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アルプスの少女ハイジが大好きな私のとって、この実写版は一つの賭けでした。もしかしたら、赤毛のアンの実写版、第3部の「アンの結婚」のように、スゴイ落胆した状態で、映画館を出ることになるかもしれないと思ったのでした。 しかし、この映画には、ハイジとは多少違うけれども、この映画独自の良さがあったと思いました。最初はかなり展開が速いように感じ、戸惑ったのですが、それはアニメのイメージが強いので仕方がないように思います。そして、フランクフルトあたりで、段々良さと、嫌さが見えてきました。 嫌だったのは、ロッテンマイヤァ~さんが、黒い骸骨みたいなな顔で、どこまでもハイジが嫌いだと言う点です。アニメでは、職務を全うしようと言う思いと、ハイジの自由な発想が、ただぶつかってしまうと言う感じでしたが、映画では、明らかに嫌ってるし、意地悪極まりないのです。チネッテも同じ理由で嫌でした。 もう一つは、セバスチャンが若すぎる。若くてハンサムすぎるのです。やはり中年の俳優を使って欲しかった。 ハイジがロングヘアと言うのも、カットしたら済むのだし、なんであの長さを生かそうとするのか疑問でした。 良かったのは、クララがどんぴしゃ!お父様も、おばあ様も結構!結構!おじいさんもまあOK!ペーターの洋服は木こりのようでしたが、この点はアニメの方が寒い格好をしすぎていたので(スイスだし)我慢の範囲でした。 この映画で驚いたのは、お爺さんがなかなかハイジを受け入れないと言う点です。最初の出会いからそうでした。しかし、考えてみたら、山奥に長年一人で暮らし、変わり者と言われた人が、そんなにすぐに6歳ぐらいの女の子供と仲良くなれないわなァ~。 でも、一番驚いたのは、フランクフルトから、ハイジが山に帰ってくるところです。おじいさんに抱きついて、アニメの様な感動のシーンを期待していると、ひっくり返りますよ。だって、「帰れ!」って言うんですもん。しかも丸1日家に入れなかったので、ヤギ小屋でハイジは寝ます。それでもハイジは「おじいさんに許してもらえなくても、お爺さんが、この山が好き」なのです。 ここの所が、子供の頃の私だと理解できなかったと思いますが、今なら分かります。デーテがハイジをだますようにフランクフルトに連れて行ったアニメでさえ、おじいさんは「あんなに喜んでフランクフルトに行ったのに」と誤解し、帰ってきたときには喜んだのですが不思議がっていました。 この映画では、ハイジを連れて行きたいデーテが、おじいさんに対し「昔、人を殺したんだったね!裁判をするわよ!そうしたら何もかも表に出て、大変なんじゃないの」的な、脅し発言をします。 これに激昂したおじいさんは、何故かハイジにまで「お前なんかサッサと何処かに行ってしまえ!2度と帰ってくるな」なんて暴言を吐いてしまいます。 なので帰ってきても、素直になかなかなれないのです。そんなおじいさんに事をハイジは恨むでもなく、「おじいさんは悪くない!いい人だ!私の家はこの山小屋なの」と言うのです。 この言葉にお爺さんの心の氷は溶け、ハイジを強く抱きしめるのでした。あ~~~~このシーンが最高に感動し、泣けて泣けて・・・。 素直になれない大人の卑屈な愛。そして、素直でまっすぐなハイジの愛。どちらも経験してる今の私だから、余計泣けるのかもしれない。おじいさんがあのままで、ハイジが諦めてしまったら、おじいさんは大切な何かを棒に振るところでした。映画だから、ハッピーエンドだけれど、実生活なら、冷たくされたら、諦めてフランクフルトに帰ってしまうかもしれない。大人も素直な愛を持ちたいですね。 この映画の帰り、母も娘も喜んでいました。 もちろん私も。あ~~~見に行ってよかった。
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Last updated
August 11, 2006 01:30:12 PM
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