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Shige & Happy の 気まぐれ写真日記

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Shige&Happy@ Re[1]:実践しているデンタルケア(12/24) mabo400さんへ 一旦始めると、毎食後やら…

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2017/12/06
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テーマ:教育問題(256)
カテゴリ:最近読んだ本

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​防止でなく回避?
 ​以前(10月15日)本ブログで​「人は『いじめ』をやめられない」(中野信子:小学館新書)という本の紹介をしました。いじめはホモ・サピエンスが生き延びていくために「脳に組み込まれてきた機能」だという脳科学者の見解を基にいじめの傾向の分析と対策を述べた内容でした。
 その第4章は「いじめの回避策」となっています。「防止策」でなく「回避策」というのがあまりにも消極的だと感じるでしょう。自分もそう思いました。しかし、人が「いじめ」をやめられないのなら、いじめと戦っても逆効果です。上手に逃れることも大切な生きる知恵なのかもしれません。

<以下、前回詳しく紹介できなかった第4章の概要>  ※青字は自分の見解や感想
4 いじめの回避策 
(1) 大人のいじめの回避策
・女性が女性の妬みをあおらない方法
 妬み感情にまともにぶつかるのは逆効果で、類似性と獲得可能性を下げる工夫が大切となる。類似性を下げるには外見や言動などにおいて「若さ」や「女性らしさ」を前面に出さないこと。
※でも、職場に若さや女性らしさがなくなっていくのは殺風景です(セクハラと言われそうですが、学校にも男らしさ、女らしさは必要だと思います)。大切なのは、先輩の女性の先生方に「若さ」や「女性らしら」を武器にして相対することがないようにすることではないでしょうか。   
・プロ意識を見せて獲得可能性を下げる。
 「自分はこの仕事に対してはプロフェッショナルである」ということを見せる演出を心掛ける。例えば教師であれば、保護者からのクレームがあったら「以前は○○が常識でしたが、最近では××という研究結果が出ています」など、数字やデータで理論的に説明できるようにしておく。
※データや理論を学習していても上から目線で言うと逆効果です。理解を得るには保護者との信頼関係が一番大切ですから、納得してもらえるように分かりやすく説明することです。
・ねたみ感情と敵対しないために。
 「自分は完璧な人間ではありません」と、負の部分を相手にさらけ出すことも有効である。これは心 理学でアンダードック効果(犬が相手に腹を見せる)といわれる。
※犬が腹を見せるときには相手を全面的に信頼しているときです。そのように自分の至らないところを素直に出して信頼してもらい、協力を求めることも時には必要です。
・相手と自分の感覚を知る。
 自分が苦手なヒトは、多くの場合相手も自分に対してネガティブな感情を持っている。価値観はそれぞれなので、上手に人間関係を築くには相手の基準とうまく間合いをとって付き合うこと。
※価値観が対立する話題になろうとしたときには無理に自己主張をしないで話題を適当にそらすことです。そして、共有できる部分を探しながら話を進めることが相手との関係をよくしていきます。
・メタ認知を高め、60%の間柄になる。
 人間関係を改善するためには「メタ認知」を高める方法もある。メタ認知とは自分自身を客観視する能力のこと。自分を斜め上から目線で観察し、自分の行動を考えたり制御したりすること。苦手な人と仲良くなろうと無理をするのでなく適度な距離を保ち互いに傷つけない60%の仲を目指す。
※自分の立場や考え方にこだわると力みが出ます。人間関係は個性と個性、価値観と価値観の部分集合の関係でいいのです。
・相手に求める「誠意」には、男女の違いがある。
 2009年発行の「日本苦情白書」(関根眞一)」によると、「自分の職場で苦情が増えていると思う」と回答した人は全体で約4割いた。苦情が増えていると答えた職場は1位が教育(53.7%)、2位が病院(50.8%)、3位が行政(41.1%)だった。
※この結果は本当に納得できます。学校では半分以上の人が苦情が増えていると感じています。この結果は大方の予想と同じでしょう。関係者の皆さん苦労様です。
・苦情を言う人はよく「誠意を見せろ」というが、この場合の誠意とは何だろうか。
 「日本苦情白書」のアンケート結果によると、男性は「正直」という回答が28.4%で最も多く。女性の場合は「話を聞く」という回答が25.2%で多かった。男性に対しては「正直」に語る潔よさを見せ、女性に対しては話をよく聞きクレームの背景にある不安に共感することが有効となる。
※「正直」と「話を聞く」以外の残りの回答が気になりますが、確かにこういう傾向はあるでしょうね。
「クレーマー」という言葉が一時流行りましたが、人は誰でも何かに不満を抱えています。それを自己解決できないで本当に困っている人もいるのです。慌てないでますは話を聞いてあげることです。
・素直に話す力を高める。
 これからの時代を生きていく一番必要な力は「コミュニケーション能力」である。学歴だけて生きていける時代でもないし、人間ができることのほとんどは人工知能とロボットが取って代わる。よって、本当の意味で稼ぐ力、生きる力としてコミュニケーション能力の重要性は高まる。自分の意見を押し通すのではなく、相手の意見も尊重しながら率直に自分の意見を話す姿勢を「アサーティブ」というが、日本人はこれがとても苦手である。相手に言葉で攻撃されたときに、うまく流したり、喧嘩にならないように爽やかに言い返す力を身につけたらいじめにも上手に対応できるようになる。
