「ものを売る」から「価値を売る」へ
ある勉強会で聞いた(学んだ)話です。 ある雑貨屋さんでかわいい陶器の猫の貯金箱を売っていました。 ある日、店員の不注意で貯金箱を落としてしまい片方の耳が欠けてしまいました。通常であれば、この貯金箱はキズものですから捨てるか、大幅な値引きをしなければ売れないところです。 しかし、その店では、接着剤で耳を補修して、次のようなPOP(メッセージ)を猫の貯金箱の前に貼りました。 「私は猫です。3月3日のひな祭りの日に交通事故に会いました。痛い~。右の耳を少し怪我しましたが、おかげさまで元氣になりました。こんな私ですが、かわいがってくれる飼い主さんを探しています。おっちょこちょいですが、冗談のわかる猫です。私のお友達になってほしいのです。」 そうしたら、すぐに買っていったお客様がいたということです。 つまり、貯金箱というものの価値から「おっちょこちょいのかわいいやつ」に価値が変わっていったことで、「欲しい」と思う人が出てきたのです。 耳の欠けたキズものの貯金箱をただ売っていたら、「何という店だ!」と思われるでしょう。 しかし、店側の思いや考えをユーモアをもって伝えることで、「なるほど」と共感してくれる人が出てきて買ってくれるのです。 これが「価値を売る」ということで、これからの商売では大変大事な要素になっていくと思われます。 なぜなら、もの自体はすでにあり余っている時代だからです。 それでは、志戸平温泉にとって"価値を売る"ということはどういうことかということです。 お風呂などの施設や料理そのものは、ものですが、それを提供したりサービスし作っている人たちの心や思いを伝えていくのが、志戸平温泉の価値を売るということになります。 そのツール(手段)が「お元氣情報」であり、「ありがとうの詩集」ということです。 「お元氣情報」を発行しはじめてから3年が過ぎましたし、「ありがとうの詩集」も第15集が間もなく出来上がってくると思いますが、「うちの温泉(会社)はこんな社員でこんな思いをもって働いているのです。」 とお客様皆様に伝えるための大切なツールなのです。 ですから、もっともっと"ありがとう"を磨き上げていく必要もあるのです。