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萬華鏡-まんげきょう-

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2007年08月17日
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カテゴリ:能狂言

「附子」和泉流(敬称略)
太郎冠者 野村万蔵
次郎冠者 野村万禄
主    野村萬




附子の正体とは「甘い砂糖」
主は太郎冠者と次郎冠者を留守番にして出掛けるのに、たびたび酒などの盗み食いをされているため、信用が置けません。
そこで、附子の入った葛桶には「猛毒が入っていて風に吹かれただけでも死んでしまうから近寄るな」と言い残して出掛けます。

もとより好奇心旺盛な太郎冠者は附子の中を見てやろうと言い出し、最初は恐る恐る近づきますが中身はただの砂糖であることがわかります。

二人で夢中になって食べるうち、食べ尽くしてしまいます。

主人に叱られるのは必定。はてさてどうするか…。





学校の教科書にも紹介されているような狂言の代表的な曲。


意外に。


私、生で観るのはお初です。



この日は万蔵家の附子でした。


萬さんは、万作さんとはまた違ったオーラがありますね。
今回は主で、あまり目立たなかったのだけれど多分、扇を振り上げ「やるまいぞ」と言う姿は万作さんの方が怖そうかな?(笑)
万作さんのピリッとした佇まいが、何とも背筋が伸びる心持ちで好きなのだけれど、萬さんの穏やかでおおらかな雰囲気もいいなぁ。
萬さん、万作さん、万之介さん。
同じご兄弟でも三人三様ですね。

萬斎さんの従兄弟にあたる万蔵さんと万禄さん。
いつも観ている万作家の芸風と、どこがどんなふうに違っていて似てるかなぁと言うのはあまり気付かないまま終わりました(笑)
同じ和泉流の同じ家系だから違和感を感じなくて当然なんだけれど、つい見比べてしまいたくなるんですね(笑)

この附子の太郎冠者と次郎冠者。
一人の人格は「やっちゃえ、やっちゃえ」と言う欲望、もう片方は「やめておこう、何かあったら怖い」と言う節制やモラルが働いている一対の人格なんですよね。

結局は自制心より欲求が勝ってしまうのが人間の愚かなところなんでしょうけれどね(笑)



全ての附子を食べてしまったあと、何を思ったか掛け軸や茶碗をことごとく破壊して、主人の帰りを待ちます。

主人が帰宅すると泣きわめく太郎冠者と次郎冠者。

何事かと尋ねれば、
「留守番に眠くなってはいけないと相撲を二人で取っていたら、大切な掛け軸や茶碗を壊してしまいました。」
「責任感じて死のうと附子を全て食べましたが死ねません(;o;)えーん」



よく出来た言い訳だ(笑)



万蔵さん@太郎冠者が、やや小心者の万禄さん@次郎冠者を引っ張って附子に近づくあたり、二人のコンビネーションは観ていて単純に笑えて楽しかったなぁ。

身に覚えがあるからか(笑)


万蔵さんの狂言もたくさん観たいなぁ。




【徒然ばなし】
あんまり暑いのと体調不良も手伝って、ケータイからも日記を更新できないくらいグロッキーでご無沙汰でした(苦笑)


さて、この附子の感想を書きながら幼き我が身の悪行を思い出しました。


夏と言えばカルピスでしょ。
家にも頂き物のカルピスがありましてね、子どもの私にとってはご馳走でした(笑)

ただ、虫歯になりやすいからと母は滅多に飲ませてくれなかったんですね。

水玉の包み紙にくるまれた魅惑の飲み物「CALPIS」←もちろん白っ!


母のちょっとした留守中に、少しなら…とコップに注いでチビチビ飲んで数日後。

ある時、物欲しげにカルピスの瓶を見つめ続ける我が子に(←どんだけ卑しいんだ)飲ませようと母が瓶に手を伸ばしました。



「う…うわぁぁぁぁぁん(;o;)」



突然泣き出す私に驚いた母←そりゃそうでしょうとも(笑)


包みを取れば盗み飲みしたことがバレる(・・;)

…と、咄嗟に泣き出したわけです(笑)


「ごめんなさぁぁぁい(;o;)」


素直に謝ったのですぐ許してもらいましたが、


私の太郎冠者的体験談です(笑)


でも、この附子の太郎冠者みたいな言い訳をしたら怒られるのは間違いないでしょうねぇ(≧m≦)ま…、そんな頭は働かないけど(笑)


みなさんにも太郎冠者的体験談はありますか?


え。私だけ?(笑)







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最終更新日  2007年08月27日 17時15分43秒
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 あるある(笑)   ルビコン さん
万蔵家、なかなかホンワカいいお味ですよね。
私ももっと見たいです。
万蔵さんがやる横着者の太郎冠者って、大らかで細かい事には頓着しない感じが本当に憎めないですよね。
モエはないけど←コラ

私も、無意識のうちに万作家と万蔵家の違いを感じてました。
あ、違う…と思ったのは、切れ味と「間」でした。
って、そんなに万作家でも万蔵家も見てないけどね(汗)
曲に対して強調したい部分が異なるから、間が変わってるのかなぁと思いました。
だから、演者が違うという事もあるけど、余韻がかなり違ったのが新鮮でした。

>カルピス

あめみこさんも、太郎冠者体験あるんですね。
泣いちゃうのがかわいい。
さすが、小さい頃から優しいですね。

私と大違いです(笑)。
私の場合は、カルピスもあるし、味付のりでもあるし、変った所ではコーヒーに入れる粉のクリープってのも。
その度に必死に謝ってました。
が、泣かなかったし、手を変え品を変えて
反省というものがなかったです( ̄▽ ̄;A
思いつくまま書いたけど、太郎冠者キャラだったんだと今更気が付きました。
(2007年08月17日 20時33分27秒)

