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夜眠れない時はYoutubeで小説の朗読や
podcastを聴いたりしながら過ごしています 朗読の中には面白いと思う小説もいくつかあって 改めて本を借りて読むこともしばしば そこで今回紹介する小説は芥川龍之介の「鼻」 彼の作品は以前ブログで「トロッコ」を紹介しましたが この短編小説「鼻」も 人の心理の複雑さをが描かれていてとても面白いです 主人公は禅智内供(ぜんちないぐ)と言う位の高い僧侶 頭を綺麗にまるめ法衣を着て威厳たっぷりのお坊さん そういった僧侶をイメージして読めばいいと思います~ そんな彼にはコンプレックスがひとつあるのですが それは顎までダランと伸びた長い鼻 (こんな鼻の持ち主はいないだろうけど) 彼は周囲の人達と会話する時 相手の視線が興味深そうに自分の鼻に注がれているのを いつも痛いほど感じているのです また大勢の中にいると自分と同じような鼻の持ち主がいないか 密かに周囲をうかがったり 自宅では顔を鏡に映しながら どのような角度に顔を向けると人から少しでも鼻が短く見えるのか あれこれ工夫をしてみるものの 長い鼻はどう角度を変えて鏡に映しても長く垂れ下がったままで 短く見える事などなかったのです そして何よりも大変なのは食事の時! 鼻が茶碗に入ってしまうので弟子に木の板で鼻を持ち上げてもらい 食事をするのですが ある日弟子がくしゃみをした時、木の板がずれて 持ち上げていた鼻が茶碗のおかゆの中に入ってしまったという 笑い話のような出来事が京都まで伝わったそうな><。。。 そんな彼 人前では鼻の事は全く気にしないふりをしているものの 日常の会話の中に「鼻」という言葉が出てくるのを 内心ビクビクしていたのです さらに自分自身が長い鼻を気にしていることを 世間の人に知られるのが怖い… そんな自尊心が彼を苦しめていた… (周囲の弟子たちはそんな彼の気持ちも見透かしていたのでしょう) ある日弟子のひとりが医者から鼻を短くする方法を聞いたと彼に伝えたのです それは鼻を熱湯に浸してゆがいた後 足で踏みつけると言う方法(笑) そうした弟子の勧めに彼は本心とは裏腹に わざと気のない返事をするのですがやがて試してみる事に🎵 熱湯に鼻をつけた後、横になった彼の長い鼻を踏みつける弟子 すごく気持ちよかったらしい(笑) 踏みつける弟子は気の毒がって「痛くないですか?」との問いかけに 「痛くない!」わざと不機嫌そうに答える僧侶 ひととおりの治療?が終わり鏡を見ると 彼の鼻は短くフツーの鼻になっているではないか! 翌朝早く目覚めて鼻に手を伸ばして撫でても変わらず短い! 「おぉ…」 長年気に病んでいた事から解放された彼!! 心の重石が取れて晴れ晴れした気分になったのは言うまでもありません しか~し、しか〜し><… 2,3日後彼は周囲のある変化に気付いたのです それは寺を訪れたある侍が彼の顔をジロジロと見つめ 以前よりも可笑しそうな顔をしているではないか>< また別の日は弟子の僧侶たちが自分の背後でクスクス笑っている! それも一度や二度ではない そしてある者は廊下ですれ違った際 下を向いておかしさを堪えていたものの とうとう堪えきれずプッと吹き出してしまうありさま 長かった鼻の時とは違った笑い…笑いというよりあざ嗤い(嘲笑)なのです 笑われる原因は短くなった鼻にあると気が付いた僧侶 そして次第に機嫌が悪くなり 短くなった鼻がかえって恨めしくなっていったのです それから数日後の夜…鼻がいつもと違いむず痒い、そしてむくんで熱がある ムリに短くしたからビョーキになったのか! 不安なまま翌朝起きて鼻を触ってみると… なんとなんと一夜にして鼻は以前の長い鼻に戻っているではないか 「おぉ…これで変に笑われる事は無いに違いない」 彼は秋風に長い鼻をぶらつかせながら 晴れ晴れとしたものが心に帰ってくるのを感じたのです 物語はこれでおしまい! この小説を読んで真っ先に想像したのが 何故か長い鼻ではなく髪の毛が寂しくなった世のお父さん達 職場では威厳を保って髪の毛の事など気にしてないように振舞っていても 実際は「ハ○”」って言葉に内心敏感に反応していたり 自宅では鏡を見ながら髪のセットに余念がなかったり そしてサザエさんのお父さんのような頭の上司が ある日突然カツラ被ってフサフサ状態で自信満々で出社してきたら… やっぱり同じように吹き出すかも(笑) 幸い私の髪の毛はフツーにあるので悩むことは無いのですが 若い頃に比べると髪の毛の量は減ったし両サイドに白髪も 目立ってきたなぁ… 散髪に行くと理容師のおばちゃん 「setokaさんは若く見えますね~」っていつも持ち上げてくれるけど 鏡に映った自分の頭髪をさりげなくチェックしながら もし髪を黒々と染めて 若い頃のようなボリュームたっぷりの頭髪にいきなり変えてみたら 40年前に流行ったとしチャンやマッチのような髪型にしたら(^ω^)・・・ きっと周囲は吹き出してしまうだろうなぁ… (女性だと若くなったね~とかあら素敵~☆となるんだろうけど 男性が変化しても何故かそうはなりませぬ!そして男性は髪をすご~く気にする 生き物なのです) 話題がそれましたが さてこの小説 作者は小説の中でこう書いています (傍観者の心理として) ~人間の心には二つの矛盾した感情がある 誰でも他人の不幸には同情するが その人がその不幸を切り抜けることができると なんとなく物足りない… または消極的ではあるが、ある敵意を抱くようになる~ 主人公の僧侶も短くなった鼻を見て周囲が笑う原因は まぎれもなく「傍観者の利己主義」からきているのに気づいたのです とても面白い小説なので 興味があればぜひ一読を~☆☆☆ ちなみにこの小説夏目漱石が絶賛したそうです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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