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テーマ:子どもと教育問題(293)
カテゴリ:日本のこれから(学力低下)
NHK「日本の、これから」の次回3月8日(土)テーマは「学力」だそうです。
NHKは、多くの人たちを対象に「アンケート調査」を行うようですが、私のような教職員からの意見も大切と考えて、アンケートに答えることとしました。項目は多いので、一つひとつ質問項目と「私の回答」を紹介します。(このたびが第4回) 〔アンケートの項目〕 “ゆとり教育”についてお聞きします いわゆる“ゆとり教育”の柱として2002年度、総合的な学習の時間が導入されました。 しかし、今年3月に発表される新しい学習指導要領では、その総合的な学習の時間が減らされ、 逆に、数学や理科など主要科目の授業時間が増やされる見込みです。 こうした、いわゆる“ゆとり教育からの転換”が、学力向上につながると思いますか? (総合的な学習の時間・・・体験的な学習を通じ、自ら学び自ら考える力を養うのが目的で、 それぞれの学校が独自に行っている授業。) 〔私の回答〕 基本的に思わない なぜそう思うのか、ご自身の体験などをふまえ、詳しくお聞かせください。 今後、学力が低下する可能性がある大きな要因としては、子どもたちの「勉強嫌い」が明らかにある。「学力低下」と大騒ぎする大人をよそに子どもたちは勉強に「嫌気がさす」「うんざりしている」状況なのだ。 「総合的な学習の時間」は子どもたちの自然な知的好奇心を高めていく大切な試みであったと思われる。その時間が削られて教科の時間が増えても「知的好奇心」がどんどん伸びていくとは思えない。 ただし、文部科学省としては「総合的な学習の時間の発想を教科の中に取り入れて」PISA的な問題解決能力をつけていく、という考えのようである。しかし、それが充分現場に受け止められるかどうか。それに加えて「総合的な学習の時間」にしてもその成果が限定的であったのは、人員等の条件整備がなかったという問題がある。 体験や観察・実験を通して学んだり、「科学」の本質について創造的な活動や思考をとおして理解していくような授業は従来型のものと比較して準備においても実践においてもはるかに労力を要する。 人員増、時間数軽減などの条件整備をまったくせず、余裕もなくさまざまな問題に振り回されている「現場教職員の善意と頑張り」だけで成果があがるはずがない。すでに、限界が来ているのである。 教育という営みにはじっくり教材等を準備するゆとりや日々子どもたちと向き合うときの「心のゆとり」が大切だ、(「総合的な学習の時間」や「その趣旨を活かした授業」の成果を挙げるためにも)と言うことをなぜ文部科学省が理解できなかったのか不思議である。 ただし、2008年度の教育予算は若干だが増えそうなので、有効に活用すれば上記の学習が成果を挙げていく可能性はある。 なお、私の前任校(W 高校)で実施していた「総合的な学習の時間」の大まかな内容はこちらです。 次へ (教育問題の特集も含めてHP“しょう”のページにまとめていますのでよろしければ…) ![]() ![]() ↑ ランキング(日本ブログ村)はこちらです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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