秋山幸二
庭のジョロウグモの巣。メスの巣の隅っこにちっこいオスがいる。重量にしてメスの50分の1くらい。メスのおこぼれにあずかっている。意を決して、「ヘイ、彼女ぉ~」とすり寄っていく。メスは知らん顔。そのうちメスは気が変わって交尾をする。そのあと、メスは、「もう用なしなんだよ、このごくつぶしがぁ!」と言って、オスの尻を蹴飛ばし、追い出す。「あたいのえじきにならないだけでもありがたいとおもえ!」メスはせいせいする。頭上のカエデの葉が赤く染まったころ、巣の端っこか幹の下あたりに、メスは卵を産む。越冬はせず、一生を終える。卵は春に孵って、ウジャウジャと数十匹が這い出てきて、サバイバルが始まる。------------------------------------------------------------せんぷうき片づけたあとちょい暑い