“しょう”のブログ

2019/03/30(土)00:43

竹田青嗣氏への手紙 2

哲学・思想(27)

竹田青嗣の本を読もう  この文章の趣旨は、竹田青嗣の著書の勧め(続き)です。  1980年代あたりから、いわゆるポストモダン思想がブームとなり、「実に浅薄な近代思想批判・哲学批判」がなされてきましたが、竹田青嗣はその当時においてもポストモダンブームに対して批判的な立場で理解し・評価をしていました(『現代思想の冒険』など)。  ここでは、私が竹田青嗣に送った手紙(メール)をもって、「著書の勧め」にかえさせていただきます。  彼ら〔カント・ヘーゲル〕にとっては、「人間の自由な権利」が「市民国家」によって初めて確保されるものであることは自明のことだった(『人間的自由の条件』16頁)ということ。人間は「自由」な存在であるために、その自立的な意志を発動させて道徳的存在〔他者を尊重する主体〕となる、というのではない。 むしろ、他者を自由な人格であると見なそうとする「自立的な意志」の相互性(「自由の相互承認」)だけが、まさしく人間の「自由」をはじめて確保し保証する(30頁)というヘーゲルによるカント批判のポイント、など深く納得できるものでした。  「自由の相互承認」というのは『弁証法的理性批判』でサルトルが述べた「相互性」の人間関係に近いのではないか、とも考えていますが、それは竹内芳郎氏も『討論塾 天皇的精神風土との対決』の中で述べておられるように「人権」をも基礎づけるものでもあろうと考えます。    以上、一部を引用しましたが、全体として非常に興味深い論考がなされています。『よみがえれ哲学』『人間的自由の条件』など、ぜひご一読をお勧めします。 (私は、教育学部の出身なのですが、研究室は社会科の倫理社会(懐かしい呼称…)です。在学中から47歳の今にかけて、愛読した思想家はサルトル、マルクス、ヘーゲル、竹内芳郎、竹田青嗣、西研、長谷川宏などです。現実に向き合う思想についてHP“しょう”のページにまとめています。)    ↓

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