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2010.05.03
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 前記事で私は「主体=個々人の具体的経験」を大切にし、絶えずそこへ立ち戻っていく姿勢につながっていくこと、これも竹内芳郎の提唱する〈世界-内-認識〉、〈世界-内-科学〉の大きな意義だと述べ、以下のような引用をしました。

 あらゆる科学は具体的経験の抽象化であり、その抽象化の仕方に応じて個別諸科学が成立する。しかし、その抽象化の母体である具体的経験を忘却した時、科学は深刻な人間疎外をもたらす
                (竹内芳郎 『国家と文明』、『マルクス主義の運命』など)

 「現実のマルクス主義」、「ソ連・東欧などの旧社会主義国」がこのような「深刻な人間疎外」を拡大再生産していたことは明らかだと思われます。そして私は、そのこと(例えば旧マルクス主義の中にある一種の科学信仰)に対して「始祖のマルクスは一切責任なし」と考えているわけでもありません。

 しかし、彼が「科学的抽象化」の母体である具体的経験を忘れていたのかというと「決してそうではない」と考えます。例えば、 『資本論』第13章の「機械と大工業」の後半をみてもマルクスが「資本主義経済の総体」を冷静に(客観的に)描きながら、決して個々人(労働者)の具体的経験から目を離していないことがわかるでしょう
 さて、〈世界-内-認識〉〈世界-内-科学〉の第四の意義として「科学の地平における民主主義の強調」が挙げられます。
 事実、『国家と文明』で竹内芳郎は「〈人民のための科学〉ではなく〈人民による科学〉」こそが必要だと主張し、次のように述べます。
 「科学技術の地平においてさえ、私たちに要請されているところはまさに〈直接民主主義〉であって、したがって〈文明〉転換の課題そのものが、深く現代民主主義の課題と契合しているのである。」 

                  (『国家と文明』終章 「文明転換と支配の廃絶」より)

 しかし、具体的に、そのような〈科学〉はどのようなあり方をとるでしょうか

 『国家と文明』319頁で、竹内芳郎は次のように述べています。
 「科学の場でも専門家による素人の支配、精神労働による肉体労働の支配が廃絶され誰もがその主たる生活の場で科学者たりうる道が拓かれ、かくして従来のようなビッグサイエンスではなく〈等身大の科学〉が樹立さるべきこと。」

  さて、誰もがその主たる生活の場(あるいは実践や運動の場)で科学者たりうる具体例として私自身の頭に浮かぶのは、次のような実践です。

 農林業や炭の生産などに取り組む人たちが、作物や土や樹木や生態系に関する「学習・研究」を行いつつ、(作られたものの質だけでなく環境全体への影響も含めて)よりよい生産を目指していく

〔このような取り組みが広がりつつあることは、さまざまな個人がブログで発信している「情報」からもうかがえます。たとえば「すみや4134さんのブログ」などはいかがでしょうか?〕

 今よりも安心して生活できる世界を目指して活動する環境NPOや反貧困ネットワーク等の人たちが「現状に関する自然科学的あるいは社会科学的な研究」を行い、具体的な実践・運動に活かしていく。(活動の必要性や有効性について検証しつつ合意を広げていく。)
 このように運動・実践しながら(あるいは生活しながら)「科学」を行う人たちの営みを図式化すると「状況における実践的な課題の設定⇒具体的な現実の科学的認識(あるいは技術的な試行錯誤)⇒現実に働きかける実践的な見通しの獲得」、ということになるでしょう。
 さらに具体的な例を挙げるとすれば、私は湯浅誠の『反貧困』などはそのような実践・探求のすぐれた取り組みだと考えています。この著書には鋭い「社会科学的な探究・考察」が随所に見られ、「研究者」には見えないような事実や観点が明確に提示されていると同時に、現代の社会の姿、進むべき道が示されていると判断するものです。

 本来は、マルクスの「仕事」もこのような実践の延長上にあると考えるのですが・・・。

   『国家と文明』 内容18へ

『国家と文明』の復刊要請はこちら ですので、よろしくお願いいたします。

 また、現在、著者の竹内芳郎が主宰して立ち上げた「討論塾」の概略はこちらです

 可能な方は、ぜひご参加ください。 


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Last updated  2022.09.17 19:45:12
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