2011/05/19(木)09:26
綺麗なアヤメが咲いていました。
祖母の施設の壁に飾ってあった折り紙で作ったアヤメ と 庭に咲いていたアヤメです。
お昼に祖母のところに行って私がしていることは、祖母が食べ終わるまで側にいて見守り、食べ終わったらコップと歯ブラシを持って洗面所に連れて行き、口をゆすいだ後に入歯をポリデントを溶かした水の中に付けておきます。
その間にトイレに連れて行ったり、中庭を散歩したりするのです。
この施設では長い廊下のつきあたりにドアがあり、その奥は温室を真中にぐるっと周れる廊下があります。
祖母は花が大好きなので、いつもそこの温室の花を見せると「綺麗なね~・・目が覚めるようなわ~」と喜びます。
毎日ほとんど同じ景色を見せるのですから、飽きそうなものですが、祖母は認知症ですからすぐに忘れてしまい、毎日初めて見た景色のように目を輝かせて喜びます。
でも、今日は温室ではなく廊下から見た外の庭にアヤメが咲いていることに気がつきました。
アヤメは祖母が好きな花です。
私 「婆ちゃん。綺麗なアヤメが咲いとるよ~」
祖母 「どこ?どこか~・・・」
でも廊下の外に面した窓は、車椅子に座っている祖母の高さより高く、見る事ができません。
私 「ん~・・・婆ちゃんの位置からは見えんね~・・見たい?」
祖母 「見たい!見たいど~!」
私 「じゃ・・頑張ってみる?」
祖母 「おお!」
祖母の車椅子を窓に向け、手すりを持たせて私が後ろから支えて立たせました。
祖母は必死で手すりにしがみつきながら窓の外を見ています。
祖母 「見えた!わあ~・・綺麗なの~」
トイレで立つ時には足を痛がって立つことを嫌がる祖母。
でも、大好きな花を見るために必死で立っていました。
時間にして1分にもならないような短い時間ですが、それでも顔を輝かせて「綺麗だ~・・ええの~」と言いながら見ていました。
私 「見れて良かったね~・・」
祖母 「おお~・・・えかったわいや~」
温室から洗面所へ向う長い廊下・・・・上機嫌になって唄い始めた祖母の車椅子を押して、私も一緒に唄いながら戻りました。