 あめみこさんってば   ラテル2750 さん
可愛いですねー
もしその場にいたら頭を思わずなでなでしてしまいそうです。
盗み食い・・・はないけど(小学生のころ)
どうしてもリカちゃん人形の服が欲しくてこっそり親の財布からお金を盗って買いに行った事が
ありますよー(犯罪者だ)
親には大人になってから言いました(ずるいかも)
(2007年08月17日 21時31分29秒)

 Re:【2】夏休み親子のための狂言の会(08/17)   Arabesqu さん
私は、萬さんと故万之丞さんの狂言を拝見して以来、萬さんの舞台は見ていないような。確かに、ふわっと温かみのある雰囲気の方ですね。
萬さん、万作さん、万之介さん、3兄弟の共演なんて、今となっては無理でしょうか。一度見られたら…と思うのですが。

カルピスは、私の子供の頃でも、魅惑の味でした。
うちでは、確か、夏は夕食の時にカルピスを飲んでよかったので、毎日、1杯のカルピスを晩酌にチビリチビリ大切に飲んでいたような記憶が。 (2007年08月18日 15時52分18秒)

 ルビコンさん   あめみこ さん
多分曲により違うと思いますが、万蔵さんの太郎冠者は無邪気、萬斎さんがやる太郎冠者のイメージは悪戯好き(笑)
モエなし…ぶ…(≧m≦)
それが正統な狂言の楽しみ方でありましょうが、やはりソレはソレでたまにないと醍醐味が←何の醍醐味だか(爆)
クリープに味のり(笑)
子どもがやりそうですねぇ(。-∀-)
私もクリープは舐めた←バレてないらしい
クリープも魅惑的ですよねぇ
今考えるとあんまり美味しくないんだけど(笑)
盗み食い選手権なら、みんな色んな経歴が出そうですね(≧m≦) (2007年08月20日 08時17分41秒)

 ラテルさん   あめみこ さん
悪さ(笑)お互いにしていましたねぇ(≧m≦)
私も親から買い物頼まれて小銭入れから頂戴したことがあります(爆)
駄菓子に消えたよーな←あくまでも食い気先行型
リカちゃん人形のお洋服は結構子どもにしては高価でしょう。
バレなかったってことは、少しずつ貯めたんでしょうか(。-∀-)
これも今となれば可愛らしいエピソード(笑)
リカちゃん人形遊びなんて可愛らしいなぁ。
私はいつも「戦隊ヒーローごっこ」だったので…←おてんば娘(爆)
それに計画性ないからすぐ目の前の欲望に負けちゃうのでお小遣いは貯めた記憶なしですよ( ̄▽ ̄;)
(2007年08月20日 08時29分08秒)

 Arabesquさん   あめみこ さん
晩酌にカルピス。かわいい(笑)
やはり夏にしか飲めないようなイメージで特別な飲み物だったんですよね~(^ー^)
年中売ってるけれど、やはり暑い日に氷を入れてクィッと…が一番(笑)
万之丞さんが亡くなる前でしたか。
今となっては本当に貴重。
3兄弟の狂言も夢でしょうかね。出来れば実現してほしいけれど。
もしそんな舞台があればチケットはなかなか取れないでしょうねぇ~。 (2007年08月20日 08時36分36秒)

 懐かしいです…   ☆舞★ さん
附子は小学校6年生の国語の時間にビデオを何回も見た(当時は見させられた、という感じでしたが)ので、よく覚えています。その一時期、クラスの男子の間では「あおげ、あおげー」「あおぐぞ、あおぐぞー」という太郎冠者と次郎冠者のかけあいが流行っていました(笑)

私もカルピスは小さい時に、たくさん飲んじゃだめと言われていた気がします。でもこっそり飲んでました。いつもは母や祖母が水で割ってくれていたのでおいしく飲んでいたのですが、一人で飲んだときに、「水で割る」というのを知らず、「こんなに濃かったかな…」と思いつつ原液のままで飲んでしまったこともありました(笑)カルピスの他には、幼稚園の時に配られていたカンロです。栄養を取らせるために食べさせていたので、一日に食べていい量が決まっていたのですけど、あんまり甘くておいしいので、親が見ていない隙に缶をあけてつまみ食いしてました。

狂言はやっぱり身近な体験を盛り込んでいるから共感できる部分が多いのでしょうね。 (2007年08月21日 11時26分41秒)

 ☆舞★さん   あめみこ さん
あれやこれやと気付けば8月。
すっかりご無沙汰しちゃってました。
大学生活はいかがでしょう♪
学校で狂言のテレビを見せてくれたんですね。いいなぁ。私は学生時代には全くこういう映像は教材として出てこなかったので、もっと早く出会っておきたかったなと今になっても思います。

舞さんも、カルピスは魅惑の味?(笑)
こっそり原液で飲んじゃった幼き日の舞さん、かわいいなぁ( ̄∀ ̄)
つまみ食いは誰にでもある経験なんですね。
だから、「欲求に打ち勝てず・・・」という素の動物的な行動を目の当たりにしてつい親近感を覚えてしまう(笑)
それに幕が下りたあとはきっと大らかに笑って許しているんだろうなと思える人間の魅力や寛大さがいいんですよね♪
狂言は単純だけれど、大人も子供も楽しめる気軽な演劇。もっと観劇人口が増えるといいなぁと今回心底感じる1日でした。 (2007年08月21日 20時05分04秒)


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