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April 16, 2005
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カテゴリ:渡愛戦記
朝食を食べた後にひとりで近くのショッピングモールへ自転車を買いに行く。
でも買わなかったけど。
理由はちょっと値段が高かったこと。
お値段は200ユーロから600ユーロくらいだった。
モトクロスのそこそこ(?)ちゃんとした自転車だったのでこれくらい値が張るのだろう。
手持ちの現金が200ユーロもなかったので断念した。

僕が行ったショッピングモールはダブリン空港の近くにあるOMNIというショッピングセンター。広さは野球場くらい。生鮮品から旅行のチケット、日曜大工用品に映画館など一通りのものがそろっていた。相模大野とかにある、日本の郊外に建つショッピングモールを連想してもらうと分かりやすい。ちなみに日本と同じように周りには何もない。現在拡張工事を行っている模様で、数ヶ月か1年後くらいにはさらにモールが大きくなるようだ。ひとつだけ。ホームセンターの入り口と出口が分かれていたため戸惑った。入り口は一方通行で入り口から外に出ることはできない。また出口もレジカウンター(Informationだったかも)の横を通り過ぎなければでることができない。よく他の人の動きを観察すれば分かることだが、はじめてだと惑うような気がする。

昼間は下宿先の部屋でテレビを見ていた。MTVのブリトニー・スピアーズのドキュメンタリー?がやっていたが、英語がさっぱり分からないし、つまらなそうだったので見ながらウトウトと寝てしまった。何かブリトニーの生活は意外と質素だった。

目が覚めた後はDiscovery ChannelのMonster なんちゃらという車の改造番組を見た。海上を疾走する改造車や、ゴルフボールの玉を拾い集めて、敵めがけて発射する車など、見ていて単純明快で分かりやすい。でも、2回分を連続で見たらちょっと飽きた。でも刺青を両手いっぱいに刻みこんだ熟練のメカニックが、試行錯誤をしながら一つのものを作り上げていく課程はプロジェクトXのような趣きがある。…うそ。

夕食を食べた後は同じ家にホームステイしている韓国人の女の子にパーティに誘われた。まだ学校にも行ってないが、せっかくなのでお呼ばれしてみることにした。でも、僕は日本人なので、こういう心遣い(僕が勝手にそう思っているだけ)が本当にありがたい。

バスでシティセンターへ行き、そこからもう一本バスに乗るらしい。バスの中で拙い英語力ながら、いろいろと日本と韓国のことを話してみた。僕自身、日本と韓国は文化が似ているなあと感じていたのだけども、彼女も同じように考えていたらしい。しどろもどろながら会話を続けるが、彼女が僕のしょうもない英語を必死に理解してくれようとしているのが、これまた勝手に心に染みる。僕が日本人だからだ。というか僕が気遣いすぎるからだよ。

トリニティカレッジの前で降りて、次のバス停を探す。46番のバス停が目的の場所らしいが、探してみてもそれらしきバス停が見つからない。彼女が友達と何回か連絡を取っていたが一向に見つかる気配がない。しょうがないので、僕が打ち合わせをしている現地の日本人エージェントの方に電話をかけて聞いてみることにした。向こうの方も土日はお休みなので申し訳ない気がしたのだが、背に腹は変えられない。本当に申し訳ない。

電話で聞いてみたところオコーネルストリートの方向へトリニティカレッジを壁沿いに進むと映画館のSCREENという文字が見えるという。その前に46番のバス停があるということだった。

聞いた通りに進んでみるが、なかなか目的の場所が見つからない。そうこうしているうちにルームメイトの彼女が友達と連絡を取り、行き先を変更することになった。パーティは今度ということで、今日は違う友達と飲みに行こうということだった。

オコーネルストリートを突っ切り、ダブリン空港へ向かう幹線道路を少し北上する。ホームステイ先から乗ってきたバスが通ってきた道だ。
5分ほど歩くとルームメイトが人通りが少ない路地の方へと足を向ける。てっきり僕はPUBで待ち合わせをしているのだとばかり思っていたので、『こんなさびれたところにPUBがあるのか?』と首をかしげてしまった。

その謎も数分後には簡単に解決してしまう。ルームメイトが携帯で友達と連絡を取る。様子をみているとどうやら友達が住んでいる家まで迎えに来たらしい。その友達と飲みに行こうというわけだ。

