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カテゴリ:祖母の日常
最近、祖母をお風呂に入れるのが、ずいぶん楽に入れることができるようになりました。 そのことにふと気付いて、(何でだろう・・・)って考えてみました。 以前は入ることを嫌がっていたので、説得するのに時間がかかっていましたが、最近は最初ちょっとゴネても、すぐに納得して喜んで入るようになったから・・・というものあるんでしょうけど、祖母がお風呂での順番を覚えてくれたからだと思いました。 風呂に入ったら手すりを持って立つ ⇒ 背中を擦る ⇒ 左手を擦る ⇒ 右手を擦る ⇒ 前を擦る ⇒ 左足を擦る ⇒ 右足を擦る ⇒ 臀部を擦る ⇒ 椅子に座る ⇒ 頭を洗う ⇒ 顔を洗う ⇒ 湯船に入る それぞれの工程の間にシャワーをかけて体を温めながら進めています。 いつも同じ手順でお風呂に入れているので、たぶん祖母はこれを覚えてしまったのです。 だから 「左手で手すりを持って、右手を離して」 とか 「右足を洗うから左足に体重をかけて右足を浮かせて・・」 とか 「今度はシャンプーするから椅子に座って、耳に水が入らないように塞いでね」 とか、初めの頃はいちいち言葉にして言わなければならなかった事が、いつの間にか、何も言わなくても祖母のほうから右手を出してくれたり、足を浮かせてくれたり、椅子に座って耳を塞いでくれたりするようになったのです。 だから祖母をお風呂に入れるのが楽に感じるようになったのだと思いました。 これって凄いことだと思われませんか? だって一般に認知症の人は昔の記憶は残っていても、新しい記憶はなかなか残らない・・・って言われています。 でも、祖母はいつも同じ工程で進めることによって、お風呂に入ってやる順番を覚えたのです。新しい記憶が残っている・・・ということです。 これは私の入浴介助が楽になったというだけでなく、祖母にとってもストレスが無くなった・・ということだと思いました。だからお風呂に入ることをあまり嫌がらなくなった。 特養施設でもお風呂に入ることをとても嫌がるお年寄りがいます。 私は嫌がっているお年寄りを見て (温まったら気持ちが良いのに・・・) とか (綺麗にするのが嫌だと言う人がいるんだな・・) とか思っていました。 でも、祖母を見ていて (もしかして、あのお年寄りは本当はお風呂に入るのが嫌なんじゃなくて、入浴介助のストレスが嫌なんじゃないか・・) と思いました。 誰だって一人でお風呂に入っていた時には、体を洗う順番が決まっていたと思います。手から擦り始める人、胸から擦り始める人、私なんてまずシャンプーから始めます。 でも特養や訪問で入浴介助を受けているお年寄りは、お風呂に入る度に、介助してくれる人によってその順番が違うのです。 (この間は背中から擦ってくれたから・・)と思っていたら、いきなり頭からお湯をかけられたり、この前は座って足を洗ってくれたのに、今日は立ったまま・・・とか・・・ 介助する人が初めてのお年寄りに接する時の緊張感が、お年寄りにしてみれば介助してくれる人が代わる度に感じているわけで、(今日はどこから洗ってくれるんだろう・・私はどうしたらいいんだろう・・) と迷ったりするんじゃないか、それがお年寄りのストレスになってしまっているのではないか・・・と思いました。 お風呂に入ることを嫌がっているお年寄り・・・いつもその人がしていた同じパターンにすることによって、嫌がらずに入るようになるかもしれないな・・・って思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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