2004/10/10(日)15:59
『沖縄戦とは何か』大田昌秀(久米書房)
大田昌秀氏は、現在参議院議員(社民党)です。
1990~1998年は、沖縄県知事に就任されました。
知事時代に何かを主張している姿をテレビで見ましたが、堂々とした話し方が印象に残っています。
また、太田氏自身も、鉄血勤皇隊の一員として、沖縄戦に動員されました。
この本は、あとがきに「1985年 沖縄戦40周年にさいして」とありますので、その頃に書かれた本です。
当時の大田氏は、琉球大学教授でした。
以下は、この本を読んで印象に残った箇所の引用と感想です。
「ひとたび戦争ともなれば<軍隊は、軍隊を守ろうとするだけで、非戦闘員を守りはしない>という事実も、わたしたちが沖縄戦で身をもって学んだ」
【感想】
まえがきからの引用です。
本文の最後も、「軍隊は、民衆を守るものではない」で結ばれています。
おそらく、著者が最も言いたいことです。
この本によると、沖縄戦では20万人余が亡くなりましたが、大半は老人・幼児・婦人などの非戦闘員だったとのことです。
「富国強兵を国是とし、天皇を中心にして極端な中央集権制の下で、同一民族同一文化を誇っていた日本人からすれば、沖縄人は日本人ではなく、劣等な異質な種族でしかなかった」
【感想】
守備軍は地元住民に対して不信感をもっていたようです。
多くの方々の犠牲の上に、今日の日本の繁栄があることを肝に銘じたいものです。