2006/07/12(水)23:37
夫と私
娘が夜、塾に行ってしまうので、夫と2人で夕食を食べる機会が増えている。ある日の夕食時、見ていた番組。北海道の町長さんが54歳?ぐらいでアルツハイマーになり、町長を辞任してからを、ドキュメントで追っている番組。いろんな事が自分で出来なくなり、家族も認知できなくなると言う病気アルツハイマー。息子さんは自分に出来る事を探し、自分の子供や妻を連れて頻繁に実家に帰るようになる。昔のビデオを一緒に見たり、会話を交わす努力をする。ある日、アルツハイマーの父と、キャッチボールをすることを思いつき、グローブなどを用意し、実家へやってきた。父は元々野球チームの監督であり、息子はそのチームでプレーしていた。彼にとって監督は、怖い怖い存在。彼が家庭を持つ前からキャッチボールをしなくなったが、それまでは親子のキャッチボールが日課だったそうだ。十数年ぶりにキャッチボールをしてみた。父は当時の身のこなしで、球を掴み、投げた。息子は嬉しくて、何度も「お~~~」とか「うまい~~」など声を掛けた。父親も嬉しそうに投げ返しつつ笑っている。私は泣いてしまって、画面が良く見えなかった。しかしその横で、夫が「何故息子は泣くの?嬉しいんじゃないの?泣く意味が分からない」と言った後「えっ?お前も泣いてるの??なんで?どこが悲しいの?」「・・・・・・・・・・」なんで悲しくなるのか、何で嬉しいのに切ないのか、この辺が夫と私で共通しないというのは、こちらのほうも十分不思議なんです。いつか自分の事さえ分からなくなると思うと、今のキャッチボールが嬉しく切なく、何かみんながごちゃ混ぜになって涙が出るということは、なかなか説明しきれないのだけれど、「意味が分からない」という考えの方が、意味が分からない。私と夫は違う人間で、センサーの形も、設置場所も、性能も、特性も、違うのですね。そこが好きになった所だとも言えるけど、時々驚くなぁ。ほんま。夫とは色んな話をし、尊敬もしていますが、今回特に思考の違いを知りました。「泣くのは分かるけど、僕は悲しくない」とか「僕も悲しいけど、涙まではでない」だったらよくあったのですが、「何で泣いているのかさっぱり分からない」と言うのは珍しいかもしれない。