※ホモ・サピエンスの集団意識は、日本では農耕社会になって一段と強くなりました。日本では村社会の共同体意識が現代に続いています。それゆえ、相手の意見と自分の意見をうまく交差させながら自分の立ち位置を知らせることが大切になります。そこで「アサーティブ」が大切になります。
・ミラーニューロンで、芸人のコミュニケーション力を身につける。
 人間の脳細胞には「ミラーニューロン」という神経細胞がある。誰かのまねをするときに「ミラーューロン」が使われる。お笑い芸人さんの真似をすることで、その人のコミュニケーション力を少しずつコピーしている。人間はもともと模倣する能力の高い動物である。
※お笑いの「つっこみ」と「いなし」の掛け合いをコピーすればいいのですね。いやなことも、それを自分の負の面と考えずに笑って聞き流すぐらいの気持ちが大切だと思います。 
(2) 子どものいじめの回避策
・6月と11月の学級危機を回避する
 イベントの楽しさを味わうことも、イベント後のむなしさを味わうことも大切なこと。人生はそうやって続いていく。その意味で生徒たちに「イベントはあくまで通過点である」とリアルに伝える。もう一つの方法は、別の楽しみや社会的報酬を与えること。クラスの係活動などで新しい「出番」や「役割」を与えて、その子なりの活動をほめてやることが大切である。
※日本では後期になって新生徒会役員も決まり、学級組織も再編成される学校が多いようです。そのチャンスを生かして個を生かすことが大事なことです。
・まじめな組織はいじめが起こりやすい
  教育評論家の尾木直樹は、いじめが多い部活として吹奏楽部をあげている。合唱や合奏はいじめが 起こりやすい構造がある。同じ空間で長く活動し音楽的に同調することを目的とするからである。
※意外に思われるかもしれませんが、この考え方(一例として挙げられたもので、吹奏楽部の生徒や顧問の先生は落ち込まないでほしい)は核心をついています。また教師の指導力や強制力が強い部活ほどいじめが多いのも事実です。
・人間関係を薄めていじめを回避する
 集団内の人間関係に変化を与えることを心掛ける。班替えの頻度を増やしたり、団結や競争を意識させない学級づくりを心がける。
※席替え(班ぐるみ移動の場合)は1週間に1回、班替えは1月に1回程度行い人間関係に変化を与えます。団結や競争をあおると、学級の中で、力のない子にたいするいじめの芽が出てきます。
・学校教育のあり方を見直す
 明治期に始まった義務教育は「富国強兵」を達成するための基礎教育の場で、兵隊の卵を育てるために団結心が強い子供を育てることだった。「個を生かす教育」といいながら、足並みをそろえることが優先されている。協調、連携。協力、団結は人と同調することを本質としていて、「個」は後回しになっている。時代のニーズに合わせた「個性優先の教育」はいじめの防止にもつながる。
※このことが学校教育の一番の課題。「個」を生かす教育を推進しないと、埋もれた才能を伸ばすことができない。協調や団結を促すことは、教師が都合よく学級を動かすための方便に使われている傾向もあります。これからの先生には「個」の出番の多い学級経営・学年経営を心掛けてほしいですね。
・空間的に距離を置く権利を認める
 いじめの被害を受けている子どもは、学校以外の場所で学習する権利を認めることも大切である。学校以外で学習する場をたくさん用意することも検討すべきである。
※不登校の生徒には、登校を促すことが先決ではなく、学校以外の場所でもいいから学習を続ける心を持たせることが大切です。幸いここ数年先生の大量退職時代が続きますから支援の先生を増やすことは可能です。学校は不登校の生徒数の報告をできるだけ減らしたいから、まず登校させること(保健室登校であっても)に取り組みますが、順序が逆の場合も多いのです。
・第3者の目で死角をなくす
 今日のいじめは触法行為である。法的措置や警察の導入も必要である。防犯カメラの活用もこれからは必要となってくる。イギリスの学校では9割の学校に防犯カメラが設置してあり、設置場所はいじめが起こりやすい「教室」、「トイレ」、「更衣室」などとなっています。
※教室の中で窃盗、器物壊損、傷害事件はごく普通の学校でも起きています。不審者乱入による殺人事件も、自殺もあったし、かつて児童による殺人事件もありました。このことを考えると、日本の学校でも玄関だけではなく、各教室や廊下にも防犯カメラの設置を考える時期に来ていると思います。学校にできるだけ死角を作らないことが大切です。
・メタ認知能力を高めて自分をコントロールする
 いじめは人の集まるところでは必ず起きる。人間の脳にはいじめをする機能が組み込まれ、それによって人間は進化してきた。人間の歴史は、宗教対立、民族対立、資源をめぐる対立などで数多くの戦争を経験してきた。学校では善悪や知識を杓子定規に教えるのではなく、善の中にある悪、悪の中にある善を教え、人間の多様なあり方を学習する場として学校が機能すれば、「自分の正義」によるいじめの意識を変えられるのではないだろうか。
※政治力学の面でも、共通の敵を作ることで自らの政権の支持率を維持する手法はよくとられる。いじめにおいても共通の敵(被害者)をつくることで団結を強める傾向があることが分かったと思います。これを念頭に置いて、「いじめゼロ」を目指すのではなく「いじめをできるだけ減らす」ことを目標に、できることから取り組むことが大切です。


                                                                                  ​​​​​​​​​​​​​​​​​​


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Last updated  2017/12/23 03:18:24 PM
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