カテゴリ:表現規制とかそんなの
小説家の川端裕人さんのブログ「リヴァイアさん、日々のわざ」にうわっ、ゲーム脳の講演会!というエントリが上がっていることを、2ちゃんねるで知った。
この意義あるエントリに私は身も蓋もなく乗っかる。 世田谷区が主催する講演会で「ゲーム脳」の森教授が一席ぶつということを、お子さんが持って帰ったチラシで知り、学校に意見したという。 ただ単に「ゲームばかりしてちゃいけません。めっ」と言うためだけに、科学未満のあやしげなオカルトを用いるのは好ましくないということだ。 川端さんの文章は非常にわかりやすく、なぜ「ゲーム脳」がダメなのか、区や教育機関が、インチキなニセ科学を未検証のまま「正しくまっとうなもの」として、子どもに提示することの害悪を説いている。 オカルトの「ゲーム脳」を科学的ななにものかとして扱うことは、親御さんがゲームに感じている怖れよりも、害がある。 真っ赤なウソ、ひどいインチキを、子どもに向けて「これは科学だ」ってことにしちゃうわけですからね。 「ゲームをすると自閉症になる」といった森教授。 α波が出ると脳に悪いという森教授。 このたわごとを正しい科学だと、アソコやココの自治体は子どもに示したわけです。もう手遅れのところもある。 いままで自治体とか親どもは、インチキ理論を「正しい科学なのよボクちゃん」と言い、森教授の小遣い稼ぎに協力してきたわけです。 川端さんは、たまたま子を持つ親であり、たまたまこのたび「ゲーム脳」脳の害に直接触れたために、声をあげた。 リンク先にもあるけど、人は火の粉をかぶらないと行動しようとは思わないものだ。 その、怠惰、ってんじゃないけど、実際に火の粉をかぶってからじゃないと動かないという人間の性質の隙を縫うように、子どもがウソを教えられてるってのは、えー、悲劇ですわな。 中学出てりゃ、「ゲーム脳の恐怖」は取るに足らない寝言だって判断できるようにならないとイカン。そのように教育制度がハンドルされることを望む。 そして、せっかくなので、「ゲーム脳」を論理の後ろ楯にした過去を持つ神奈川県知事のブログにトラックバックすることによって、川端さんの意義あるエントリを、怠惰とオカルトの代表である阿呆な自治体とリンクさせようと思う。 オカルトに行政をハンドルさせてたまるか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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UFOの存在と同レベルのインチキを信じさせてまで、「ゲームは悪いもの!」と教えようとするその根性たるや・・・
新興宗教もビックリの倒錯した発想だと思います。 (2006.02.08 01:43:13)
ぶるーさん
「ゲーム脳」ってのは、「電話線を伝ってコレラがウチの町にもやってくる」ってのと同様のデマなんですけど、このデマを使って子どもの情操を教育した自治体や教育委員会はすでにけっこうな数あるわけで、こんなひどい話も無いな、と思いました。 (2006.02.08 10:23:59)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2%E9%AD%94
>ルネッサンス時代には「インキュバスは実際に女性を妊娠させうるか?」という議論が真面目に行われていた。というのも、この時代は生活環境の変化によって人々が性に奔放になり、都市部の若い(時には少女とも呼べるほどの年齢の)女性が父親不明の私生児を抱える例が多かったのである。 これと同レベル(というか前例から学ばない分低レベル)のオカルトを真面目にやっちゃうんですから、ホント困りものです。 (2006.02.14 05:32:32)
ぶるーさん
どもども。 そうそう、前例から学ぶという発想がないってことが表現規制をしたがる人たちの共通の病癖みたいなもんで、表現規制欲求の根底にあるもんは、簡単にファッショに転げるのですけども、そのことを自覚さえできない自称「大人」の多さに、正直いって絶望したくなりますね。 (2006.02.14 12:29:30) |
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