牛と鷲と虎と

2009/01/31(土)10:24

今日のブログはねたみの固まり

ちょっと前に着物を作ろうって思った時,ここのアンテナ店@銀座を覗 きにいきました。技術的にはすばらしいけど,趣味にあわなかった。ま あ、出来合いの着物で気に入るのがあるなんて、めったにないから、当 たり前ちゃあ当たり前。結局はよそ経由で京都の染屋さんのを誂えたん ですが。 その店主のブログを発見したのはつい最近。もしブログを先に見ていた ら,銀座のお店に行くと言う時間と労力の無駄はやらなかったやろう ね。絶対に気が合うわけない店主の店で、誰が着物を誂えるもんです か、ねえ。 店主は「今の日本の現状」を憂えています。古今東西,世情を憂える人 は常にいるもので、私自身も心配な事はいっぱいある。けど,この人と は違う。 この店主は生まれつき「持てる者」であり、親御さんから大枚はたいて 教養を準備してもらってはる。その恵まれた生まれを背景に、「無教養 で無芸大食のくせに東大(と特定の大学の名前を明示している)さえ出 ていればという輩」を非難してます。 車も振り袖も親に買ってもらえるようなお嬢客の例を出して、「そうい う<<良い>>お客様」は良いものを見て育っているので,当店の着物 の価値が分かる、のだそうです。つまり、私なんぞが見てもわからんの は仕方ないよね~。 まあね、だったらそういう「ご立派な」客だけを相手にしはったらええ と思いますわ。私も相手にしないから。私ら下賤の民は客ちゃうそうで すから。こっちだって頭下げて相手にしてもらわんで結構です。 店主は芸事にしろお茶お花にしろ、ちゃんと自分でお金も時間もかけて 習うべきと主張してます。それってほんまに「自分」か? 親掛かりで やった人に言われとうないわ。そしてね、そういう恵まれた環境に生ま れ育った人だけが「日本人」って本気で言うてますの? 私ら下層階級 は日本人ちゃいますのかいな?  昨今、階級化って言われているけど,昔の方が階級格差は酷かった。奉 公に出ていた祖母の話や、杜氏の祖父の話を聞いていても,旦那様と職 人(奉公人)では住んでいる世界が違う。 世が世なら、私はお針子として、こちらのような大店の呉服屋からお仕 事をいただいて、その呉服屋が客だと認めるご立派なお嬢様のためのお 着物を徹夜仕事でもなんでもしてお納めするのが身分相応なんでしょう ねえ。で、その労働で、おボッちゃまの教養を支えるわけね。 いやー,今の時代に生まれて、良かった。「無教養で無芸大食のくせに 東大(は出ていないけど)さえ出ていればという輩」がのさばれる時代 で、ほんと、良かったわ。 私は、たとえば武道は警察と学校の部活。笛や舞楽,書は神社。茶道華 道や三味線も祖母から。詩吟や謡は祖父。算盤と簿記は母。洋裁と和裁 は祖母。とまあ、全部自己流「ちゃんと」何かを習ったことなんてない んですよね。そないな余裕はどこ探してもあらしませんからね。しか も、他のものごとは機会がないんですから知りませんわ。無芸なわけで すわねえ。神社で奉納される雅楽や能狂言なら身近だけど、金かかる歌 舞伎は縁がないなあ。はい、教養ありませんね。って、私は日本人やな いですよね~。 上流文化を身につける暇と金がない成り上がりは者って「モノのうちや ない」。国家を背負う役人や政治家はそんな「成り上がり」がやっちゃ だめですって! 貴族制政治制度!? お姉様が皇族に嫁ぐような麻生 総理が理想なのかしら? それとも政権を投げ出して風流人をやってい る細川のお殿様? 2世3世4世が多い今の政界を見てると,この人の 言う「貴族制」は確立されつつあるのかも。で、その割には安倍夫妻を 「着物を着ない」ってこき下ろしてましたが いやー、「無教養の無芸大食の成り上がりのさばれる」時代に生まれて よかった♪

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