黄金温泉

前々からずっと気になっていた『黄金温泉』に行ってまいりました。 超メジャーな観光地ニセコの近く、JR昆布温泉駅からは車で５分ほどの田園地帯にあります。 「黄金温泉」と書かれた大きな看板がなければ、見逃してしまいそう…。 ここは個人の方が所有する手作りの温泉です。 受付の小屋があり、そこで清掃協力金400円を払います。 奥さんが「ぬるいですけれど、温まりますからゆっくり入ってくださいね。」と声をかけてくれました。 入り口に‘入浴しない人は中に入らないで下さい’と張り紙がありました。 中を覗きにだけ来る人がいるということなのでしょうね…。 中に入ると脱衣室は、棚のみ。ロッカー等はありません。 貴重品は自分で管理して下さいと張り紙がありました。 カメラマンの相棒が「あらぁ…」と絶句して、カメラを車に持っていってしまいました。 なので、中の画像はなしです。 ２人掛けの小さなソファーとテーブルがあり、鏡の前には綿棒まで置いてありました。 洗い場はひとつだけ。 温泉を利用しているという蛇口があり、リンスインシャンプーとボディソープのボトルが置かれていました。 期待していなかっただけに、細かい心配りが嬉しく感じられます。 41度に沸かしているという内風呂は薄茶色のナトリウムー塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉。 温めですが、汗がダラダラと流れてきます。 露天風呂はつい立で男性と仕切られた半混浴の浴槽と、源泉100％の五右衛門風呂、それに寝湯がありました。 広い庭園という感じで、池もあり金魚がたくさん泳いでいました。 ニセコアンヌプリ岳や羊蹄山がとても綺麗に見えます。 露天風呂の開放感は最高です！ 五右衛門風呂と寝湯は、定員1名だと思う大きさなのですが、寝湯の方に太い木の枝の枕のようなものが２つあって、無理をすれば二人入れるのかしら？？ どちらも36℃と低いのですが、すごい泡で、炭酸水の中に入っているような感じです。 ゴムマットのようなものが中に敷いてあるので、知らない人は人工的に泡を作り出していると思うかも。 それくらいすごいんですよ、泡が。 当然ながらかけ流しのオーバーフロー。 日よけがわりのパラソルが五右衛門風呂と寝湯の上にかけてあり、なんともほのぼのとした感じです。 個人的にこのシュワシュワの五右衛門風呂が気に入って、ずっと入っておりました。 横に昭和10年製と手書き文字で書いてあり、そんな昔のものなのかとビックリ。 ふと見ると、金魚池の横の方に五右衛門風呂のお釜が３つ逆さに伏せてありました。 そのうちこれも使うのかしら…。 なにせ、ここはご主人手作りのお風呂なのです。 後でお聞きした話によると、五右衛門風呂の釜は親戚が旭川から６個ゴロゴロと車で運んできたとか。 それであんなにたくさんお釜があったのかと納得。 あちこちのHPを見る限りでは、その時々によって浴槽がどんどん変わっているようです。 ご主人が楽しみながら、色々やってみているというところでしょうか。 そんな事を考えながらぼっと入っていると、泉100％の温泉はすごくぬるく感じる36℃のお湯でも、入っているうちに汗が出てくるから不思議です。 お風呂から上がって帰ろうとしたら、受付にいた奥さんが「お茶でも飲んでいきませんか？」と声をかけてくださいました。 お言葉に甘えて、受付の小屋にお邪魔しました。 中は意外に広く、各地の地名の入った提灯がずらりと掲げられています。 ご主人と二人で旅行した折に買ってきたそうですが、軽く30個はありそうです。 温泉を掘りたいというのが、昔からのご主人の夢だったとか。 冬になっても雪が積もらない場所があり、もしかすると温泉が出るのでは？という噂があったので、夢を賭けてみたようです。 温泉を掘るのに１mにつき４万かかるとか。 500mで出たということですから、ざっと2000万でしょうか。 「それなのに、またもう１本掘りたいようなことを言っているですよ。」と奥さん。 自分の楽しみ＆人を喜ばせたいという気持ちが、ご主人の中には常にあるのでしょうね。 ここで蕎麦も食べる事ができるのですが、作付けから収穫して粉をひいて蕎麦を打つまで全てご主人がされているとか。 お蕎麦は20分ほど時間がかかるようなので、入浴前に頼んでおくとよいです。 取材も色々受けるらしく、NHKは３日間かけて取材していったそうです。 「それでも放送は10分くらいですけどね。」と奥さんは笑ってらっしゃいました。 多分…これかな？ふだん着の温泉 奥さんのお勧めは、夏の夜の露天風呂だそうです。 カエルの合唱があたりいちめんから聞こえてくる中で、満天の星空を眺めながら入るのは最高だとか。 「人工衛星が動いているのも見えるんですよ。」 へぇ～！すごいわぁ…。今度はぜひとも夜に入りたいワ！ ちなみに宿泊施設はなし。夜は21時まで（10月からは20時） 5月から10月までの営業です。