海外から日本へやってきたジャーナリスト、マックニール氏 。安保法案をめぐる市民デモを、冷静に分析しています。合わせて日本のマスコミの報道姿勢についても・・・。
穏やかな口調ではありますが、このような声はしっかり受け止めたいものです。
http://www.kanaloco.jp/article/127964
〔インタビュー・発言の抜粋〕
海外メディアも驚いた安保法案抗議デモ。だが「日本のメディアは大幅に弱体化。朝日新聞も、ましてやNHKは…」
週プレNEWS 10月15日(木)10時0分配信
(・・・)
「週プレ外国人記者クラブ」第4回は、英紙『エコノミスト』や『インディペンデント』などに寄稿するデイビッド・マックニール氏に、安保法案への抗議で盛り上がった市民デモについて聞いた。
***
―「安全保障関連法案」がようやく成立しました。衆参両院での審議やそれを取り巻く一連の出来事を見て、どのように感じましたか?
マックニール 印象的だったのは、国会で審議が進み、政府が安保法案について説明すればするほど、逆に法案の具体的な目的や意味がわからなくなったことです。でも、私がそれ以上に驚いたのは、デモなどを通じてこの法案に反対し、抗議する動きが想像を遥かに上回る規模に広まったことでした。
(・・・)私は日本に住んで今年で15年目になりますが、日本人がこれほど積極的に政治に対して意思表示をするなどとは夢にも思っていなかったし、それは多くの海外メディア関係者に共通する感想でしょう。
―何が日本人にそうした変化をもたらしたのでしょう?
マックニール (・・・)説明すればするほど多くの矛盾が浮かび上がり、政府は本当の意図を隠している、自分たちから白紙委任状を取ろうとしているのだ…という懐疑的な気持ちが人々の中で広がったことで、デモなどの抗議が拡大したのだと思います。
実は先月、SEALDsのリーダーである奥田さんにインタビューする機会があったのですが、「どうやってここまできたの?」という質問に対して、彼が答えたのは、まず反原発のデモがあって、その次に「秘密保護法」に反対する運動があって、そして今回の「安保法制」と、一連の出来事を通して、一歩ずつ運動が拡大してきたのだということでした。その意味では安保法制の前から「変化」が既に起きていたとも言えるでしょう。
―実際に安保法案に反対するデモを見て、どんな印象を持ちましたか?
マックニール まず強調したいのは、彼らのデモが非常に平和的、紳士的だということ。(・・・)ある意味「保守的」だとすら言える。彼らは「革命」ではなく、現行の政治システムの中でこの国を変えていきたいと考えているという点です。(・・・)
―他の国々、例えばイギリスでは、こうしたデモは珍しくないのでしょうか?
マックニール 最近のデモで最も大規模だったのは2002年にロンドンで行なわれたイラク戦争に反対するデモで、この時は政府側の発表では100万人、主催者発表では200万人が集まったと言われています。(・・・)
問題に関するメディアの扱い方にもよりますが、最近では辺野古の基地の問題について沖縄県内だけでなく、本土の人たちの関心も高まっているだけに、今後の動き次第では、沖縄の問題がより大きな問題へと発展する可能性もあると考えています。
―そのメディアですが、ここ数年で「権力の監視」という機能が大幅に弱まってしまい、NHKなどはまるで「政府の広報機関」のようです。こうしたメディアの弱体化、あるいは安倍政権による「コントロール」の強化が、ようやく芽生えた学生や市民の活動に影響を与える可能性はありませんか?
マックニール 確かに安倍政権成立後、メディアは大幅に弱体化され、日本の代表的なリベラル紙だった朝日新聞も慰安婦問題の「誤報」騒ぎで叩かれてからすっかりおとなしくなってしまった。もちろんTVも同様で、NHKについては言うまでもありません…。
また、これは今に始まったことではありませんが、記者クラブ制度の弊害によって、記者会見でも政府はあらかじめ準備された質問に答えるだけで、メディアの側から厳しい質問が飛ぶことはほぼない。政府の言い分をそのまま伝えるだけというのが、この国のメディアの偽らざる現状です。
ただし、あの3・11の原発事故をきっかけに、日本の人たちは大手メディアの報道に対して以前よりもずっと懐疑的になっていて、「TVや新聞が本当のことを報じていない」と考える人は増えている。インターネットを含めて、市民が情報を集める手段は以前よりも遥かに多様化しているので、大手メディアの影響力は以前ほど強くないというのは確かだと思いますね。
●デイビッド・マックニール
アイルランド出身。東京大学大学院に留学した後、2000年に再来日し、英紙『エコノミスト』や『インディペンデント』に寄稿している。
ところで・・・ 菅長官「減額や停止を検討」ユネスコへの拠出金
上記の問題に関するマスコミの報道も、政府の提灯持ちか!?と思えるようなものがほとんど・・・。
日本政府の対応に関してあまりに無批判な記事の数々、正直唖然としました。
ご存知のようにユネスコはアウシュビッツを世界遺産に認定しています。仮にドイツ政府が「アウシュヴィッツ虐殺の数的根拠の問題点」を主張して、ユネスコに強硬に抗議し、断固たる措置を取るとまで言ったなら、ドイツ国家はナチの全体主義の歴史を肯定し、ドイツ国家が犯した戦争犯罪を無かったことにしようとしていると判断されるでしょう。
言ってみればそのような愚行を行っている日本政府に問題はないのでしょうか?
鋭く批判的な記事は朝日・毎日などにも見えませんでした。
次のブログ記事は参考になると思います。
http://critic20.exblog.jp/24804908/
全くひどいマスコミの実態ですね。
しかしながら、大手マスコミ総崩れともいえる状況に抗しつつ、なお頑張っている地方紙はいくつもあるようです。
神奈川新聞も姿勢が素晴らしいと思いますがいかがでしょうか。
http://www.kanaloco.jp/article/127964
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