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蝉時雨

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2007.07.13
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カテゴリ:まんが総合
トーマの心臓をともだちに借りて読み直しました
(加えてその他トーマ関連を含んだものもある短編も)

詩的で、脆いからこそ美しい「彼らの世界」
少年たち独特の瑞々しさがあるお話です
萩尾望都先生の描くものは他に、ポーの一族とか、11人いる、とかかな

やわらいかい水のなかにひたひたと
体を濡らしていく感触っていったらいいのか
すーっと体に、絵も詩も話もぜんぶ染み込んでいった

トーマに出てくる子はどの子も好きですが
私が特に好きなのは、トーマオスカーです。
遠い昔私の心を掻っ攫って去ったオスカー…!
花のように愛らしいトーマ…!もうどうしたら!(黙れば)

ことの始まりはトーマの死からはじまる
それが当時、もう少し小さかった私には衝撃的でした
振り返られもしなかった行方知れずの愛の為に、死んだトーマ
時間をかけてじっくり、じっくりと彼の死が意味を持つものになる時
ユーリは救われ、罪深い自らがとっくのとうに神に許されていたのだと知る

他からの差別や自らに対する戒めでがんじがらめのユーリ
全てを知っていても見守ってやることしかできないオスカー
ユーリの信頼を失い、突き放されもユーリのことを想い死にいたるトーマ
そしてトーマに瓜二つで、負けん気と勝気でユーリにぶつかっていくエーリク。

これらを取り巻く全てがうつくしく、彼らの世界をつくる
まるで文学作品のような作品だったと読み終わっておもいました


きっといつまでも、
いろんな人たちに大切にされるであろう作品だ
そんなふうに読んでいておもいました 笑






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Last updated  2007.07.14 02:28:46
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