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テーマ:子どもと教育問題(292)
カテゴリ:悲鳴をあげる学校
小野田さん(小野田教授)の提起8
『片小ナビ』 の扉にはこう書かれています。 「片小ナビは、(・・・)保護者のみなさんのための学校ガイドブックです。保護者のみなさんと片小は、お子さんの教育に責任をもつパートナー同士です。 お子さんの教育について、いっしょに考えて協力していくために必要な信頼関係を築いていくためにも、まずはパートナーである保護者のみなさんに、片小の『等身大の姿』をきちんと理解してもらおうと『片小ナビ』 はつくられました」 (・・・)自分の子どもがかよう学校がどういうしくみなのか、何ができて何ができないのか、学校への理解と意識を高めてもらうことに主眼をおきました。 こうすることによってやがては学校の境界領域、そして家庭が果たす責任領域が自然とつちかわれていくようになると思うのです。 お互いに、今の学校はどうなっているのかについてわかり合うこと、つまり共通理解が「はじめの一歩」です。学校からはたしかに多くの情報が出されていますが、それは保護者や地域の方々にとっては、共感という意味での蓄積されたものにはなっていないように思います。 保護者や地域の方々は、一方的な情報の「受け手」ではないのです。なんらかのかたちで学校に協力したいと思っている方はたくさんいます。「わが子のかよう学校」ですが、どうすればいいのかわからない。それにはやはり「等身大の学校の姿」をみんなで確認することだと思います。 (・・・)学校の側からだけではなく、家庭・地域などの側も含めた双方向的な「学校理解」によって、それぞれの役割の確認と、相手が要望と期待に応えるという関係性が生まれ始めると思うのです。 8 「イチヤモン」の裏返しは「連携」 山本シュウさんというラジオのDJをやっておられる方が『レモンさんのPTA爆談』(小学館、2005年)という本を出されました。(・・・)私の主張と重なるところが多くあります。若干、長くなりますが、彼のメッセージを紹介します。 「いつの間にか(・・・)全部学校に任せるちゅう教育が始まってしもうたんや。人間形成から何から。ほいで、昔は家で教えなあかんことやったしつけとかも、『学校の先生、教えてよ、ちゃんと!』って言って、親が突っ込み出した。 その流れが現在まで続いて、現在、先生はすごい雑務に追われているワケや。ぶっちゃけ、子どもたちと触れ合う時間を奪われて本末転倒や。 頑張り屋の先生にとっては、いちばんのストレスやと思う。 ほな、そういう状況に追い込んだのは何や。それは驚くかもしれんけど、僕が感じたのは、ぶっちゃけ、われらPTAのせいや。そう、僕が一所懸命やってるPTAや。そりやどういうこつちゃ。簡単に言うとやな、学校は、こういうことを突っ込まれたとき、ちゃんと説明できて報告できるように、全部記録しておかなアカンつて、その報告書づくりに必死やねん。 そういう突っ込み、だれが言うの? PTAや。親たちや。『先生、これどうなってますの?』『先生、学校がそんなんでいいんですか?』……。そんなん突っ込まれたらコワイヤん。だから、書いとかなアカンねん。そういう雑務に追われてるんや。 その上、文部科学省から教育委員会から何から何まで、いろんなことをさせよる! 現場の先生らはフラフラになる。PTAと学校のせめぎ合い 」(中略)。 「教育は、もうみんなの問題ですよー。お父さん、お母さんー。何度も言うてるけど、どんどん学校に参加してください。でも突っ込みに行くんちゃいまっせ。先生をバックアップ、あるいはヘルプしに行くんでっせ! それに当然、家庭教育もしっかりしていきましょう。.そのためにも僕ら大人が、いろんなことを学んでいかなアカンとちゃいますか? まずは、その意識改革から一緒にやりましょ」 〔コメント〕 情報発信が学校による「説明責任」という形の一方的なものとなってしまえば、山本シュウさんの指摘も現実のものになっていくでしょう。学校と保護者双方向の情報発信である「片小ナビ」のような取り組みは、学校における膨大な負担を軽減するのみならず、学校と保護者の本来あるべき「連携」を実現していく道として、注目すべきものがあると思います。 ご訪問いただきありがとうございます。一押ししていただけるともっとうれしいです。 ↓ (教育問題の特集も含めてHP“しょう”のページにまとめていますのでよろしければ…) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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