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Shige & Happy の 気まぐれ写真日記

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2020/06/23
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​佐賀大会基調提案 佐賀県中社研研究部​​

   今回のarchives series 63は、1995年11月に佐賀県中学校社会科教育研究会(佐賀県中社研)が主催して開催した、九州中学校社会科教育研究大会の研究紀要を取り上げた。

 当時、佐賀県中社研の研究部長をしていた自分は、研究内容の中核となる「基調提案」を起草した。研究紀要の中から「貴重提案」部分を一部転載して記録に残したい。(図表などは、可能であれば後日掲載したい)

 貴重提案のなかにも書いているが、佐賀県中社研は一貫して思考力や判断力の育成に取り組んできた。その流れは、四半世紀たった現在の学習指導要領で言う「思考力・判断力・表現力の重視,生きる力の育成」にも通じものであると考える。

「研究紀要の表紙」

(授業における生徒の活動の様子の写真を中心にして構成した)

1.研究主題
 社会の現実に学び,自ら考え,判断し,表現できる生徒の育成をめざす社会科
学習
の創造

2.研究主題設定の理由
(1)「学ぶ力」の育成をめざして
 学習指導要領は,生徒の自ら学ぶ意欲や,社会の変化に主体的に対応できる能力を育成することを大きなねらいとしている。このことを生涯学習の観点から見ると,単に知識や情報を受けとるだけではなく,これらの知識や情報をもとに自分なりの考えを持ち,表現する『情報の発信者』としての資質を有する生徒の育成が求められていることも意味する。これを受けて,近年の九中社研大会でも「学ぶ意欲」「学ぶ力」「生きていく力」などが研究の中心課題として提起されてきた。

 1991年(平成3年)の宮崎大会では,変化する社会に主体的に生きることができる力を「社会的事象に内在する問題に着目し,その解明を通して社会認識を深めることができ,他者の立場や考え方を尊重しながら,自分の価値判断にもとづき,自分らしく生きていく(表現する)ことができる力」としている。また,1992年(平成4年)の福岡(北九州)大会では,「社会科における学力は,これからの変化の激しい社会において生涯を通じて学び続け,たくましく生き抜いていくための基盤となる力であり,それを一言でいうと『自分で考え,判断し,行動できる力』といえよう。」と述べている。

 1991年(平成3年)に公表された指導要録では,単なる知識の量ではなく「学ぶ力」が「学力」の中核に位置づけられた。これまでも多くの研究の場で知識中心主義からの脱却が叫ばれてきたが,学習指導要領と指導要録によって示された新しい学力観は「学ぶ力」の育成の必要性を一層強調している。われわれは,考え・判断し・表現するという一連の生徒の活動の中でいかに「学ぶ力」を育成していくかということを追究していきたいと考えた。

(2)『社会の現実に学び……』
  研究主題にいう社会の現実』の「現実」とは「現に事実としてあること(『広辞苑』)」ということでなく「理想に対するものとしての現実(同)」という意味でとらえたい。次に『社会の現実に学ぶ』ということは,教師や生徒自身が自分たちを取り巻くさまざまな問題を含めた『社会の現実とのかかわりを重視し,自分なりの問題意識をもって,その持つ意味を説き明かそうという姿勢を身につけることである。

 1993年(平成5年)の九中社研鹿児島大合の基調提案に,「教える私たち自身が学習し『体験』する中での驚きや共感,疑問,そして解明のための新たな追究,その中での発見や感動といったものを大切にしたいものです。」とある。このように,われわれ社会科教師もまた『社会の現実』に対して常に新鮮な気持ちで接し,疑問や驚き,発見や感動を教室の場に持ち込む姿勢を忘れてはならない。

(3)『自ら考え・判断し,表現できる……』
 情報量が加速度的に増大した現代社会においては,「思考を通して獲得された『生きて働く知識を重視し,知識の量よりも知識の質を問題とする(大森照夫『新社会科教育基本用語辞典)」ことが重要になってくる。これまでもいろいろな研究会で思考力がテーマとされ,佐賀県中社研でも「思考力を高める効果的な学習指導(1968年),「主体的な学習を通して,思考力を高める指導のあり方(1975年)」,「自ら考え,わかる喜びをめざす社会科学習のあり方(1981年)」を研究主題とし,一貫して思考力に焦点をあてて研究してきた経過がある。今回「表現力」を研究主題に掲げたのは,生徒が思考・判断したことを表現させる場を与えることで,思考力,判断力,表現力などの「学ぶ力」を確かなものにして定着させたいと考えたからである。

 前回の九中社研佐賀大会で佐賀県中社研は「生き生きと活動する社会科学習のあり方一活動する場の変革を求めて-」という研究主題を掲げて,発表や討論などの,生徒の活動の場に視点をあてた研究を提起した。この研究の流れを受けて,生徒の活動する場面のより一層の多様化とともに,その内容の充実をめざしていきたいと考えた。また,表現活動については詳しくは後で述べるが,指導要録の観点の『資料活用の技能・表現』の範囲だけにとどめず,最終的には,「自ら考え,判断」した結果をもとに「自己の意思を表現する」力を育成することをめざそうと考えた。

 この研究会が開催された1995年は,1月に阪神淡路大震災,3月にオウム真理教による地下鉄サリン事件が起きている。また,1991年から93年にかけてのバブル崩壊の影響で求人数が激減し「就職氷河期」と呼ばれたのもこの時代であった。

 そのような社会背景の中、「自己責任論」という言葉も生まれ、人間としての付加価値を高めることの必要性も叫ばれた。現在言うところの「人間力」である。「思考・判断・表現」の力の育成は、このような社会情勢も反映していたのだと、今になって思った。

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Last updated  2020/07/01 05:39:46 PM
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