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戦国ジジイ・りりのブログ

2013年11月27日
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カテゴリ:上野と寛永寺
歴史ファンの皆様の中には光村推古書院の時代MAPシリーズを
ご存知の方もおられると思います。

このシリーズは、古地図にトレーシングペーパーの現代地図を重ね合わせて
即座に位置の同定ができる、眺めているだけでも楽しい地図です。
私も未公開の「京都魔界編」2編ではこれの京都シリーズにお世話になったりして
好きな本なんだけど、さっき本棚に『東京時代MAP 大江戸編』が
ささっているのを目にして、

そっか、これもあったんだっけな~(←忘れてた)
寛永寺、載ってるかな~

と開いてみたら、家光の上野霊廟も「御霊屋」として本坊の脇に描かれてたので、
いつ頃の古地図を基にしてるのかな・・・と考えてたんだけど、
眺めているうちなんか違うことに気がついた。

位置がね、違うんです。
『東京時代MAP』の方だと、家光の上野霊廟は前回の子院群の場所ではなく、
もう1ブロック南の位置になっていて、子院群とはかすりもしない。


げええ~っ!!
家光の霊廟の記事を書いた直後に
間違いを発見するなんて!
勘違いもいいとこじゃん!!

・・・とまっつぁおになりながら、穴の開くほど地図を眺めた後で、
やっぱり私の推測の位置の方が正しいらしいという結論に落ち着いた。
この地図の後の年代になって霊廟が少し移動した可能性もなくはないけど、
本坊の位置もずれているので、どうもそれも考えにくい。

あ、別に「この地図、間違ってる!!」ってまくしたてる気はないですよ。
古地図の中身として採用した『江戸切絵図』は測量が正確じゃないので、
現代地図との比較はあくまで推測です、ってちゃんと凡例に書いてあるしね。

ただ、与えられた情報だけをうのみにするんじゃなくて、
自分で調べたり考えることもやっぱり大切なんだな~と思っただけです。

書籍だけでなく、現地の解説板なんかもね、
人様の訪城記とか史跡めぐりレポートなんか見てると、
解説板の内容をそのまま素直に受け止めてる方が多いように思われるので、
こういうこともあるから、せっかく現地に行くのであれば
自分なりの考えも持った方がいいんじゃないかな~って例として
ご紹介しました。



てことで、間違ってないという結論に至って安心したところで
寒松院の境内に入ります。


      上野・寒松院5



境内は、はっきり言って狭い。
正面が庫裏で、右側がお堂かな。
私のカメラだと、建物全体を写すには境内が狭くて無理があったので、
建物の全景は撮ってません。

まず、お堂の正面にあるこれが目につく↓。


      上野・寒松院6


なんだ、これ?
「堂」?

ん~ん、いや、ちょっと待てよ。
「堂」の周りにあるのは「下がり藤」だから、
「藤」と「堂」で「藤堂」か!!ひらめき

アハハハ・・・
あれ?
これって、藤堂家の家紋?

と思って調べたら、藤堂家は蔦紋を使用しているようだし、
替紋でこのタイプがないかと思って探したけど、どうも家紋ではないらしい。
なら、藤堂家のゆかりって意味で付けてるのかな・・・


寒松院の起源は、与右衛門こと藤堂高虎が創建したというところは一致している。
が・・・
その時期というか目的が少々見解の相違などがあるようで、
子院を造って寛永寺に寄進したと書いてるものもあれば、
もとは藤堂家の菩提寺だったとしているものもある。

私は、上野に屋敷を持ってた時の菩提寺だと思うんだよね。
だって、墓があるんだもん。

ま、その真偽はわかりませぬが、「寒松院」は与右衛門の法号。
藤堂家の領地、三重県津市にも同じく与右衛門の法号から取った
寒松院があり、そちらは藤堂家の菩提寺。


んでは、他のパーツをいくつか・・・


      上野・寒松院7



懸魚の上の飾り金具の真ん中についてる蔦紋、これが藤堂家の紋です。
普通の蔦紋は、髪の毛に例えると
上部がこんもりしてて「盛ってる」ようなデザインなのが、
藤堂家のは薄毛の人のてっぺんがぺしゃんとなってるような感じの特徴があり、
「藤堂蔦」と呼ばれるそうな。
え?例えが悪い?泣き笑い

