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萬華鏡-まんげきょう-

野村万作舞台生活70周年記念「大狂言会」

野村万作舞台生活70周年記念「大狂言会」夜の部

平成16年9月27日(月)午後7時開演


歌舞伎座での「大狂言会」周辺フォト



「翁」
翁…観世清和 千歳…野村四郎
三番叟…野村万作 面箱…野村又三郎

小鼓頭取…大倉源次郎 脇鼓…鵜澤洋太郎 古賀裕己
笛…一噌幸弘 大鼓…亀井忠雄
後見…木月孚行 梅若六郎
三番叟後見…三宅右近 石田幸雄

地謡…野村昌司 山崎正道 上田公威 浅見重好
   関根知孝 浅井文義 観世銕之丞 岡久廣

「棒縛」
太郎冠者…野村萬斎
主…深田博治 次郎冠者…石田幸雄

「茸」
山伏…野村萬斎
何某…野村万之介
茸…深田博治 高野和憲 月崎晴夫 奥津健太郎
  野口隆行 野村小三郎 竹山悠樹 三宅右矩
  三宅近成 時田光洋 野村遼太 中村修一
  小宮正三 高田真帆 野村彩也子 野村裕基
鬼茸…野村万作
後見…野村良乍 破石澄元


【あめみこの感想】
野村万作さんの三番叟(さんばそう)は生で初めて拝見しました。
野村萬斎さん曰く「私のそれは花の三番叟なら、万作は風情の三番叟である」と仰ったように、素晴らしいもののようでした。

以前舞台やテレビ放送で拝見した萬斎さんの三番叟は、若々しく、その身体から噴出す生命、彼の鼓動が聴こえてきそうなほど躍動感溢れるもの。
その萬斎さんの師であり父である万作さんは、派手さはないものの、内から沸々とこみ上げるパワーの発動、その周りの空間がまるで芳しい香りが漂うかのような、風靡な三番叟といった感じでした。

萬斎さんの三番叟は満開の桜の中での舞台なら、万作さんの舞台は真っ赤に染まった紅葉が美しく舞い散るような錯覚に捉われます。

言葉では表現しきれない感動があります。

万作さんの三番叟が終わったときに、本気で鳥肌が立ちました。

素晴らしかった!
今夜はただ、それだけしか言えませんね。


束帯結び


☆番外編☆
今回の大狂言会は、歌舞伎座ならでは。
最終曲の茸が終わった後、演者たちは普通は能舞台の「橋掛り」と呼ばれる廊下を渡って退場しますが、今回は花道からの退場。

また万作さんのお子様、可愛らしい沙也子ちゃんと裕基君の小さな茸も観られ、しかも狂言には珍しいカーテンコールもありました。
万作さんのお話では
「私は舞台生活70年を迎えましたが・・・・・・」とお話されたところで、気のせいでなければ少しお声が震えていたかのように思われました。
照れ隠しか「野球も70年、南海ホークスが大好きで…」とお話を逸らされ、会場の笑いを誘っていました。
そのお父様の心中を察してか、隣に立たれた萬斎さんも表情を変えないようにしつつも、少し2階席あたりへ顔を上げ、万作さんと同じく感極まっていたかのような感じでした。

これからの万作さんご自身の課題は「発展よりも充実」と話されていました。
舞台生活70年を越えてなお、「まだまだ精進」という上昇志向というか、芸の道に決して妥協を許さない、ゴールのない狂言道を極めて行かれるのですね。
そして、ますます円熟味を増した狂言師となられるんでしょう。
今後も万作さんの舞台をたくさん拝見していきたい、そう思いました。
「素晴らしい一時を、ありがとうございます」
今、万作さんを始め、あの舞台で素敵なパフォーマンスを演じてくださった演者の方々に心を込めてお礼を言いたい。


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