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カテゴリ:三国志・中国史
後漢書9・10巻から、怪異以外のネタを集めてみました。
後漢書9 〔鋳物好き〕 宦者列伝 第六十八 ○(p158)掖庭令の畢嵐をして銅人四を鋳して蒼龍と玄武の闕に列せしむ。 又た四鍾を鋳し、皆な二千斛を受け、玉堂及び雲台殿の前に県(か)く。 又た天禄、蝦蟇を鋳し、水を平門の外の橋の東に吐かしめ、水を転じて宮に入る。 又た翻車、渇烏を作りて橋の西に施し、用て南北郊の路にそそぎ、以て百姓の路にそそぐの費を省く。 (訳)(霊帝は)掖庭令の畢嵐に銅人四体を鋳造させ、東と北の城門に並べさせた。 また4つの二千斛が入る大きさの酒壺を鋳造し、玉堂と雲台殿の前に置いた。 また獣や蝦蟇を鋳造し、水を平門の外の橋の東に吐かせ、水を宮内にひいた。 またからくり仕掛けの車、水を引き上げる曲がった筒を橋の西に設置し、南北の路にそそぎ、百姓の水汲みの手間を省いた。 ★霊帝はこんなに無駄遣いしたんですよーの項です。それにしても鋳物好きすぎでは。 鍾は辞書で引くと鐘と酒壺の2つの意味が出てきたのですが、二千斛だから壺の方かな? 獣や蝦蟇は温泉のライオンや西洋のガーゴイルみたいに水を吐くようになってるようです。 どうせならお風呂にも置けばよかったのにw 〔断金の交わり〕 列女伝 第七十四 ○(p599)「易」に曰く、二人、心を同じくすれば、其の利(するど)きこと金をも断ち、心を同じくするの言、其の臭(かんばし)きこと蘭の如しと。 (訳)「易」によると、(固い友情で結ばれた)二人が心を合わせれば、金属さえも断ち切れる。心を同じくする二人の言葉は、蘭のごとき芳しさである。 ★「断金の交わり」には続きがあったのですね。 注によると、「二人既に心を同じくすれば、其の芳馨は蘭の如きなり。古人は通じて気を謂いて臭と為すなり」断金コンビでは孫策派です(←誰も聞いてない)。 後漢書10 〔がっかりローマ〕 西域伝 第七十八 ○(p219)桓帝の延熹九年(166)に至って、大秦王の安敦、使を遣わして日南の徼外より象牙、犀角、玳瑁を献じ、始めて乃ち一たび通ず。 其の表貢する所、並びに珍異無く、疑うらくは伝うる者過ぎたり。 (訳)桓帝の延熹九年、ローマ皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスは使者を派遣してベトナムの郊外から象牙、犀角、玳瑁を献上し、初めて使者が通じた。 貢物は特に珍しい物ではなく、どうやら大秦国についての情報は大げさであったようである。 ★ファンタジー領域の国からはるばるもたらされた財宝・・のはずなのに、魔法のアイテムの一つも無いとがっかりですよね(笑)。 内容からして、日南で現地調達した品に思えるし。 日南からということは海上ルートでしょうか。97年に漢側の使者として旅立った甘英は、順風なら三ヶ月だが、凪なら二年以上かかると言われて断念してしまったそうです。 この前の大秦国についての記述も、実際に使者が来たおかげか、城の柱と食器が水精(水晶?ガラスかも)でできているという他は割と地に足のついた風俗習慣の説明になってます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年06月26日 13時13分07秒
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