一般質問

新政クラブの坂下しげきでございます。
通告に従いまして一般質問を致します。
第一の市民の生命・財産・安全を守る災害対策の整備についてお尋ね致します。
さて、現在の社会状況においては、衆議院総選挙でも争点となった構造改革において、「官から民へ」という流れができ、そもそも「行政サービスとは何か、官でしかできないものとは何か」というような行政自体のあり方を総点検する基調ができつつあります。
そして、現実には、官にしかできないとされる「公権力の行使」までを視野に入れた市場化テストがおこなわれています。しかし、そのような状況であっても民間だけでは不可能と考えられる分野があると思います。
その一つが災害対策ではないでしょうか。勿論、災害対策及び活動は、官だけでは全て行えず、市民や各種団体の協力が不可欠です。
しかし、いつ発生するかわからない災害に対して、全市民に平等に行き渡るような復興資金を含めた莫大な財源を確保し、インフラ整備や、迅速な救命活動を行い、被災者の生活を助成するなど、多大な資金と人手、ノウハウを要する活動は、まずは官がやらなければならないことであり、責任を持って準備する義務があると考えます。
本市ではABC分析などを行い、各種アウトソーシングを行っておりますが、どの事業が民で行えるのかをまず、慎重に判断した上で、適正な効率化が図られたものについては、その経費縮減部分を市民生活に役立つ施策に配当していくべきであります。
地道な災害対策は目立つ事業ではありませんが、大きな財源の確保が必要になりますので、行政の効率化を図りつつ計画的に予算化していく必要があります。
平成16年12月議会でも質問させて頂きましたが、私は昨年10月23日に発生した新潟県中越地震のボランティアとして新潟に赴き、現地の状況、被災者の方や職員の声を私の体全体で体感してきました。
そして振り返って本市のことを考えると、このような災害に対し迅速・適切な対応が取れるのか、被害を最小限に食い止めて市民を守れる準備は整っているのか、財源はあるのか、不安に駆られました。 
市川でも本年7月23日に震度5弱の「千葉県北西部地震」が発生し、被害がでました。災害状況として物的損害等が報告されましたが、被害報告には出ない被害も相当ありました。
例えば市川市を通る交通機関が長時間止まったことによる、いわゆる帰宅難民とは言いませんが帰宅に困難が生じた市民の方が相当多かったことを聞いております。小さな災害から大きな災害まで行政の力の及ぶ範囲で最大限、市民の安全・安心を確保できる準備を整える必要があります。
そこでまず、1点目と致しまして、災害時の情報伝達手段についてお伺い致します。
災害時において市民が冷静に判断できる正確な情報を迅速に伝達することが重要であります。情報の不足は、不安をあおり、また避難行動にも重大な影響を及ぼします。
このことについて、私が新潟県中越地震の被災地において経験したことは、様々な情報提供を市と地元のFMが協力して行っていたということです。
千葉県北西部地震の時は、テレビの主要放送局で地震報道がされておりましたが、広い範囲を対象とした報道なので、全体の被害状況は分かりますが、市川だけの情報はもちろんありませんし、市川にいて知りたい情報が流れるものでもありません。先ほど帰宅難民のお話を致しましたが、電車が不通となり、その混乱で市川市内の各駅の電話はつながりませんでした。
例えば、市内の交通状況などをエフエム放送で流したり、ケーブルテレビでせめて字幕だけでも流したり、市のウェブ上で対応したり、他市のようにメールの一斉配信を行ったり、様々な情報伝達媒体を駆使して、不用な混乱を減少・緩和させるよう努めるべきです。
市川市には、地元のFM放送局である市川エフエム放送株式会社、テレビでは、市川ケーブルネットワーク株式会社があります。
これらの会社にはそれぞれ、市民の税金から1,000万円ずつ投資されています。また、株式会社ベイエフエムにも235万円投資されており、3社に対する税金による資金提供は、合計すると2,235万円になります。
しかしながら、7月23日の地震のときにこの情報伝達機関ともいうべきメディアから市川市内の被災状況や詳細な交通情報が伝えられたでしょうか?
この投資を災害時の市民のために役立てる方策を講じることはできないのか検討する必要があります。
そこで、この3社について万一の災害時の情報提供についてはどのような協定を結んでいるのか、また、今回緊急放送の依頼は、行ったのかお答え下さい。
次に市民への重要な情報伝達手段に防災無線があります。しかし、本市の防災無線が7月の地震の時には全く聞こえなかった、また浦安市や松戸市の防災無線はいち早く情報を提供してくれたが市川市の防災無線はかなり時間が経過してからの情報提供であったなど多くの問い合わせが私のところに寄せられています。
平常時において、防災無線の近くにお住まいの方は、うるさくてお困りの方もおります。しかし、万一の災害時に何も聞こえないような、防災無線は意味をなしません。
他の地域においては、上向き・下向き・左右に向いたスピーカーが一つの柱に設置されており、どこにいてもどのような風が吹いても情報が聞こえるようになっているようであります。
例えば平常時は、ひとつだけのスピーカーを使用し音量を下げ、付近の住民の方に配慮し、災害時には、全てのスピーカーから音が出るように設定すれば良いのではないでしょうか?
