2006/07/30(日)11:27
ゆめ、かなっているんですけど
昨日は、あるシンポジウムのお手伝いに行ってきた。
主催者は夫。
テーマはある作家(故人)について。
会場は某有名大学。
パネリストは、新聞や文芸誌で御活躍のそうそうたる文芸評論家の方々である。
文学に携わる仕事をしている夫ではあるが、私のほうはそっち方面はかなりちんぷんかんぷんである。
ミーハーな私としては、有名著明な方々を生で見ることができ(笑)、かなり満足であった。
こんなふたりが夫婦なんだから、なんだかおかしなもんである。
シンポジウム前夜の会話。
私「ゆめ、かなってるよね」
夫「はあ??」
私「昔っから、あの作家の本を出版することがあなたのゆめだったじゃない?」
夫「そういわれてみれば、そうだなあ」
私「本の出版だけじゃなくって、シンポジウムまで開けるようになったんだから、すごいじゃん!」
夫「そういわれてみれば、そうだなあ。ゆめ、かなっているなあ」
私「ひょっとして、今頃気がついたの~!??」
夫「今頃気がついた」
夫が生きることが苦しかった学生時代に、出会った作家である。
その作家は人知れず亡くなり、作品も絶版になり手に入らなくなった。
消えつつあった彼の作品をよみがえらせたのは、夫の仕事の成果である。
そんな夫の「金にならない仕事」が、たくさんの人の力となったことをしみじみと実感したシンポジウムだった。
会場にはさまざまな国籍、年齢の方々が大勢いらっしゃった。
若い学生さんもたくさんいらっしゃった。
杖をついて2時間かけていらっしゃった高齢の方も。
いつも「もうちょっと金があったらなあ~」が口癖の彼だけど、良いではないか。
金はなくともこんなに素晴らしい仕事ができているのだから。
私も、そんなふうに生きてみたいよ。。。って、ふと思った一日でした。