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せいやんせいやん

その21(10話)

201
【あの世~佐代子の場合】


佐代子が老人用アパートで孤独死すると──



「みぃっけ」

かくれんぼのおにがいた。


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202
【ニッポン人の定義20】


お歳暮や年賀状などの虚礼や

クリスマスやバレンタインデーなどの虚祝祭に

携わることによって、かろうじて経済を潤している、

虚礼儀正しい人種。


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203
【来世~タオルの場合】


タオルが使い古されてすり切れ、ポイされると──



ぞうきんになっていた。

古きよき時代のエコな慣習。


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204
【来世~長明の場合】


建保四(一二一六)年、鴨長明が、

伏見は日野山の奥、方丈の庵にて、

煩悩を捨てきれぬまま、心にもない念仏を三度唱えて

永逝すると──



東京は日比谷公園の奥、トイレ近くの段ボールハウスにいた。

「うう今夜は冷えるなあ。のぞきどころじゃないぞ」


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205
【ニッポン人の定義21】


交際(or遊び)相手の血液型をエイズより気にする人種。


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206
【来世~宏昌の場合】


不況のさなか、上司に肩をたたかれて暗に退職を勧告された

50代後半の宏昌が、会社の門にしがみついたまま凍死すると──



フジツボになって船体に付着していた。

──はなれないぞお。しがみついてやる。モへへへへへ……


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207
【来世~西行の場合】


仏法修行と和歌の道に励む西行が、

河内国の山中の草庵にて、

“ねがはくは花の下にて春死なむ

      その望月のきさらぎのころ”

と詠んだ二年後の

建久元(一一九〇)年二月に入寂すると──



西田敏行になっていた。

深い意味はない。

(ただの語呂合わせ)。


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208
【ニッポン人の定義22】


見栄と世間体だけで動く人種。


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209
【旅先の風景1~ピョンコロ村】


人々はピョンピョン跳ねてる。

生まれたときから跳ねてる。

体形は球体に頭と腕をつけたよう。

足はない。

家の天井はおそろしく高い。

20メートルはある。

足元は床も地面もまっ平ら。

人々が踏み固めてそうなったのか、

跳びやすいようにそうしてあるのか、

たぶん両方だ。



いつも跳ねてる。

食事中も睡眠中も仕事中も休みなく跳ねてる。

ときどき頭で着地して気絶する。

それでも跳ねてる。

老化とともに皮膚が固くなり、ジャンプ力がなくなっていく。

90歳くらいでまったく跳べなくなる。

そうなると転がって移動する。

コロコロ、コロコロ、器用に転がる。

とつぜんパタリと止まる。

止まったときが死んだとき。


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210
【ニッポン人の定義23】


「いやあ、勉強不足なもんで」という

その場しのぎの言い訳を多用して、勉強しない人種。






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