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2021.08.24
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カテゴリ:歴史

 このたびは、具体的な授業実践を紹介します。(2回にわたって)
 主題と実際の授業内容は以下の通りです。特に、資料「福澤と勝の主張」にご注目ください。 

日清戦争を同時代の視点で考える

一、はじめに

 このたび報告するのは、日本史Aの授業実践である。主題は「日清戦争をどう考えるか ~福沢諭吉と勝海舟の視点から~」。日清戦争は近代日本がおこなった初めての「本格的戦争」であり、この戦争をどうとらえるかは「大日本帝国」の対外・対内政策についての歴史的評価を大きく左右する。できれば歴史的事実にもとづいて生徒自身がしっかり考える授業にしたかった。

 そこで、この戦争の「大義」について、二人の人物(福沢諭吉、勝海舟)の異なる見解と根拠を読み取り明確にしたうえで、生徒自身が事実に基づいた検証を行うという授業を構想した。教材・資料として用いたのは、『日本史A』現代からの歴史〔東京書籍〕(2021年は『日本史A』人・くらし・未来〔第一学習社〕)、および文書資料、PP等である。前段も含む大まかな授業の流れは以下にまとめたとおり。

二、日清戦争、第一時 

 学習の流れを簡単に。
1、西郷隆盛、大久保利通、坂本龍馬、高杉晋作、木戸孝允、勝海舟、福沢諭吉の肖像写真を映示。この導入画像に生徒はよく反応する。若い時の勝海舟、福沢諭吉はなかなかわからないが、「有名な写真」を見ると気づく。

2、資料1をよく読んで、日清戦争に対する福沢諭吉と勝海舟の主張、およびその根拠について2~3人組で確認し合い、模造紙にまとめる。(まとめた内容の例については資料の2を参照)基本的には、資料の内容に基づいて両者の見解・根拠をまとめるようにしたが、ネット上の資料に基づいて補足・補強したい場合は「世界史の窓」を活用するように(その理由も明らかにして)伝えた。

資料1 日清戦争に対する福沢諭吉と勝海舟の見解

福沢諭吉 日清戦争に賛成

「日清の戦争は文野の戦争なり」〔1894729日 時事新報の社説〕

社説の趣旨:「文野」とは「文明」と「野蛮」。日清戦争は、文明国の日本が、野蛮な国である清(中国)を教え導くための「正しい戦争」である、としたもの。

〔時事新報は188231日、福澤諭吉の手により創刊された日刊新聞。その後、慶應義塾大学およびその出身者が全面協力して運営した。なお、1885年に発表された「脱亜論」(欧米志向とアジア軽視の主張)については教科書の注記を参照。〕

時事新報の社説本文の抜粋(口語訳で)

※1 戦争は日清両国で起こったとはいっても、その根源は、文明開化を進めようとする者と、その進歩を妨げようとする者との戦いであり決して両国間の争いではない。(・・・)本来日本人は支那人(中国人)に対して私怨も敵意もないが、いかんせんかれらは頑迷で道理を理解せず、文明開化を喜ばないだけでなく、反抗の意思表示をしたために、やむを得ず戦争になったのだ。 

(日本軍は)海戦で勝利し、一隻の軍艦を捕獲し、千五百の清兵を倒したという。(・・・)数千の清兵はいずれも罪のない民衆であり、これを皆殺しにするはかわいそうなことである。文明進歩の妨害となるものを排除するために、多少の殺戮も仕方がないというには多すぎる数ではあるが、彼等も不幸にして清国のような腐敗した政府の下に生れた運命としてあきらめるほかない。

 もしも中国人が今度の失敗に懲り、文明の素晴らしさを悟って、その非を改めるならば(・・・)むしろ文明の誘導者たる日本人に対してその恩に感謝することになるだろう。

〔引用者付記〕

 同年11月の時事新報には、「文明流の改革のためには朝鮮に対する脅迫を用いざるを得ず、国務の実権は日本が握るべきだ」、「日清戦争の戦勝を願う理由は、(清からの)朝鮮独立、文明開化のためであるにもかかわらず、朝鮮はその決心がなく、もう勘弁できない。“一刀両断”の決意をすることも止むを得ない。」とする社説を載せた。

