者ならいろんなアイデアが出てきて、もっと新しい農業が開拓できるかもしれないなぁ・・って思いました。その人たちのうち農業に興味を持つ人がいたらそのまま専業として続ければいいし・・・でも、やっぱり難しいのかなぁ・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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