安倍晴明が使役していたと言われる「式神(しきがみ)」 伝説上では晴明の妻が見鬼(けんき)で鬼を恐れていたために、 式神(十二神将など)を一条戻り橋の下に隠していた、 というのは有名なエピソードです。 さて「式神」とは一体なんでしょう?
【其の壱:式神の種類とは】 式神とは鬼神、霊、自然界に存在する精霊の力を陰陽師によって使役するものです。 更に分類すると、どうやら3種類あるということがわかりました。 <1>生物、植物に宿る精霊を使役する式神、または有名な十二神将。 <2>木片や紙などで作った人形(ひとかた)、または呪府に念をこめて作り出す式神。 <3>修験道や密教修行で得た護法童子。 よく映画やコミック、小説などで主に目にする式神は、<1><2>です。 ◇映画「陰陽師」では・・ 蜜虫(みつむし)は言わずもがな<1>に分類される蝶の精霊であり、小説やコミックでは藤の花となっています。 また博雅が兼家に頼み込まれて晴明邸を初めて訪れるシーンがあり、美しい姿をした式神たちが出てきます。これも晴明の呪(現成真姿=げんせいしんし)によって解かれ、紙の人形や桜の花びらが正体だった、ということはこれもまた<1>や<2>の式神だということが分かりますね。 ◇小説やコミック「陰陽師」では・・ 上記の蜜虫のほかに、屏風絵の「綾女(あやめ)」や広沢の遍照寺で得た蟇(蛙)なども<1>と同じ式神です。 【其の弐:式神の特性と使役する陰陽師の力量】 基本的には主の操るままに動き、単純な命令のみをきくようです。 しかし晴明のような能力の高い陰陽師に使役される場合は、その式神の成せる業は限りなく高いのです。 例えば「蜜虫」は高い霊性を備えた式神で、晴明の命令によっては普通の人間と同じように清涼殿にあがって女官のように振舞うことも出来た、と言われています。 また岡野先生のコミック中に、唐土から渡ってきた方士で丹蟲(たんちゅう)が操る、悪さばかりする「管ギツネ」が登場します。 こちらもまた晴明の手に渡った後、見事にトリートメントし優れた式神へと変わってしまいます。 丹蟲はあくまでもフィクションのキャラクターのようで、晴明とどちらが優れているかは分かりませんが、式神としての素材を生かすのはその陰陽師の力量、器量次第ということが言えましょう。 【其の参:映画「陰陽師2」に見る晴明と蜜虫の関係】★ネタバレ含 映画「陰陽師2」でのラストシーン:晴明邸にて 死んだように動かない晴明の元へ蝶の姿をした蜜虫がヒラヒラと飛んできて懐に消え、その瞬間晴明が目を覚まします。 一体これはどういうことでしょうか? これは公式HPのネタバレ掲示板でもかなり話題になったネタです。 つまり、式神を使役する陰陽師の「命」にこそヒミツがあります。 映画で、晴明が完全に意識を失ってしまい、博雅の腕に抱かれているときには蜜虫の姿はどこにもありません。 晴明が呪術を施さないことには、式神さえもこの世から失われてしまうのです。 蝶の姿をした蜜虫が庭からふっと姿を現したとき、晴明の命はしっかりと火を灯し始めた証拠。 蜜虫(式神)と晴明の命は連動しているのです。 あめみこの独り言 ・・・それにしても、いつも蜜虫は晴明さまの懐に入って出番を待っているのでしょうか。羨ましいな~、式神になりたい(笑)