いまじぶんにできることは？

久しぶりに【学びの広場】の書き込みになります。

がんとタバコの関係についてのお話でした。
　～禁煙への道のり～

皆さんもご存知のように、タバコは健康にとって大変害のあるものです。

特に、ニコチンは麻薬と同じような働きがあり、一度吸い始めると

やめられなくなる「ニコチン依存」と言う状態をひきおこします。

ニコチンは、タバコを止められなくすると同時に、強力な血管収縮作用があり、

心臓や血管の病気にかかりやすくします。


虚血性心疾患（心筋梗塞、狭心症）、大動脈瘤、末梢血管閉塞症（閉塞性動脈硬化症、バージャー病）、脳血栓、クモ膜下出血など、全身の動脈硬化により閉塞や決壊が起こります。虚血性心疾患は喫煙だけでなく、高血圧症や高脂血症が加わると危険は相乗的に高まります。

女性では、喫煙と経口避妊薬（ピル）の相乗作用で、虚血性心疾患やクモ膜下出血の危険性が著しく高まります。低タールたばこは本数が増えると、一酸化炭素により、虚血性心疾患の危険を高めます。

また、アルコール、コカイン、マリファナ、覚醒剤などの依存症、薬物乱用の第一歩の原因になります。



タバコの煙中には、数千種類の化学物質、数百種類の発がん物質が含まれています。

その中でも、悪の代表がニコチン・タール・一酸化炭素です。


タールは、人間の身体に入り込み、肺やいろいろな場所でがんを作ります。

タールの表示量によらず、肺がんの発生危険率は変わりません。

　　タバコの側面に記されている『Super Light』というのは必ずしも軽くない！！

というのは、穴をふさいですえば濃い煙が吸えるからです。

　

一酸化炭素は、血液中の酸素の運搬をジャマし、からだの働きを悪くさせます。

呼気中の一酸化炭素濃度（ppm）は、非喫煙者では１桁台ですが、喫煙者では数十ppmになります。



　《タバコとがんの関係》

喫煙による超過死亡数（日本）
　WHOなどの最近の試算によると、日本でたばこが原因とされる死亡数は、2000（平成12）年には114,200人（男性90,000人、女性24,200人）に達しています。20年で約２倍に増加したことになり、この傾向はさらに続くことが予想されています。

　たばこ関連疾患の多くは、喫煙を開始してから20-30年かかって発症し死に至るので、現在の死亡の状況は過去の喫煙の状況を反映していることになります。


日本では１９５０年から１９９７年の間に肺がんが急増しています。
３５～５４歳での　男性の肺癌死亡率は６．５倍　　女性は４．８倍
５５～７４歳での　男性の肺癌死亡率は１０．５倍　女性は７．５倍

イギリスでは、国を挙げてのタバコ政策により肺癌死亡率は顕著に減少！
　　　　タバコのＴＶＣＭ全面禁止
　　　　タバコの価格値上げ
　　　　タバコを吸いたくなくなる写真を包紙添付
　　　　タバコの自販機ナシ



　　非喫煙者を１．０とした場合の喫煙者の死亡率（日本）

　　(男　性 )　　　　　　　　　(女　性 )

　　喉頭がん 32.5 　　　　　　喉頭がん 3.29

　　肺がん 4.45 　　　　　　　肺がん 2.34

　　咽頭がん 3.29 　　　　　　膀胱がん 2.29

　　口腔がん 2.85 　　　　　　甲状腺がん 1.85

　　食道がん 2.24 　　　　　　食道がん 1.75



若いうちに喫煙し始めると・・・
１５～１９歳で喫煙開始の場合、非喫煙者の６倍近く標準化死亡率が高い




外国タバコの包警告表示は、かなりショッキングです。

国を挙げてタバコ対策、癌に対する政策をしている欧州・アメリカは、

タバコによる癌の発生率が大きく減少しています。

日本では、未成年者の喫煙を防止するための教育が立ち遅れ、

タバコのＴＶ広告の全面禁止、自動販売機の問題など対策は遅れています。

タバコ１箱の価格にしても、先進国の中では目立って安いです。




静岡がんセンターでの『禁煙指導』について

禁煙達成までの道のりは長いですから、薬剤師が関わります。

ニコチン依存を減らす（身体的依存）・・・禁煙補助療法
　　　ニコチネルＴＴＳ（貼り薬：医療用）使用


禁煙補助療法の手順
１．　これまでの喫煙歴についての聞き取り（ニコチン依存の確認）
２．　ニコチネルＴＴＳの使い方説明
３．　禁煙継続のコツ説明
４．　電話、電子メール等での禁煙継続の支援