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(「エンタ○からあげ狂の男」の続き)
深夜未明から降り続いていた雨も、お昼を過ぎたあたりでパタリと止んだ。 仕事の合間に背伸びをして、窓の外の風景を眺める。 木製のベンチが水分を含んで黒く湿っていることから、 雨が止んでから、それほど時間がたっていないことが分かった。 広場を囲む植物にも水滴。 緑の葉がレインコートのように雨粒を瑞々しくはじいているのが新鮮だった。 時刻はまもなく午後1時。 からあげの人がやってくるのにはちょうどいい時間帯だ。 ボクは缶コーヒーを片手にぼんやりと広場を眺めている。 雨の影響で人気がない広場。 窓の向こうの音が静かで、時間がゆっくりと動いているような感覚。 風で揺れている背の高い植物が、唯一広場で正常な時間を刻んでいるようだった。 しばらくするとボクの視界の隅に人影が見えた。 道路に面した広場の出入り口に視線を送る。 やっぱり、からあげの人だった。 時間に正確な男である。 驚いたことに今日はひとりではない。 からあげの人の後ろには、スーツを着た20代後半くらいの男女がいる。 代わり映えしなかった、からあげの人の生活に新しい風が吹いているのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 1, 2004 02:11:40 AM
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