 なお、日清戦争は社説「文野の戦争」が発表された4日前から始まっていた。 

​勝海舟 日清戦争に反対 ​
                  

 日清戦争に際して海舟は詩(漢詩)を作ったが、その中で次のように言い切っている。

   その戦、更に名無し(そのいくささらにななし)

  =そのいくさ(日清戦争)には全く大義名分も正義もない

1894716日、海舟が明治政府に出した意見書の趣旨(口語訳で)〕

 日本は(清国や諸外国からの)朝鮮の独立を主張している以上、武力を背景に朝鮮の内政へ干渉することは不当だ。助言だけであればよいが、その場合においても自らの資格を問うべきである。そもそも清国は朝鮮の一揆(農民戦争)鎮圧のために求められてきた。日本は対抗して出兵したけれど名目は居留日本人の保護だった。その名目とは相容れない大軍を送り込み、あとから朝鮮の内政に干渉しようというのは筋が通らない。

 勝海舟自筆の短文(原文)

・明治二十七(1894)年夏、これ何の年ぞ。鶏林を蹂躙してその民ますます叛く。   

・隣国に兵を弄し、無辜(むこ=罪のないこと ・人)死するもの幾人。

・国威を震わむとして、露英両国の地歩をなす。     註:「鶏林」は朝鮮の別称。

                  〔資料(『勝海舟』松浦玲 筑摩書房)〕

「日清戦争にはおれは大反対だったよ。なぜかつて兄弟喧嘩だもの、犬も喰はないじゃないか。たとえ日本が勝ってもどうなる。支那はやはりスフインクス(註)として外国の奴らが分らぬに限る。支那の実力が分つたら最後、欧米からドシドシ押し掛けて来る。つまり欧米人が分からないうちに、日本は支那と組んで商業なり工業なり鉄道なりやるに限るよ。

〔註:エジプト神話におけるライオンの体と人間の顔を持った神聖な怪物。当時の清は「眠れる獅子」と言われていた。(引用者)〕

 そもそも支那五億の民衆は日本にとつては最大の顧客サ。また支那は、昔から日本の師ではないか。(・・・)東洋の事は東洋だけでやるに限るよ。おれなどは◎維新前から日清韓三国合縦(がっしょう)の策を唱えて、支那朝鮮の海軍は日本で引受ける事を計画したものサ。今日になって兄弟喧嘩をして、支那の内輪をさらけ出して、欧米の乗ずるところになるくらいなものサ。」

     『氷川清話』勝海舟/江藤淳、松浦玲編(講談社学術文庫、2000年)より

〔引用者付記〕

 『氷川清話』は主に勝海舟晩年の談話をまとめたもの。海舟は日清戦争勝利後も、領土要求は欧米列強の新たな侵略をまねくとする立場からこれに反対。彼が予測した通り日清戦争後、欧米による猛烈な中国分割競争が始まる。

 下線◎に関連した資料

(幕末 神戸海軍塾設立の直前における)「勝海舟の日記」より口語訳                                      『勝海舟』 松浦 玲 筑摩書房

 「現在、アジア州の中で、欧米に抵抗できる者(国)はない。それは、(国力の)規模が小さく欧米の遠大な策(帝国主義政策)に及ばないためだ。今こそ、我が国から船を出し、広くアジア各国の主に説くべきだ。相互の連携を強め、海軍力を増強し、手段を尽くして学問と新しい技術を研究しよう、さもなければ欧米諸国に蹂躙される流れを防ぐことはできないと。それを、まず隣国の朝鮮に説き、そのあとで中国に説き及んでいこう。」                            

Q 日清戦争の経緯(教科書の記述等)に照らし、福澤諭吉の主張と根拠、勝海舟の主張と根拠についてどう判断するか?
(福沢、勝の主張をまとめ発表した後、この問いについて教科書等をもとに検証する。)
                     ​授業の続き

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Last updated  2023.08.06 16:56:00
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