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カテゴリ:学校の力を高める
教育としての自治から権利としての自治へ 4 (U高校の実践記録)
※「夢の駅前公園プロジェクト」の実践記録(中)はこちらです 子どもたちが「平和的な国家および社会の形成者」となっていくことは、ルソーの言う「直接民主主義」の主体(社会的な問題について直接に学習・判断・意思表示していく主体)へと自己形成していくことだ、と言えるのではないでしょうか。 「国民投票」や「住民投票」などある意味で特別な場合(制度として直接民主主義が採用されている場合)だけでなく、社会的・政治的判断や意思表示の主体、さらには社会を創造・変革していく主体としての自己形成こそが民主的訓練の目標でしょう。 そのことは民間教育研究団体である「高生研」が結成されてかなり早い段階で明確にされていたように思われますが、U高校のD‐proの実践は「高生研第40回大会基調」でも以下のように取り上げられています。 D‐proの実践は、遮断機のない踏み切りを使い、・・・危険で不便なこれまでの通学路を安全で便利な通学路にしてほしい、という生徒と職員の長年の共通の必要にもとづいて展開したものだが、「なぜ自分たちが使う駅のことについて参画できないのか」という生徒の疑問が「社会参加」の出発点におかれている。 この「社会参加」の実践が、子ども・青年の必要を基盤として展開されたことを「基調」は指摘するとともに次の点に注目します。 D‐proの実践では4月14日の段階〔実践記録(上)〕の段階ですでに生徒会長や校風委員会委員長らが教員と一緒に「市長交渉」を行い、高校生でありながらいわば「大人」扱いされ、交渉の中で「対等」に扱われている。(・・・) この時点で、建設課長から、設計に高校生の意思を反映させること等が確認され、同時に市長から「芝生の管理を(地域で)引き受けてほしい」とその後の責任まで要求される。 U高D‐proのメンバーは、この決定に参画することで「市民」として社会に参加していく権利とそれを行使していく責任を自覚していく。 上記のように、U高校の場合は、教員と市長とのあいだで「子どもたちを育てるという観点で接してほしい」という話が事前に行われていたということもありますが、大切な場面で「大人として扱い決定に参加する権利を認めると同時に責任を要求すること」が重要なポイントとなっています。 「政治的に無関心な個人」を育てていくのか「社会に参加していく個人」を育てていくのか、U高校のよういかなくても、教育においては重要な視点であると思います。 ご訪問いただきありがとうございます。一押ししていただけるともっとうれしいです。 ↓ 続く (教育問題の特集も含めてHP“しょう”のページにまとめていますのでよろしければ…) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.03.23 19:58:41
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