仙台演劇鑑賞会（ろま猫雑記）

シェークスピアだから、セリフに埋め尽くされている。
それに、大筋がヘンリー２世とその妻の、国をかけた夫婦喧嘩だから、微妙である。
微妙だというのは、２人の間の愛の形が、やはり凡人の夫婦には理解しかねる？状態であるし、子供に対する愛情も現代のそれとは違うので、ついていけない、って感じなのである。
現代だったら、とっくに離婚して慰謝料巡って泥沼の争い、子供の方は家庭内暴力、っていうところになっていると思うのだが、この時代は宗教上離婚はおいそれと許されないし、子供の立場も現代のようにかわいいだけでなく、父親の地位を狙う敵ともなってくるのだ。
それはわかっていても、お互いの思惑を通すべく丁丁発止のやりとりは、どこまで本音でどこまで計画的なのか、やっぱり振り回されてしまい、まじめに追っていると疲れてしまう？
夫婦喧嘩は犬も食わぬ、というが、この夫婦の喧嘩はウワバミだって消化不良を起こすに違いない。
とにかく、主役の２人が圧倒的なので、もう少し３人の息子たちにも見せ場が欲しかったところだ。