そこで、今後の防災無線の整備についてお答え下さい。
そして忘れてはならないのは、何と言っても市川市はIT先進都市であります。しかしながら、7月23日当日に、ITを使ったリアルタイムの地震の情報提供はされておりませんでした。

名ばかりの情報先進都市から一刻も早く抜け出し、市民のための情報先進都市となれるよう、市川市のホームページのトップページに情報を提供するなどの実生活に即したIT化計画があるのかお答え下さい。
また東京都稲城市で行っている災害情報に係るメールの一斉配信の事業についてはどのようにお考えなのかお答え下さい。
そして、平成16年12月議会で情報システムに関する市川市地域防災計画の充実を要望致しましたが、その後どのように取り組まれているのかお答え下さい。
次に当然のことながら、正確な情報を知りたい市民の方々は市役所の代表電話に電話を致します。
ところが23日は土曜日のため、指定された電話番号へかけ直しても中々通じませんでした。
このことについても、当然のことながら私のところへ問い合わせがありました。
そこで、電話での対応については、どのような基準を設けているのかお答え下さい。
これら災害時の情報伝達手段につきましては、来年度確実に予算化され整備されることを強く期待致します。
次に2点目と致しまして、災害時の通信方法についてお伺い致します。
7月の地震の際に、携帯電話が不通になり、一般の固定電話も一部の地域で不通になったことは記憶に新しく、実際に経験された方が多いと思います。
しかし、市は迅速に人員を集め対応を図らなければなりません。また、各参集地域で活動する職員同士や災害対策部門との通信も重要です。
このような職員間の通信手段について再検討、再確認を行って頂きたいと思います。
そして、7月の千葉県北西部地震のときの近隣市の状況を調べてみました。市川と同じ震度5弱であった浦安市、船橋市では、市長以下担当職員が本庁に参集したということです。
震度4の柏市でも市長が庁舎に入っており、我孫子市では発生15分以内に市長と電話でコンタクトを取り指示を受けております。
そこで、本市の対応として、千葉県北西部地震の発生は、7月23日 16時35分頃、土曜日の閉庁日でありましたが、市長と災害対策部門とのファーストコンタクトは何時何分であったか、市長にどのような情報提供を行ったのかお答え下さい。
次に3点目と致しまして、国、県への支援要請手順についてお伺い致します。
大災害発生の初動時では、混乱による意思決定の遅れが初動体制の遅れにもつながり、被害を拡大させる恐れがあります。
このことについては、先の議会でも質問致しましたが、大規模な災害によりその被害が、地方自治体の災害対応能力を超える場合は、災害対策基本法第68条の2により、市町村長は、都道府県知事に対し、自衛隊法第83条第1項の規定による要請をするよう求めることができます。
また、新潟県中越地震のように知事との連絡が取れない場合には、災害対策基本法第68条の2第2項の規定により市長は直接防衛庁長官等に通知することができます。
このように災害時には市長は市民の生命と安全を守る重大な責務を負うわけであります。
そこで、災害対策本部長及び職務代理者となる者が、意思決定の遅滞を生じずに、支援要請、派遣要請が行える判断、及びその手順は徹底されているのかお答え下さい。
また単純で率直な疑問ですが、今回の千葉県北西部地震は土曜日の閉庁日に発生致しましたが、市川市災害対策本部条例及び同条例施行規則において職務を代理する職にあるものは、ほとんど市外居住者であります。
このことについては、先順位者からもご質問がありましたが、広域にわたる大災害においては、交通手段及び電話等通信手段が途絶えます。そして、本市が災害に見舞われれば本市に居住する職員も被災者になり、救援活動が難しくなります。
従って本部長は、被災地以外の自衛隊や県、他の市町村の救援を迅速に求める必要があり、災害に対して適切な措置を講じなければなりません。

このような状況において、職務代理者の参集が遅れることも想像にカタクありません。
そこで、市長不在の場合の職務代理者の参集見込み時間等のシュミレーションはあるのか、また助役、収入役、教育長が指揮を取れない場合は、同施行規則により、班長となる幹部職員が対応致しますが、このような不測の事態に対処するため、つまり職務代理者とさえ連絡がとれない場合に班長である幹部職員が遅滞なく自衛隊の派遣要請等を行うなどの判断ができるような訓練並びに直接防衛庁に要請するなどの手順は把握しているのかお答え下さい。
次に指定避難場所周辺のライフラインの整備について、水道の整備については先の議会でも申し上げましたが、私が新潟で経験したことは、平常時の整備が災害時に大きく影響するということ、市民の被災生活において水道の復旧は最も大切なことの一つであるということです。