友達の家に着くとルームメイトの友達の韓国人の女の子が出迎えてくれた。居間に通されると一人の若い女性がMTVが流れているテレビの前で膝をかかえて携帯をいじくっている。長いブロンドの髪の毛。青い瞳。白い肌。一目見てヨーロッパの人だと分かる。聞くとスペインから留学しているということで、仕事をしながら個人の英語教師を雇っているらしい。当たり前の話だが、個人の英語教師は値段が張るらしい。僕が話したわけじゃなくて、全部ルームメイトが聞いていた。

2日目で積極的に話すのはなかなか難しい。日本人は欧米や同じアジアの人たちからみても、極端にシャイで静かなのは有名らしい。典型的な腰の低い僕も基本にのっとっている。しかも日本人の中でも静かな人間だよ、僕は。分かっているので、そうそうにこの殻を破るべく、必死に勉強して必死に話をしたいと思う。

そんな自分勝手な意思表明を硬く心に誓っている間にお友達の身支度が整ったらしい。出迎えてくれたときとは別人のようなヘソ出しルックのコーディネイト。女の子はどこの国の子でもオシャレに気合を入れるのだ。

3人連れ立って、オコンネルストリートを再び南下する。リフィー川を渡ったすぐ近くに目的のPUBがあったが、ひとつ問題が発生する。PUBに入るには身分証明書(IDカード)の提示が必要なのだ。しまった。それは持ってきてないよ。

仕方がないので、何も言われなければそ知らぬ顔をしてPUBに入ってしまおうという話になった。女の子2人がまずPUBに入る。入り口のガードマンにIDカードを見せて無事潜入成功。僕は2人に遅れる形で何食わぬ顔でゲートをくぐる。…がアウト!

ガードマンに呼び止められる。何か言われたが何言われたかさっぱり分からなかった。曖昧に返事をしてしまったのが問題だったらしい。僕が入れなかったことに気がついた女の子2人が入り口に引き返してきて、ガードマンと話をしている。本来僕が強く話をしなければいけないところだが情けない…。結局PUBに入ることができなかった。理由を聞いてみたところ、理由という理由もなかったらしい。ルームメイトがぽつりとしゃべった『racism(人種差別)』という言葉が印象的だった。

日本にいるときは日本人であることが当たり前で、日常的に差別を受けることはほとんどない。しかし、世界に出たときは別だ。話に聞いてはいたがアジアという地域で差別を受けるということが、身を持って体験できた(もし本当にそうであれば)。

やっぱりアジアというくくりは大きいと思う。日本人がいくら中国や韓国の人と違うと叫んでもヨーロッパや中東、北米の人からみればひとくくりのアジア人だ。アジア人特有の黒髪や骨格、体つきは、やはりアジア以外の国にでれば異質なもので、人ごみの中で浮いてしまう。2日目にして遭遇した『racism』は今後深く付き合っていかなければいけない問題だと思う。

そんなわけで1軒目の店には入れなかったが2件目は日本の運転免許証を見せたら中に入れてくれた。日本のでいいの?と思ったが何でだろう。深くは考えないこととする。

念願のPUBに入り、さっそくギネスを注文する。3人で乾杯してギネスを喉に流し込む。多少のストレスがあったためか胃がズキズキしていたが、ギネスを飲むことで多少感覚を和らげることができた。近くにいたポーランド人男性2人組が話しかけてきたので、しばらく話をする。2人が帰った後に、ダンスフロアでDJのかける音楽にのって踊る。日本人ゆえ、ぎこちないのは勘弁してもらいたい。

バスの時間を迫っているということでルームメイトとPUBを後にする。帰路の途中、ルームメイトと話をした。とにかく考える前にしゃべったほうがいい。アジアの人はみんな考えて静かになってしまうので、とにかくしゃべること。そして学校で習ったことをPUBで現地のアイリッシュに話してみる。学習と実践を繰り返すことで英語は上達するということだった。まさしくその通りだ。ルームメイトの彼女自身はダブリン生活3週間目だったが、英語はかなりうまい。僕も3週間たった頃には彼女くらいしゃべれるようにがんばろう。

部屋に戻ったと、ノートパソコンに電源を入れ今日の出来事を書き記す。とにかくルームメイトの彼女に感謝!

※ちなみにまだ学校ははじまってません。





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Last updated  April 19, 2005 11:05:54 PM
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