たけぞうのばか日記（仮）

JMMの村上龍のめちゃめちゃ長いメルマガコラムに
とても(･∀･)ｲｲことが書かれてあった。

めちゃ長いので要点を絞って書くと、
オリンピック女子マラソン金メダリストの野口みずきについて
あの沢木耕太郎が朝日新聞にレポートを書いているのだが、
その内容が、野口の走りそのものを分析して
そのスゴさをレポートするというものではなくて
別にどーでもいいようなコト、
例えば「レースの途中に高橋尚子のことを考えたか？」という
「無関係かつ無神経な＠龍」「まじくだらねぇ＠俺」質問をして
無理矢理原稿を書いた、
否、そんなことをしないと書けなかった沢木は、すなわち
選手の技術うんぬんを論じることができないので
選手個人の「物語」を無理矢理挿入しなければ、
スポーツ原稿が書けない三文ライターであると
こう主張していたのだった。

スポーツ原稿を書くのに物語などいらんし、興味など全くない。
この主張に関して、俺も全く同感である。

そして、この龍の主張と全く同じことを
10年以上前にある雑誌で読んだことがある。
それを書いたのは日本随一のスポーツライター、二宮清純。
ちなみに同郷のヒトである。

まだオートバイレース専門誌の編集をやっていたころ、
先輩に「これ読んでみろ」と教えられて読んだ。

その内容は、長いのではしょって書くと、
「このころのスポーツ記事には危機感を覚える。
ジャンルを問わず、選手の活躍を伝える記事の大半は、
何かというと、技術以外のこと、たとえばその選手の活躍の裏には
奥さんの献身的な世話があった、とかのその選手がもつ技術以外のこと
悪く言えばお涙ちょうだい的な事実に焦点が当てられがちである。
確かに、その選手を支えてくれる陰の存在は重要だが、
しかし、それがメインになっては決していけない。
それはあまりにも分かりやすすぎる。
あくまで、普通の人が見て分からないその選手がもつ優れた技術（精神的な面も含む）を
しっかりとつかみ取り、伝えるべきだ」と。

当時まだ20代半ばだった俺はこの記事に喝采を挙げた。
さすが清純、プロやなと思った。

清純はこう言いたかったに違いない。
マスコミよ、ライターたちよ、楽すんなと。
なんでも分かりやすい物語にもっていこうとすんなと。

はっきりいって、その選手の技術的なレベルの高さと
それ以外の要素（例えば選手の奥さんの献身的なふるまい）は
全く関係ない。

確かに「物語」を押し出せば、分かりやすい。
なぜなら感情に訴えることができるから。
「あ～あの奥さんの支えがあったから、この選手は活躍できたのか」
とても分かりやすい。

だが、本質は何も見えてこない。
なぜ、その選手が、この場面でそのボールを打てたのか、
なぜ、その選手が、その場面でシュートを決められたのか、
なぜ、その選手が、その場面で一本を決められたのか、
なぜ、その選手が、死闘を制することができたのか……。

あくまでシロウトな俺たち＝観客が知りたいことは、
物語ではなく、技術だ。
それを長い時間をかけて養った「目」と、
綿密な取材と、
蓄積されたデータを元に検証、仮説、結論を導き出して
表現まで昇華させることができるのが、
プロのスポーツライターだ。

「感動物語」なんてどうでもいい。
そんなもんクソと同じだ。

今は亡き、稀代の文筆家・ナンシー関も生前、同じコトを言っていた。
感動に逃げるのは安易の極みであると。

そう考えると今のスポーツマスコミは安い。安すぎる。
ま、マスコミだからしょうがないけど。

それにしてもアマレスの笹本の試合には涙が出そうになりますた。
俺が記者だったら、
「あんた、絶対勝ってたよ！
俺は絶対そう思う！」
と記者会見の席で人目をはばからず叫んでいたであろう。

あれ？　俺が一番アマチュア？
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高円寺のハダカ祭りの今日、新宿で４年ぶりに会うダイビング友達と飲む。
しかも飲むのは２回目。
でもまったく変わってなくてよかった。
ついこないだ会ったみたいに盛り上がった。
４年のブランクも、「よ、ひさしぶり！」と軽く越えて
ふつーに話せることのなんとすばらしさよ。
この希有なつながりに感謝。