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2008.03.20
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カテゴリ:哲学・思想
総合学習とサルトル・竹内芳郎 2

 第二に「部分合理性」のみを追求する個別的諸科学を超えていくためにサルトルや竹内芳郎の強調する方法は、全体化(現実の事象を分析的に個別化して認識するのではなく、常に他の事象との関わりの中へ、より広い全体の中へ位置づけていく方向で把握すること)である。

 サルトルはこれを個別的な諸科学を包括する「人間学」の方法とすべきことを主張するのであるが、この「全体化」は同時に人間の行動・実践には常に含まれる契機でもある。

 たとえば彼は次のように言う。一つひとつの行動において、欲求を実現しようとする投企(もくろみ)に照らして、主体をとりまくバラバラな現実が、欲求充足の場として全体化される(人間によって全体として把握される)と。(注5)

 ところで、以上のようなサルトルの<点は、城丸章夫(教育学者)の 「総合学習論」 とよく重なっているように見える。例えば城丸は言う。行動というモメントがある時、行動主体の前にものごとが「総合化・構造化」される、と。(注6)

 つまり、ある目的意識を持って行動する主体は、自分を取り巻く現実を(バラバラな「所与」としてではなく)一定の構造をもった「情勢」として総合化(全体として把握)するのである。

 例えば、生徒会行事やHR活動に取り組む際、活動主体(例えば力のあるクラスのリーダー)は行動を媒介にして現実(クラスの現状や人間関係等)の具体的全体をとらえ、一定の見通しを持って周りに働きかけていく、というわけである。

 そしてまた、言わば 「社会の形成者」としての実践的な課題意識から出発する時、従来の個別的諸科学は「社会を形成するために現実を認識する方法」として意味づけられることになる。

 竹内常一にならって定式化すれば、「実践的な課題意識の確立→具体的な現実の科学的認識→具体的現実を総体として把握(現実の「全体化」:引用者)→現実に働きかける実践的な見通しの確立」(注7)となるであろう。 

 そして、そのような視点に立つ時、まさに個別化・細分化された諸科学の枠を越えて現実を総体としてとらえていくこと、「総合的な生きた知」を求めていくことの大切さ を確認することができるであろう。(注8)


注5)『弁証法的理性批判』(人文書院)第1分冊 89頁 ( )内は引用者
注6)竹内常一著『教育を変える』(桜井書店)214頁
注7) 同  217頁 ( )内は引用者

注8)竹内芳郎氏もその著書の中で、科学のあるべき方向性として人間疎外を生み出した「巨大科学」とは異なる「世界内科学」を繰り返し主張しているが、ほぼ同一の問題意識に基づくものといえるであろう。


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Last updated  2019.03.23 20:11:06
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