先の議会で千葉県水道局に対し整備の充実を要請するように要望致しまして、その後の状況が気になります。
水道管やガス管の整備は時間と費用を要しますので、市内でもプライオリティーが必要となってくると思います。
まずは、水道管、ガス管等の整備を指定非難場所周辺にプライオリティーを付けて、順次全市内に向けて着実に行うよう、各機関に要請することを慎重、迅速にご検討頂きたいと思います。
続きまして、財源の確保についてお伺い致します。
災害時には、市民の救助活動や復興支援活動に多額の予算が必要になります。被災した市民をいち早く支援するためには、各種政策の実行が必要であり、そのために平時からの財源確保が必要であることは明らかです。
緊急時における財政措置は、まず予備費、そして予備費を超える場合は補正により財政調整基金からの繰り入れ、もしくは、繰越金で対応することになります。
国の補助金や地方債もありますが、確実で短時間で多額の現金を全市域、市民に対して市が随意に使用できる現金は、財政調整基金であると考えます。 この財政調整基金については、先の議会で永池財政部長から平成16年12月現在で約58億円あると答弁がありましたが、平成16年度決算では、現在高は、約61億円であります。
しかし、今議会の決算の認定でご答弁があったように使途目的が特定されていない実質的な財政調整基金の現在高は、37億7,557万4,00円であり、積み立て高は、毎年ほぼ横ばいの状況です。
そこで、大きな災害時に備えた財源の確保についてどのようにお考えなのかお答え下さい。また、今議会の決算の認定についての永池部長のご答弁で、財政調整基金については、県から標準財政規模の5%という指導がある旨のご答弁がありましたが、平成16年度は、5.2%ですが17年度は減少致します。
今後は必ず5%以上を確保するなど、計画的に調整財源を増やすように目標化を図ることはできないのかお答え下さい。
先の議会で、災害対策基金条例の制定について検討を要望致しましたが、この基金の設置についても引き続き検討をお願い致します。
次に第二の急病診療制度の充実についてお尋ね致します。
まず、1点目と致しまして、災害時の医療体制についてお伺い致します。
災害が発生した場合、最も重要なことは人命救助です。医療機関による人命救助に当たっては、被災地内の医療機関は、自らもその被災者となりますが、被災現場において最も早く医療救護活動を実施するものであり、その役割は重要です。
災害時医療では、第一次的には、外傷や熱傷等により多発するジュウトク救急患者の救命医療と、その後長期間に及ぶ避難場所や仮設住宅等での被災生活において発生する衛生環境の悪化や、慢性的病気等に対処するための医療が考えられます。
市川市では、前者においては、東京歯科大学市川総合病院が千葉県の災害拠点病院となっておりますので、これらの災害拠点病院を中心に広域的な医療体制が持たれることになり、また、後者については、市川市急病診療ふれあいセンターを拠点として、保健関係チームによる医療活動等が想定されると思います。
そこで、まず、市川市と災害拠点病院との災害対策における共通認識は形成されているのかお答え下さい。
次に災害拠点病院におけるライフラインの整備については、市、県、病院において進んでいるのか、また市川市との通信手段は確保されているのかお答え下さい。
補足として、医療機関、医師会等と防災会議において綿密な共通認識を作ることの必要性を指摘させて頂きます。
そして、阪神淡路大震災や新潟県中越地震でも報告されておりますが、ボランティア等で全国から医師が集まっても、医療品や医療器具の不足により満足な救命ができないことがありますので、医療品の備蓄が重要となります。
災害用の応急用医療資器材や薬品類の備蓄については、他市で万一災害が発生したときも使うことができますので、予算を確保し計画的に備蓄を行うよう検討願います。
次に災害時における急病診療所の運営及び地域医療との係りについてお伺い致します。
まず、急病診療所の運営につきましては、平常時の運営として、診療所が移転して1年が過ぎようとしており、市民ニーズについて再検討する時期であると思います。
利用者、そして利用したことがない市民からも利用しない理由を聴き取るなどして、更なる急病診療事業の向上を図っていただきたいと思います。
また、災害時における急病診療所について、その役割と、地域医療機関との協力関係についてお答え下さい。
次に第三の財政政策についてお尋ね致します。
平成16年度決算によると、本市は歳入が増加し、実質収支も黒字、財政力指数も概ね良好であるということでありますが、国の構造改革が加速され、依存財源収入に不安材料がある中で、実質的自主財源の割合は、前年度マイナスポイントとなっております。

