“しょう”のブログ

2023/06/29(木)20:18

気候変動対策 迫るタイムリミット

地球環境、エコロジー(43)

​「ウクライナ」戦争開始以降の主な記事(PDF版)  NHKの持論公論(3月30日、IPCC第六次報告の直後)の内容をまとめて紹介します。国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が最新の報告書を公表直ちに大幅な対策強化が必要であることを示した。気候変動問題の緊急性と、日本の課題を三つのpointから考える。1,この10年の選択が数1000年先まで影響する。2,求められる削減ペース。3,日本の対策は間に合うのか。IPCCの報告書は、世界中の科学的知見を基に、各国政府代表が一行一行議論し、承認したもの。いわば世界が合意した科学的事実。第6次報告書は、三つの作業部会が出した現状や対策についての報告を統合したもの。深刻な被害を抑えられるタイムリミットが迫っている事実を突きつけた。人間活動による気候変動で世界の気温は産業革命前に比べてすでに1.1°上昇。  去年のパキスタン大洪水や各地の森林火災等、損失と損害がさまざまな分野で発生。  ・各国は(パリ協定で)気温上昇を1.5°までに抑える努力をすると合意。が、このままではあと10年で1.5°に達する見込み。今世紀末には3.2°も上昇。Q 予想される被害はどうなのか?A1 気温上昇を1.5°に抑えた場合に比べに2.0℃、わずか0.5°高くなっただけで世界の洪水による損害は最大二倍に増える。A2 ひとたび南極などの大規模な氷床が溶け始めるととめることは困難になり、今後数1000年にわたって海面が上がり続ける。(今世紀末で2m近く、西暦2300年には15m以上海面が上昇するリスクも)。報告書は、この数年で行う選択が数1000年先まで影響を及ぼすと強調。取り返しがつかなくなる前に直ちに大幅な削減強化が必要だとした。Q 削減強化のリミットは?A 現在稼働中の火力発電所などを使い続けるだけで、2030年には1.5°に抑えることが実質的に不可能になる。が、世界の排出量は増え続けており、去年も過去最多を更新した。国連グテーレス事務総長は気候の時限爆弾の時計は刻々と進んでいると危機感を訴えた。Q 具体的にいつどれだけのペースで削減が必要なのか?A 報告書では気温の上昇を食い止めるには、2025年までに世界の温室効果ガス排出を減少に転じさせ、2030年にはコロナ前の2019年に比べて43%削減、2035年には60%削減し、その後も実質0に向けて減らし続けることが求められる。Q 削減は可能なのか?A きわめて困難な道のりだが、報告書によれば、今すぐ大幅に対策を強化すれば、1.5度目標の達成も可能。しかもそのために必要な技術は既に存在しており、再生可能エネルギーなどへの転換を加速することで達成できる。 ※報告書では北欧諸国の炭素税の額に近い一トン百ドル以下の対策だけで、2030年までに世界の排出量を半減できるとしている。Q こうした変革に必要なものは?A 脱炭素への投資の大幅な拡大や、炭素税などを含む法整備といった各国の政策。Q 日本ではgreen transformation(GXの推進法案)が3月30日、衆議院本会議で可決された。官民合わせて百50兆円の投資で、脱炭素と産業競争力強化を両立させる法案。Q その内容は世界的に求められる対策(規模・ペース)に見合ったものか?A そうとは言えない。​(例)すでに中・韓国も含め世界で導入が進んでいるカーボンプライシングについてGX推進法案では有償化されるのが2033年度から。​決定的に重要なこの10年には間に合わない​。  ​日本は脱炭素化を先延ばしにしていると、国内外から批判も受けている。Q 自治体が独自に再エネを短期間で増やす施策を導入し始めた例は?A 川崎市が東京都に続いて、2025年度から新築建築物への太陽光パネル設置などの義務化を条例で定めた。(住宅の屋根を活用 ⇒ 送電網への負担が少なく、災害時にも電気を使える)  メリットが多く、欧米の一部自治体で導入されているが、エネルギー危機を受けて去年5月、欧州委員会がEU全域での導入を提案。実は日本でも2021三つの省(経産省、国交省、環境省)が合同で住宅太陽光義務化を検討したもののまとまらず、導入を見送った。改めて検討する価値があるのではないか。5月には広島でG7サミットが開かれ、総理は気候変動問題でも議長国として議論を主導するとしている。しかし、欧州各国やカナダもenergy危機の中でも2030年代までに石炭火力を廃止する目標を掲げているのに対し、日本は時期を示してもおらず、もはや決断は待ったなし。  深刻な被害を食い止める時間が刻々と失われる中、日本を含む各国が決定的に重要とされるこの10年にどんな選択をするのか?次の世代に説明できる行動が求められる。 (comment)  グレタ・トーゥンベリが現状について「家が火事になって燃えはじめているのに大人たちはのんびりしている」と批判していましたが、さし迫った危機の渦中で「多分大丈夫だろう」と思ってしまうのは、最悪の「正常性バイアス」ではないでしょうか。  北欧並みの「炭素税」の実現など、極めて深刻な事態を回避するためにも実現を急がなくてはなりません。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めて​HPしょうのページ​に (yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)​​「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る