9.未だ世紀末：エムテック－その１

9.未だ世紀末

エムテック（Mtech）－その１

”中国産”モデル達の台頭の中で－その２：1996年～

　前章でご紹介したトロフューは”中国産”でこそありませんが、やはり外国製であり、国産車の表現には海外から見た日本車としての部分が残っているような気がします。といっても、その出来栄えに不満があるわけではありません。唯一の日の丸ミニカーブランドとして頑張って来たダイヤペットが、明らかな衰退を見せていたこの時期に、初代インプレッサのバリエーションを次々に発売してくれたトロフューの功績は、そのモデルの精密さと相まって揺るぎないものだと思います。
　1996年に大手玩具メーカーのエポック社が、エムテック（MTECH）ブランドで、日本で初と言える１／４３の国際標準スケールを採用したミニカーシリーズの発売を開始したのは、そんな時期でした。昔ながらのトイを思わせるドアやボンネットの開閉機構を備えながら、玩具としての安全性やプロポーションの再現にも充分な注意が払われたモデルを次々にシリーズ化していき、エムテックはダイヤペットに代わるブランドに成長しようとしていました。後にはエムテックもやはり製造コストの面から中国生産に切り替えられていきますが、この時期はまだ日本国内生産だったようです。
　スバルのミニカーについては、このエムテックから発売されたものは、いずれも他のメーカーとは競合の無いこのスケール唯一の製品ばかりです。エムテックはスバルのミニカーにとって、ダイヤペット衰退後のラインアップの穴を埋める貴重なブランドとなっています。
ここでご紹介するのは、２代目レガシィの後期型と空前のレトロブームを巻き起こしたヴィヴィオビストロ、そしてお馴染みのはたらくくるまサンバーのバリエーションです。

　２００３年３月この項アップ。
　２００９年１月レインボーブリッジギフトセットのヴィヴィオビストロのシルバーを追加。

ＭＴＥＣＨ

《MS17　スバル・レガシィ・ツーリングワゴン GT-B 1/43 1997年4月発売》
　前後期型を通じて２代目レガシィとしては１／４３スケールでは唯一のモデルです。マイチェン後の後期型で、プロポーション、ディテイル共に悪評とまではいきませんが諸説あるようです。でもちちにとっては、やたらに沢山のメーカーがミニカー化して、少々食傷ぎみの３代目レガシィとは違い、唯一の２代目レガシィを発売してくれたエムテックには足を向けて眠れません。
　製品番号MS17Aがホワイトで、MS17Bがダークブルーメタリックとなっています。アクションはボンネットとフロントドアの開閉ができます。
　　　　　　　　

《MM03　スバル・ヴィヴィオ・ビストロ 1/43 1998年3月発売》
　今さら説明の必要が無いヴィヴィオビストロです。元々はサンバーにクラシック調のフロントグリルを付けた、その名もサンバークラシックが発売されていましたが、比較的好評だったようでヴィヴィオにも同様のバリエーションを加えビストロと名付けたところ、大ヒットとなったものです。その後他メーカーが恥ずかし気もなく追随し、軽自動車ばかりか、大衆車でも似たようなデザインが道に溢れ帰ったことは記憶に新しいところです。
　製品番号MM03Aがエンジで、MM03Bがグリーンとなっています。アクションはフロントドアの開閉ができます。
　　　　　　　　

《スバル・ヴィヴィオ・ビストロ金メッキ 1/43 1998年限定配付?》
　ダイヤペットコレクションクラブの向こうを張ったエムテックホビークラブの会員用に限定配付されたものです。
　ヴィヴィオビストロにはこの他のバリエーションとして、1998年の末にMD07レインボーブリッジに銀色のビストロをセットにした、レインボーブリッジギフトセットが発売されています。

《MP08　スバル・ヴィヴィオ・ビストロ　ミニパトロールカー 1/43 1999年3月発売》
　お馴染みのスバルのミニパトカーです。ダイヤペットの初代レックス、３代目レックスに続いて、このヴィヴィオビストロにもミニパトカーがラインアップされています。
　　　　　　　　

　２００９年１月追加
《MD07　スバル・ヴィヴィオ・ビストロ　シルバー 1/43 1998年発売》
　随分と長い間この色違いのビストロを探していたのですが、漸くげっちゅできました。レインボーブリッジギフトセットのビストロです♪
　　　　　　　　

《MM05　スバル・サンバー 1/43 1998年発売》
　みんな大好きな”はたらくくるま”スバルサンバーが、このシリーズにもラインアップされています。標準スケールの１／４３としては初のモデル化で、下記のようにバリエーション展開されています。
　MM05-Aは赤帽専用車、MM05-Cはお馴染み郵便車でMM05-Bはドラえもんのアイスクリーム屋さんになっています。これらは後に簡易ケースの低価格版として再販され、T-08が赤帽、T-09がドラえもん、T-10が郵便車となっています。