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戦国ジジイ・りりのブログ

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2013年08月20日
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カテゴリ:旅日記(中国)
※「相方城(3)」の続きです。


工業団地の一番奥まで降りてから、タクシーを呼んだ。
朝のおじちゃんじゃなくて、近くに営業所がありそうなところを調べて。

あ~、疲れた・・・
しかし、あとちょっとでトイレにありつける猫

電話を切ってそう安心したところで、タクシー会社から電話が入った。
工業団地のナントカってところの前にいると言ったのに、
あちらでは場所がわからないらしい。

少し降りたところの施設ならわかると言ったので、
仕方なくそこまで降りて行った。
一番奥まで来ればいいだけの話なのにな~、
なんでわからないんだ・・・


しばらくして迎えに来た車に乗り込んで、下ろしてもらったのは
福塩線の上戸手(かみとで)駅の手前。
まずは駅でトイレを借りる。

朝からかれこれ8時間。
ようやくスッキリしたところで、
駅から近い場所にある素盞嗚(すさのお)神社へ向かう。(場所はこちら



      福山・素盞嗚神社



おお、思ってたより大きそうな神社だな~。

今回の旅で確実に行こうと決めていた寺社はほんの3つほど。
この素盞嗚神社は、そのうちの1つ。

ただ、時間次第ではぜひとも行きたい寺などもいくつかあったので、
まだ早い時間だし、ここをさらっと見られれば福山に戻って
他の寺もちょっと見られるかも・・・

そう思いながら、神社の境内へ。


      福山・素盞嗚神社2



ん?
この手前の石は・・・


      福山・素盞嗚神社3



へ~、百度石かあ・・・

あんまり人の念のこもったものは撮るなって
よしおさんから言われてるんだけどね。
でも、しょっちゅう見るもんでもないしね。


 【式内社・備後一宮

  素盞嗚神社   茅の輪くぐり発祥の地

  疫隈(えのくま)の郷(江ノ隈の里)
  この付近は江熊の里とよばれたところ、古くは江隈とも記された。
  江は入江であり、隈はかたすみとも読める。江ノ隈の読みから、穴の海の入江で
  あったことが伺われる。

  奈良時代には古山陽道がこのあたりを通り、海陸交通の要所となり、人の往来に
  つれて市(江熊市)が栄えたところでもある。】
  (現地碑文より)


「穴の海」は神辺平野一帯に広がる海で、西は府中のあたりまで
入り込んでいたという海。

が、地理学的研究、その他の遺跡などからは一般的な伝説の海の範囲が
確かに海であったことを示す確たる証拠などはなく、伝説の域を超えていない。

府中まで海が入り込んでいたなら、ちょうど沼田川をさかのぼって
現在の本郷駅あたりまで海が入っていた沼田荘と似たような地形になるな~と
思ったんだけど、田口義之氏は神辺平野ではなく、
現在の福山中心部あたりが穴の海であったのだろうとしておられる。


しかし、私は「穴の海」って言い方の方が気になる。
過去の記事では、「吉備の穴海」についてちょっとだけ書いたので。

なんで、ただの海じゃなく「穴」がつくんだろう?


「デジタル大辞泉」で「穴」を調べると、

  あな 【穴/▽孔】

  1 反対側まで突き抜けている空間。「針の―」
  2 深くえぐりとられた所。くぼんだ所。「道に―があく」「耳の―」
  3
   ・金銭の損失。欠損。「帳簿に―があく」
   ・必要な物や人が抜けて空白になった所。「人員に―があく」
   ・不完全な所。欠点。弱点。「下位打線が―だ」「彼の論理は―だらけだ」
  4 他人が気づかない、よい場所や得になる事柄。穴場。
  5 競馬・競輪などで、番狂わせの勝負。配当金が多い。「―をねらう」
  6 世間の裏面。うら。「世間の―を能く知って堺町とは気づいたり」〈根無草・三〉


ふ~ん、「深くえぐりとられた所」?
古代には、備中高松には港があったっていうけどね。


「穴の海」で検索したら、「ダイホーコンサルタント株式会社」様の
ホームページにこんなことが書いてあった。

 【建設省福山工事事務所発行の「六十年のあゆみ」(昭和61年発行)という書籍に
  興味深い記述と写真が掲載されています。洪水災害に対する災害復旧事業の
  記述のなかに、大正8年、そして昭和20年の大出水ため各箇所で
  記録的な大被害が生じた際の、当時の神辺平野の洪水写真が掲載されています。
  (63頁)

