2006/02/15(水)20:11
なにも願わない手を合わせる
昨日の5時起き&成田(空港)へのお見送りのせいか、本日はへとへとです。
幸い休みをとっていたので、昼まで泥のように眠っていました。
しかし、疲れの要因はそれだけではない。
↑昨日一日で読了してしまった本。
「なにも願わない手を合わせる」藤原 新也(発行:東京書籍)
藤原新也は思い入れの深い作家だ。
昔々、私が結核で入院していた最中に、彼の書いた「東京漂流」を読んで衝撃を受けた。人生を変えるきっかけになった本だったと思う。
(そういえば、あの入院中に読んだもう一冊の別の本も、その後の生き方に大きな影響を与えた本だったな)
その後、藤原新也に一気にのめりこみ、それからその後、なんとなく興味がそれて、その後ずっと離れていた。
私が昨年より「清掃生活」をやるようになってから、「お掃除」にまつわる因縁で、久々に新聞誌上で藤原新也に再会した(そのへんの事情については、長くなるのでまた別の機会に)。
そこでなんとなく思い出して、手にとったのが件の本である。
この本は、実は2年程前に一度手にとっているのだが、そのときは「藤原新也も変わったもんだな~年取ったせいかな?」などと思った程度で、読む気にもならなかったのだが。
きっと、本との出会いも、人と同様に、ベストなタイミングがあるのだろう。
昨日電車の中で読んでいて、胸が締め付けられるように苦しくなってしまった。いまだに胸が痛く、気持ちがざわついています。が、とても良い本でした。
この本は、人の死と別れを写した鎮魂の写文集。
こんな私でも、四国のお遍路さんに行きたくなりました(わりと本気)。
最近は、どうもこの手の本に呼ばれています。たぶんなにか意味があるのでしょう。
今朝は、ざっと掃除機をかけて、棚という棚を拭き掃除。
ざわついていた部屋の隅々が、すこし鎮まった気がします。