テーマ:★福袋特集★(66312)
カテゴリ:ヒラメキ
年が明けて早くも一週間がたった。
5日から仕事がはじまったわけだが、すぐに成人の日を含んだ3連休が待ち構えていた。 そして今日は1月8日である。 僕は自宅の部屋で口をへの字にしていた。 目の前には洋服が散乱している。 腕を組んでひとり椅子の上であぐらをかき床を凝視する。 自然と口からため息が漏れた。 もう一度床を見渡してみる。 左手から、赤いトラックトップ、ジーンズ、黒いシャツ、白い長袖Tシャツが並んでいる。 白い長袖Tシャツの右側には若干のスペースがあった。 そのスペースを境界線にして右手には、 こげ茶色のファー付ジャケット、小さなバック、短パン、半そでTシャツが置かれていた。 問題は「短パン」と「半そでTシャツ」だ。 完全にだまされた。 いやいや、「半そでTシャツ」に関して言えば、はじめからそう明記してあったのだから、記述に気がつかなった僕が悪い。 あくまでも福袋ということか。 恐るべしオークション。 個人売買と名を変えた悪魔の取引。 僕が今回買った福袋は、左手に広がる「BB JEANS福袋」と右手に転がる「adidas福袋」の2つ。 「BB JEANS福袋」は楽天市場のショップで購入した。 「adidas福袋」はオークションで購入した。 「BB JEANS福袋」はジーンズ以外は何が入っているか分からなかった。 「adidas福袋」は中身が全て公開されていた。しかも写真が載っていた。 そして今日届いた2つの商品を開封した結果は、 「BB JEANS福袋」はアタリだった。 「adidas福袋」はハズレだった。 ・・・。 なぜだろう。おかしい。 「BB JEANS福袋」は福袋のルールに則っているから、アタリであろうとハズレであろうと文句は言えない。それを承知で買うのだから当然だ。 じゃあ「adidas福袋」は? 本当に福袋の条件を満たしているのだろうか? 否、「adidas福袋」は福袋ではないのだ。 オークションでadidasが販売した福袋を出品していたのだから商品的には福袋である。しかし、ルール的にはこの商品は「福袋」ではない。 商品の中身を公開してるからだ。 落札者は商品を確認した上で落札を行う。 僕のように。 もちろん出品ページにはお決まりの「ノークレーム・ノーリターン」の注意書き。「ノーリターン」の文字が「ノータリーン」と僕をあざ笑う言葉に見えてくる。 「ノークレーム・ノーリターン」・・・。 常套句ではあるが絶大な効力を発する呪文だ。 この条件を飲んだ上での落札なので、ここで文章にしている時点でお門違いのことなのかもしれない。 しかし、あえて僕はここで書きたい。 そして少しでもこのモヤモヤとした気分を払拭したい。 なぜだ! なぜなんだ!? 写真では黒いズボンにadidasという文字がプリントされているのがはっきりと見えた。 短パンだと気がつかなかったのはズボンが折りたたまれていたためだ。 福袋のように商品が複数ある場合は、1枚の写真に品物が納まるように服を折りたたむのもしょうがない。 そのときはそう思っていた。 あなたは「バックプリントの入った10000円相当のパンツ」と書いていた。 僕はadidasショップでお尻の部分に「addidas」の文字が躍るズボンを見たことがあった。 今にして思えばあのとき物色していたズボンは1万円台後半だったような気がする。 またしてもミスを犯してしまった。 値段が違うのだから同じズボンではないことが推測できたはずだ。 しかし、以前から欲しい欲しいと思っていたズボン。 物欲が僕の目を曇らせてしまった。 体の奥から煮えたぎるマグマのような悪念がわいてくる。 (ちょっと大げさ) そもそもパンツという都合の良い言葉は何なのだ。 日本でパンツといえば下着のことだ。 語源なんてものはこの際関係ない。 昨今、巷でおしゃれっぽく、 パンツ=ズボン、 みたいな言い回しをしていることが、 今回の悲劇が起こった原因ではないのか?。 モデルのようなコーディネイトで身を固めたファッショナブルなショップ店員がそのような言葉を使うものだから、世間知らずの僕までもがズボンのことを「パンツ」と言ってしまうようになるのだ。 巣鴨で100人にアンケートしたら、 95%くらいの割合でパンツと言ったら下着を連想するはずだ。 間違いない。 でも僕の貧相な脳みそは無理して背伸びをしてしまった。 そのときは「パンツ」=「短パンではないズボン」だと完全に思っていたのだ。 短パンを開封した運命の一瞬、僕は「ぷっ」と笑ってしまった。 透明の袋からズボン(もうパンツとは言わない)を取り出すと妙に軽いことに気がついた。 『adidasショップで見たときはもっと生地も厚かったような』 この時点で薄々嫌な予感が漂っていたが、人間、嫌なことは忘れるに限る。僕は暗雲を完全に頭から追い払った。 試しに履いてみようと考え、ズボンを広げてみる。。。 パサッ。 『ん?ピンかなにかで裾が止められてるのかな?』 ズボンを裏返してみる。 どう見てもハーフパンツだ。 間違えた、「短パン」だ。 微妙な丈の短パンだ。 長ズボン用の生地で短パンが作ってある。 どうみても不恰好だった。 だから「ぷっ」と笑ってしまった。 怒りをごまかすように。 妙に冷静だった。 やるせなくなった。 そして僕は既に開封していた「BB JEANS福袋」を隣に並べてみることにした。 左手にアタリの「BB JEANS福袋」。 右手に半ズボンが含まれた「adidas福袋」。 嬉しい「BB JEANS福袋」。 哀しい「adidas福袋」。 戦いの結果、僕の口はへの字になっていた。 今日は1月8日土曜日である。 年が明けて1週間後の哀しい出来事であった。 ---------------------------------------- ※事実を基にしていますが、だいぶ脚色が加わっております。 ※1月8日以降はパンツ=ズボン認識に復活します。ご了承ください。 ※短パンという言葉を使っていますが、よく考えたら「短いパンツ」の略で短パンなので本来この文章中では使うべき言葉ではないですね。アフォな子だと思ってくださいm(__)m お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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