2010/07/04(日)14:44
見せかけだけの福祉政策。
私の住む地域では毎年夏に、「夏期大学」といって各業界で活躍される著名人の講演が4週間(全4回)続けて開催される。
ちなみにきのうは、杉良太郎さんで「福祉と私」というテーマでした。
杉良太郎さんは全国の刑務所へ慰問に行かれたり、世界の貧しい地域での慈善事業、例えば学校建てたり、里親になったり、仕事がどんなに忙しい時も福祉の道を貫いてこられたお方です。
講演の中で杉さんが、
「借金してまで寄付した人はおそらく私だけではないだろうか?」
とおっしゃていました。
日本の刑務所の食事は1食あたり約600円。病気になっても就職の為習い事をしても全部タダ。
それに比べてベトナムでは1食約1円。
古米のもっと古い米で腐っていて匂うような米の上にその辺に生えてある草を少しまぶして食べています。
ベトナムの人は犯罪も犯していないのにこの現実。
最近、外国人犯罪が多いといわれるが、私たち日本人は彼らからみてどんなに恵まれている存在なのだろうと思います。
日本の刑務所も彼らにとってみれば「極楽」そのものなのです。
杉さんは、なんとベトナムの貧しい子供たち40人の里親になっていると言います。
それもお金を渡すだけでなく、定期的に会ったり、メールで連絡を取り合ったり、子供たちの進路相談、結婚相談まで対応しておられます。
身近な人では妻だった伍代夏子さんの重度のC型肝炎の介護もされていました。
子供1人一人前にするだけでも大変だと思うのに杉さんの福祉活動には頭が下がる思いです。
そんな杉さんに民主党岡田外務大臣から、
「ベトナムへの社会貢献の広報だけをやってほしい。」
と連絡があったそうです。
杉さんはもちろん外務省からお金を貰っているわけでなく、全て慈善活動でやっています。
国の政策としてこのような分野に力を入れていくつもりなら、海外に多大な貢献をしておられる杉さんのような人を国は「もっと頑張ってほしい。」と応援するはずです。
けれど実際は、
「広報だけ。」
つまりパフォーマンスだけなのです。
「慈善活動については、杉さん個人でやってくださいよ。」
という意味です。
参議院選挙が近いのでテレビや新聞なども政策論議が展開されています。
介護・福祉の分野を拡大、充実させていくことが、雇用の拡大を産み、そして経済を活発にしていくことに繋がる。
紙上の論理はそれで正しいかもしれない。
しかし私は病院で勤務していた頃、
若い男性は入職した日、女性の看護師長に注意され、注意を素直に受け入れられず、そして介護の実際の現場を体験して、昼過ぎにはロッカーにユニフォームを脱ぎ捨て、
「私仕事、辞めます。」
の一言もなく、病院から飛び出していきました。
その後彼は音信不通。
福祉は人間が相手です。
少なくても自分を犠牲にしてでも他人に奉仕出来るような人でないと勤まらないと思います。
嫌だと思いながら仕事をしてたら、相手(患者)に気付かれてしまいます。
箱物、雇用の拡大といったハード面だけの介護や福祉政策を語る前に実際現に来て見て自分は何を疑問に思い、何を変えたいのか?
自分の目で確かめることが大切ではないかと思います。
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