  そして、その表題が、「穴の海を再現した神辺平野」とあります。写真は道路を残し
  一面が海のごとく氾濫した様子を写しています。】


これを読んで、1985年に洪水で水没した備中高松城周辺の情景を
真っ先に思い浮かべるのは私だけではあるまい。
(水没の写真はこちら
 
まああの辺、海がひいてからも土地が低くて水っぽい土地だったみたいだしな。
要するに、イメージ的には浅瀬とか遠浅の海みたいな水場を
古代では「穴」としたのかね。

ま、これは漠然とした想像ですが。



石碑にはもうひとつ、目を引くことが書いてある。


 【茅の輪神事

  備後(きびのみちのしり)国の風土記に曰く、疫隈の国社(くにつやしろ)。

  昔、北海の坐します武塔(むとう)神・・・南海に出でまししに日暮れぬ、
  その所に将来一人ありき、兄の蘇民(そみん)将来、甚く貧しく、
  弟の巨旦(こたん)将来、富て屋倉一百ありき・・・即ち、詔りたまひしく
  「吾は速須佐雄(はやすさのお)の神なり、後の世に疫気あらば、汝、
  蘇民将来の子孫と云いて、茅の輪を以ちて腰に着けたる人は免れなむ」と
  詔りたまひき。   (備後風土記逸文)より


  蘇民将来「茅の輪」伝承発祥の地として、文献上、最古の記録を残すほか、
  「疫隈の國社」として延喜式神名帳にみえる古い歴史をもっている。
  現在も無病息災・厄除けを願って、この伝承に由来する「茅の輪くぐり」の神事を
  行っている。素盞嗚尊は武塔天神あるいは祇園牛頭天王とも称され、出雲神話の
  祖でもある。

  本社は、備後三祇園社の一社で七月の祇園祭は備後地方の夏祭りとして有名であり
  祭り終了日の深夜、吉備津神社の宮司・禰宜が当神社に参詣し「無言の神事」が
  行われている。明治初期までの神仏習合の一時期「早苗山天龍院天王寺祇園社」と
  呼ばれた事もあり、早苗の松の伝承を残した。】


引用が長くてすいませんね雫

いや、私が茅の輪くぐりを知ったのは、ミワラの三原八幡宮なんだよね~。
その時は何なのか知らなくて、ただそれをくぐればいいことがある、
って風によそ様のサイトで読んだだけだったので、
先人の言うままに8の字に3回くぐったんだけど。

そっか、あれ、神事なんだ・・・

しかし、上の解説だとよくわからんな。
蘇民将来の名前だけは聞いたことがあったけど、どんな人なのか
これまた知らなかったので検索してみたところ、
上の備後風土記からの引用部分は「・・・」の箇所が割愛されてるみたいだね。

ので、私と同じく知らなかった方のために補足しますと、
弟の巨旦は金持ちだったにも関わらずスサノオの宿泊申し込みを断り、
貧しい兄の蘇民がもてなしてやった。

巨旦の冷たい仕打ちに逆ギレしたスサノオは、
巨旦の妻(=蘇民の娘)に茅の輪をつけさせ、それを目印として
妻以外の巨旦の一族を滅ぼしてしまった・・・

ここから、茅の輪をつけていれば疫病や災厄から逃れられるという
信仰が始まったとされる。


しっかし、何で茅の輪なんだ?
顔で識別できなかったんですか?
蘇民の子孫だと偽証しても免責になるっておかしくないですか?

とか色々言いたくなるけど、神話に真面目にツッコミ入れちゃいけませんぱー


うちの方では茅の輪なんて見たことなかったので、
西国独自の文化なのかと思っていた。

が、先月(2013年7月)だったか、仕事の帰りに図書館に寄って、
まだ明るかったのですぐ近くの諏訪神社に何気なく寄ってみた。

そしたら、境内にはでーんと茅の輪が・・・
輪っかには短冊なんかがぶら下がっていたので、
七夕に関連したイベントなのかと思った。

けど、茅の輪くぐりについて調べてみたら、
主にスサノオを祀る全国の神社で蘇民信仰があるものの、
他に国津神の神社でも行われているものらしい。

そうか、諏訪神社って、タケミナカタだもんな・・・
そういう事なのか~、とやっとこの文化を理解しましたダッシュ


時期は神社によって色々あるみたいだけど、
旧暦6月に行われるのが一般的なんだと。
なるほど、短冊に惑わされたけど旧暦6月(現在の7~8月頃)だったワケね。


延喜式は阿部神社のところで「とにかく古い神社だと思ってください」
とだけ書いたけど、解説によるとこの神社は延喜式に名を連ねる式内社のようだから、
相当古い神社ってことか。

どのくらい古いのかって?
延喜式神名帳がまとめられたのが延長5年(927年)だというから、
それ以前からあった神社ってことでしょ。


しかし、「無言の神事」って何じゃい・・・
と思ったら、素盞嗚神社のホームページに説明がありましたので、
興味のある方はそちらをご覧ください。

一言で言って、宮司さんと禰宜さんの式三献のことらしいッス。


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最終更新日  2013年08月20日 23時12分11秒
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