2011/02/28(月)21:51
JIN - 仁 - 第20巻を読んで
今回日本に行って買いたかったものの一つが漫画『JIN - 仁 - 第20巻』。完結編だ。
死を直前とした母の元に行ったときに、たまたま昼間のテレビで不思議な時代劇に遭遇したのだった。
「最近の時代劇って雰囲気が変わったのかなぁ」
そう思ってみていると、突然に現代のシーンが登場。
「???」
不思議な魅力に見入っていると、どんどんのその魅力に引きずられた。
それがドラマ「JIN-仁-」との出会いだった。
漫画は漫画でまた面白かった。
最初は作者が龍馬を生かしたかったから脳外科医をあの時代に送ったのだろうかとも思った。
確かに日本人ならば「龍馬が生きていたらどんな日本になっていたのか」と、たとえ維新後はそんなに政治的影響力を発揮しなかっただろうと思ってみても、やっぱりそんな想像をして見てくなるものだ。
でも、漫画上でもまた龍馬は頭を切られてしまい、主人公南方仁の力を持ってしても死を避けることができなかった。
ところが死後、龍馬は仁たちの夢に、意識に現れはじめる。
「これは、日露戦争直前に明治皇后の夢に現れた龍馬をモチーフとしているのだな」と思った。ストーリーの重要な鍵もその辺にある。
しかしストーリー遊びがこの作品のメインテーマではないようだ。
私は東京に上る新幹線の中で何故か涙を流しながら完結章を読んだ。
仁の時代の人々との出会いに感動したに違いない。
ドラマでもタイトルバックで現代と過去の東京の姿を交互に映していた。
「こんな素朴な私たちの先祖がこの国の礎を築いたんだ」
タイトルバックを見て、自然にこんな風に感じた。
いま逢いたい人は、龍馬だけでなく必死に生きた素朴な私たちの先祖たちだったのかも知れない。そばに誰かがいるような気持ちだった。