つまり、現在でも寒松院は藤堂カラーが強いわけだな。

しかし、蟇股は蔦紋じゃない↓。


      上野・寒松院9


この紋は、唐破風正面の飾り金具の脇にも付いてるし、
こんなとこにもある↓。


      上野・寒松院10


      上野・寒松院15




なんだろう、これ・・・
ヤツデとかの植物紋か、あるいは扇面あたりのような気がするけど、
何のデザインかすらわからなかったしょんぼり

藤堂家の定紋・替紋とも違う。
これが寺紋なのかな・・・


お堂正面の奥には、この方↓。


      上野・寒松院11


台座には何か刻まれている。
右から順番に、

  妙地院殿運善法蔵大姉
  ●寒松院殿松道高潔権大僧都
  善心院殿智覚妙鏡大童女


え~、真ん中のは与右衛門だな。
一番上の文字が読めなくて●としましたが、これ梵字かもしれない。

まさか、これが墓ってことないよな。
両脇にあるのは奥さんと夭折した娘みたいな雰囲気だから、
供養塔みたいなものかもしれない。

ところが、帰ってから調べてみたけど、「妙地院殿」は正室でも継室でもないし、
お母ちゃんでもない。
側室とその子かとも思ったけど、与右衛門て側室持たなかったっぽい・・・
ピンポンして聞いてみればよかったかな雫


さて、今度はあまり広くない境内の中を・・・


      上野・寒松院16



  正保二酉歳三月二十一日
  空仁大徳
  俗名 田宮坊太郎

「空仁大徳」で検索してもわからなかったが、
「田宮坊太郎」だとコトバンクにヒットした。

 【江戸時代の敵討ち物戯曲の主人公。モデルは寛永18(1641)年、
  四国の丸亀で親の敵を討ったといわれる少年。史実としては疑わしく、
  伝説上の人物と考えられる。】


正保は寛永の後の元号だから、時期としてはこの人物と同時期ではあるけど、
なんだかな・・・
俗名まで書いてあるなら、出家して空仁になったってことなんだろうけど、
これって墓だよな。
わざわざ墓も移転させたのか?
よくわからん・・・



境内には、灯籠が1基↓。


      上野・寒松院20



胴が細くてちょっとバランス悪い泣き笑い
でも、笠の部分なんかは結構古そうだな・・・


庫裏の屋根↓。


      上野・寒松院21



      上野・寒松院22



あっちこっちに蔦紋。

寛永寺内の子院は、火事やら何やらの理由で
移動が多かったことを「上野第一編」で書いてますが、
寛永寺廃絶・・・つまり、徳川幕府崩壊以前は、
私の知る限りでは寒松院はずっとほぼ同じ場所にある。

寒松院は東照宮の表別当で、東照宮自体の移動がないせいかもしれないな。
寺内最大の子院であり、代々の学頭が選出されるという高い格を持つ凌雲院でさえ
別当ではなかったためか、絵図によっては結構移動してるのに。


寒松院を含む寛永寺の子院の多くは、上野戦争の際に焼失したという。
その後、新政府により寛永寺の境内地は接収、
明治21年(1888)になって、現在の寛永寺の裏手に寒松院が再建される。
当時の境内は360坪。

が、先の大戦で空襲にあい、再び焼失。
戦後になって現在の位置に再建されたとある。

この辺りの子院群はおそらくみんな同じような変遷を辿っていると思われ、
こちらの地図を見ていただくとわかるように、
寒松院があるエリアは子院がひしめきあう子院団地のようになっている。

そして、この子院団地の場所がほぼすっぽり
家光の最初の上野霊廟の位置にあたる。
「最初の」っていうのは、享保5年(1720)に焼失して以後は
厳有院(家綱)霊廟に合祀されたからです。
( 「上野第一編(2)」も思い出してね)


現在の寒松院の境内は、ほとんど建物で埋まっちゃってるから
広さはよくわからないけど、たぶん360坪もないよな・・・
時代を追うごとに、規模が小さくなってるんじゃないかな。

それでも、昭和に入って再建された建物でも
あちらこちらに藤堂家のゆかりを示す紋が付いていて、
規模がちっちゃくなっちゃってわびしいというよりは、
こんな風に藤堂家の紋を沢山付けた(おそらく)もう少しデカい
豪華なバージョンの建物がかつて東照宮のそばで偉容を誇っていたのか~と
イメージがしやすいので楽しい。


子院団地から南西にある上野公園や上野動物園、それから東京芸大なんかも
上野の山はほぼすべてがかつての寛永寺の境内。
公園内に入ってしまうと寺の名残を残す施設は少ないけど、
上野の山では妄想力全開で歩きましょう猫



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最終更新日  2014年08月02日 22時59分21秒
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