そして、将来債務は、広尾防災公園や余熱利用施設など大型建設事業への投資が多く、楽観できない状況にあり、更には予算上、債務負担行為とされないものでも、今後地方自治法の改正による長期継続契約や、債務負担行為を設定しないことに甚だ疑問がある指定管理者制度の委託料など、事実上の将来債務の負担が懸念されます。
従って予算編成及び執行は、長期的展望に立って、思いつきではなく、より正確に、市民に要求される事業、行政がやらなくてはならない事業を選択していかなくてはなりません。
また、来年度予算編成に向けて、アスベスト対策など大きな予算措置を伴う新たな課題が山積しております。予算が庁内分権化されているということですが、昨年度新たに行われた新規事業についても決算を受けて、部内だけではなく、客観的に見直しを行い、改善、存続の是非まで含めて他の既存事業と同様に精査して頂きたいと思います。
 そこで、まず1点目と致しまして、業績予算とインセンティブ予算制度の適用見込みついてお伺い致します。
 インセンティブ予算制度については、来年度から予算化されると聞いております。この制度については、私も他の自治体に何度も視察に行っておりまして、平成16年9月議会においても制度が抱える問題点について指摘させて頂きました。
それは、各予算担当において制度趣旨についての理解が徹底されていないと、返って無駄な予算措置になりかねないということです。
このことは他市の財政部門担当者から必ずと言っていいほど伺ってまいりました。つまり、予算担当課は、当然と考えられる予算縮減効果、若しくは今まで行っていなかったということ自体が問題視されるような内容までをインセンティブとして要求することがある。などということです。
また、制度施行当初は、実績を作るため、無理にインセンティブを認め、返って政策的に妥当でない予算配分がされるという懸念があります。
 そこで、本市における適用見込みと、インセンティブの付与基準についてお答え下さい。
 次に、平成16年度決算審査によると当初予算に対し多額の不用額を契約差金等により生じているという意見がありましたが、契約差金をインセンティブにすることは疑問です。従って本市ではどのようにお考えになっているのかお答え下さい。
 2点目と致しまして、公金資金の運用及び調達についてお伺い致します。
 このことについては、平成16年6月議会で質問させていただきました。最新のホームページを見ますと、平成16年7月現在の市川市の公金は、歳計現金、基金など合計で約266億円あります。それぞれの公金には地方自治法上の管理義務規定に差があり、公金の管理も市の判断により運用が可能なものもあります。
当然運用する公金は市民から預かっている貴重なものですから、慎重に扱うことが前提でありますが、安全が確保できるものについては、現在、多くの自治体で、より有利な運用先を求めて大口預金の購入や、国債や地方債の購入で入札を取り入れております。
また、本市の銀行等引き受け地方債の発行も指定金融機関に偏っており、検討課題の一つであると考えられます。
今後、税収や依存財源を含めた収入が長期的に不安定であれば、限られた収入を運用で工夫し、市民に利益をもたらす必要があると考えられ、入札を含めた公金運用、調達方法について以前提案を行ったところであります。
 そこで、公金の運用及び調達方法について見直しは行われたのか、また、本市の銀行等引き受け地方債いわゆる縁故債の借り入れ先、借り入れ条件に係る見直しは行われたのかお答え下さい。
 最後に第4の公の施設の定義についてお尋ね致します。
公の施設とは、 住民の利用に供するためのもの、 当該地方公共団体の住民の利用に供するもの、  住民の福祉を増進する目的を持って設けるもの、 地方公共団体が設けるもの、 施設であることの 
5点が要件であります。

施設であることとは、物的施設を中心とする概念であり、人的手段は必ずしも要素ではありません。そして必ずしも所有権を取得することまでは必要でありません。 この要件に沿って一度本市の施設を全体的に総点検し、また新規の施設については、予算設計段階でチェックする体制を整えて頂きたいところであります。
カクマツジャク記念館につきましては、前議会によりご答弁を頂きましたが、人を入館させる施設としての構造要件を満たしているのか、また実際には、文化振興財団に委託しているので、一部委託と指定管理者制度をどこで区分するのか、また、都市公園法第5条による条例上の許可の関係について、これらの点を整理していただきたいと思います。
 ドッグランについては、平成17年11月のオープン予定です。設置管理条例を制定するには今議会に提案するしかありませんでした。よって、条例制定の意思はないと受け取れますが、制定しない根拠についてお答え下さい。
 以上1回目の質問とさせていただきます。


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