学校の力(教育力)を高めるためにはどうすればいいのでしょうか。
前回まで高生研の取り組みをご紹介してきましたが「学校づくり」に関しても素晴らしい実践が報告されています。私たちはそのような実践をめぐって論議しながら「学校づくり」の展望について考えてきました。そのような報告⇒論議が広く行われていけば、日本における「学校の力」を高めていくことにつながるものと確信しています。
このたびはNHKのドラマ「翼をください」のモデルとなった長野県のU高校の実践を紹介します。
U高校の「学校づくり」の実践は、学校・子どもたち・教職員が「人間としての誇りと尊厳を回復していく取り組み」から始まりました。深いところで「子どもたちの発達課題・発達欲求」をくみ上げ、それを実現していく「学校づくり」であるといえるでしょう。その根底には「人としての誇りを回復したい」という子どもたちの願いと、それを可能にするような「学校」をつくっていこう、という教職員集団の強い思いがあったと考えられます。
この取り組みの中で注目できる点は数多くありますが、「経営側によって新たに設置された進学・情報コースやスポーツ特奨で入学してきた生徒の力を全校に開放し、今までにないスケールと質をもつ全校集団づくりに挑戦させていった」という点も注目に値すると私は考えています。
単に「進学実績をあげる」「スポーツ大会の入賞者を増やす」(これはこれで大切だともいえますが)だけでなく、そのような生徒たちのエネルギーを活かしながら、「子どもたちの全面的な発達課題」に応えるような「学校づくり」を進めている、という点です。
いま、「夜スペシャル」が話題になっています。それは、「公立学校と私立学校との“学校間格差”を埋めていく一つの取り組み」であるといえるでしょう。ただ、(手続きや進め方等、さまざま指摘されている問題に加えて根本的に)「誇りを持って“平和的な国家・社会の形成”を実践していくような個人が育つ教育、学校づくり」にどのようにつなげていくのか、ということが重要な視点であると考えます。
取り組みを進める中で、私学との進学実績競争そのものが目的化され、校内における格差の意識(これは「誇り」を踏みつけにしかねない要因)を深刻化させていくような「危険性」を「本来の学校づくり」の方向へ乗り越えていくことが大切なのではないでしょうか。
続く
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