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テーマ:ニュース(100531)
カテゴリ:川柳
元日に関八州の毛を拾い 柳多留拾遺4
![]() 現在の北区岸町に、関東稲荷の総社・王子稲荷があります。毎年12月の大晦日には、関東中の狐が集まってきて翌年の狐の序列を決めてもらうという年に一度の集まりです。 狐たちは、稲荷社のある台地の麓に聳える一本の榎の元に集合し、ここで、旅装から正装に装束を改めて王子稲荷の社へ向かいます。 巻頭の謎句のような川柳は、大晦日から一夜明けた元旦の朝には、毛づくろいをした狐たちの毛がさぞ落ちていることだろうというもの。「関八州(関東圏すべて)の毛を拾い」という見てきたような言い回しが面白いですね。逆に、この時には、関八州の狐は皆留守になります。 八州を留守にしておく大三十日 ここに集まった狐は、狐火を灯して列をなして王子稲荷に向かいます。遠くからこの情景を見ている人間どもは、この狐火の多少で新年の作物の豊凶を占いました。 榎の不思議板橋に戸田王子 迚茂 樽109 という句からみて、この狐火は遠く板橋や埼玉の戸田あたりまで見られたのでしょう。 かくゆう私も、狐の一員となって毎年この行列に参加することを恒例としてきました。 昨年からは、娘も夜更かしができる年となり、女狐のできあがり。 ![]() 年々行列を見る人の数も膨れ上がり、また午前零時を待っている姿も狐の化粧や面をつけた人が増えています。これも、恒例化と情報の周知の成果でしょう。 ![]() まずは、出発点の装束榎稲荷にごあいさつ。 ![]() 明々と灯の入った狭い境内にも人が溢れます。 いよいよ、午前零時。 じゅう、く、はち、しち、ろく、 ご、よん、さん、に、いち、おめでとうございます・・・ 行列の出発です。 ![]() 今年は、行列の中からではなく、外からどのように見えるのが、客観的視点でみつめました。が・・・、ちょっと散漫な風景で、中から見る雰囲気とはちょっと違います。 ただ、昨年とは違った一行も列に加わり、列はさらに長くなったようです。 「踊る阿呆に見る阿呆」といいますが、私は踊る阿呆になったほうが良いようです。 ![]() 親分狐、子狐、女狐、・・・と多くの狐が王子稲荷を目指します。 狐火の後れて来たは正一位 鳶 治 女狐の管を巻く頃春に成り 久良伎 江戸の文化は、久良伎ら明治の川柳家も愛しましたが、また、東京生まれの娘も、「狐の行列に行きたい」といいだす年になり、しっかりと受け継がれた気がします。 ![]() 今年もきっと良い年になるでしょう。 江戸っ子の狐もしかと灯をつなぐ 一泉 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.01.01 09:03:36
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