テーマ:本のある暮らし(3300)
カテゴリ:本
先日の日記に書いた「滝山コミューン一九七四」、読了。
著者と同世代の私としては、大変興味深く読んだ。 民主主義をめざした教師たちの自らの教育行為そのものが、はからずも権威主義になっていきました、というお話(実話)。 そして結果的に子どもたちを洗脳し抑圧する結果となりました、というお話。 「みんな平等」をめざしたつもりが、ファシズムになっちゃいました、というお話。 あの時代にこんなことが起こっていたとはまったく知らなかったし、その恐ろしさに背筋が凍る思いで読み進んだのは事実。 しかし。 著者の文章が「上から目線」なのが、どうも気になる。 高みから眺めて裁いている感がぬぐえないのだ。 なんだか、 「イデオロギーに簡単に洗脳されしまう愚かな大衆たち vs 洗脳されなかった賢い僕」 「集団ヒステリーをあおった加害者教師 vs トラウマが残ったかわいそうな僕」 って図式が見え見えで、私は後半すっかりしらけてしまった。 主観が入りすぎではないかしら。 私小説だったら、まだ許せるけど。 これはノンフィクションやドキュメンタリーとは言えないでしょう。 本のタイトルからして、悪意に満ちている感もある。 しかも、各紙書評やamazonのレビューなど、そのほとんどが絶賛あるいは好意的なのには、首をひねってしまう。 ああ、これ以上書くと、もっとひどいことを書きそう。 なんだか私、すっかりご立腹である。 こういう歴史を書き残してくれたことには敬意を表する。 しかし、どうも私は「上から目線」には、すこぶる敏感体質なのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.16 07:09:56
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