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カテゴリ:映画
あけましておめでとうございます。
今年一発目は2005年元旦から劇場公開されている、 あの『ありえねー!!』のCMキャッチが耳に残る カンフー映画「カンフーハッスル」の私的読解。 ※ちょっとだけ序盤のネタバレ含みます(5分くらいなので全然支障はないです) ■カンフーハッスル http://www.sonypictures.jp/movies/kungfuhustle/site/index.html この映画の真髄は「ギャップ」にあると思う。 予想を裏切る大きなずれが観客を刺激する。 『ありえねー!!』でお馴染み?のど派手なCG演出もギャップを際立たせる道具。とにかくCGも普通じゃないから、あのCGを見ただけで知らない間にギャップの魔術に捕らわれてしまうのだ。 ギャップとは落差だと思う。 平凡なAが奇天烈なBをすることによって、そこに面白い要素ができる。 AとBの差が開けば開くほど、視聴者の脳髄をドスンと刺激するのだ。 エンターテインメントではギャップの要素が頻繁に使われている。 古今東西見渡せばさまざまな物語でギャップ効果が使われているのが分かる。 例えば普段は平凡なサラリーマンであるクラーク・ケントは、地球に危機が訪れるとスーパーマンに変身する。 たよりないキャラクターがいざというときに超人的な働きをするからこそ、そこに胸をワクワクさせる要因ができるのだ。 本筋に戻って「カンフーハッスル」のギャップを考えてみる。 まず冒頭のシーンから。 物語の導入部となる最初のチャプターで登場するのは、 「警察」と黒社会のマフィアである「鰐皮会」「斧頭会(ふとうかい)」の3つの組織。 まず市民は警察の権力に弱い。 警察は庶民の味方であり悪を叩く「正義」の象徴である。 次に「鰐皮会」。 「鰐皮会」のボスが警察署内で暴れる。警察職員は誰も「鰐皮会」に逆らえない。 警察は「鰐皮会」との癒着によりその機能を失われている。 ⇒「鰐皮会」は警察より強い 警察署を出た「鰐皮会」ボス一味が、新興の勢力「斧頭会」に殲滅させられる。 ⇒「斧頭会」は「鰐皮会」より強い つまりこの物語中では、 一般市民 < 警察 < 鰐皮会 < 斧頭会 といった力関係がなりたっている。 このチャプターで「斧頭会」最強説が証明されるというわけだ。 そして場面は最弱勢力の説明へとシフトする。 「豚小屋砦」は貧しい市民が共同生活を営むボロアパート。 数ヶ月の家賃を滞納することなんぞは当たり前。 この「豚小屋砦」の人々を恐喝しようやってくるのが、主人公シンとお相撲さん体型の相棒である。 しかし主人公シンは床屋を恐喝しようとするものも、見事に返り討ちにあってしまう。 この場面を見ると、 シン < 豚小屋砦 < 一般市民 という構図が観客の頭の中に出来上がる。 最強布陣と並べてみると、 シン < 豚小屋砦 < 一般市民 < 警察 < 鰐皮会 < 斧頭会 とこんな感じになるわけだ。 最強「斧頭会」と最弱主人公シンが、 超極端な対極の位置にいるということが観客に提示されたわけだ。 そして物語は恐喝に失敗したシンが、 ひょんなことで「斧頭会」を豚小屋砦に呼び寄せてしまったことから思わぬ方向へと進展する。 ここからギャップの面白さが大爆発するのである。 最弱サイドと最強サイドで「最強」の座がコロコロと入れ替わるのだ。 最弱サイドの豚小屋砦の住人が最強サイドの斧頭会の構成員を蹴散らせば、斧頭会は新たな刺客として最高の殺し屋を差し向けたり。。。 しかも、新しい「最強」が現れるときは必ず「ギャップ」の面白い要素が含まれているのだから対したものだ。 他に味付けとして、この映画は「ゆるいところ」と「決めるところ」が非常にはっきりしていて良い。 だらけたところをだらしないままに放っておくことをしないのである。 豚小屋砦の住人のゆるさといったら目も当てられないし、シンの相棒のお肉もゆるみっぱなしでプルンプルンと音を立てる始末。 でもゆるいところがいざというときにビシっと締まる! それこそが「あげて」「さげて」の落差の効果を高めているのだと思う。 その他、良い点を挙げてみる。 ・超ど派手なアクションCG ・笑い(10分に1回の割合もしくは5,6分に1回) ・きれいなオチ こんな感じ。 特にオチはありきたりだけど、きれいにオチたと思う。 カンフー、アクション映画系が好きで新年どの映画を 見ようか迷っている人がいたら観ても損はないと思います。 あと「小林サッカー」いける口の人も面白いのでは? ではでは。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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