「Ｃａｓｔ ｏｆｆ　～小さな君のその手を抱きしめるために～」

シーツの波間で目覚めた２人。。。。。

お互いにまだ微睡んでいたい気持ちを押しのけて

どちらからともなく唇を重ねる。

心地よさを通り越した身体の気怠さを感じながらも

その気怠さが昨夜の余韻を引き戻す。

帰り際に彼女が

「また会える？」

「うん」

「ありがとう」

「近々、オフやるからその時にでも」

「楽しみにしているね」

「うん。楽しみにしているよ」

そう告げ手を振り千蔵は駅に向かい歩き始めた。

いつものオフメンツと話がまとまり

オフの日程が決まりました。

彼女にオフの日程を告げるとね。

「是非参加します」

予想していた言葉が返ってきました。

オフ当日

一次会から飲み通しの千蔵達は逞しいほどのテンションを維持していた。

彼女が参加したのは二次会の焼肉屋からだった。

まぁ、その焼肉屋でこんな醜態を見る事になろうとはね。

彼女の持ち込んだヒョウ柄バニーの衣装を。。。

おいおい。

ここでヒョウ柄のバニーガールの衣装が

何の脈絡もなく登場するのよって？って思うしょう。

実は事前にね。

彼女には伝えておいたのよ。

今回のオフはコスプレオフだからと。

もちろん冗談で言ったんですけどね。

彼女は真に受けてしまって（笑）

ヒョウ柄のバニーガールの衣装を持ち込んでしまったのよ。

オフでコスプレなんてするはずもないでしょうにね。

しかも焼肉屋ですから（笑）

ところがね。

「今日はコスプレオフなのに皆さん普通なんですね」

メンツの１人がね。

「そんな話聞いてないし、過去にもそんなオフをした事ないよ」

千蔵の冗談がばれた瞬間でした（笑）

まぁ、冗談がばれても機嫌を損ねる彼女じゃないのはわかっていましたからね。

どんな衣装なの？

って、自然にそんな話になるじゃない。

大きな紙袋から取り出されたのはヒョウ柄のバニーガールと

「人間失格」と書かれたタスキだった。

何でそんなの持っているのよ？

って、疑問はさておきね。

彼女の持ち込んだヒョウの柄バニーガールをね。

敏がその場でおもむろに着ちゃったんですよ。

ええ、周りはカップルや家族連れで賑わう焼肉屋ですよ。

ほぼ満席状態。。。

しかもね。

「人間失格」と書かれたタスキまで肩から提げましたよ。

男性がヒョウ柄のバニーガール姿で焼肉を喰っているだけで

既に人間失格だと思うんですけどね（笑）

敏が店員を呼んでね。

「すみませ～ん。上カルビ５人前追加ね」

応対した女性店員の今にも吹き出してしまいそうで

苦虫を噛み潰したような引きつった笑顔。。。。

頭から離れません（笑）

何を思ったか敏が突然立ち上がり

「トイレに行ってくるよ」

その格好のままでトイレに行ってしまいました。

店内にいたお客の目を独り占め状態ですよ。

あ、ちなみに敏はお酒が飲めないので素面ですが（笑）

ああ、なんておバカなオフになったのだろうと。。。

って、思いながらもオフメンツは腹を抱えて笑い転げていましたけどね。

こうして焼肉屋を笑いの渦に？巻き込んだコスプレとなりました。

５回に渡ってお送りしたコスプレ？はこれで終了です。

石を投げつけないでくださいね。

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