|
テーマ:DVD映画鑑賞(14216)
カテゴリ:ガンダムな話
1979年に放送されて以来、何度も再放送され、
続編も作られ、映画化もされたにも関わらず、 今の今までビデオやDVD化されなかったロボット アニメの名作「機動戦士ガンダム」がとうとう DVDとして発売されました。僕がまだ少年の頃に 見た作品ですが、その面白さはちっとも色褪せて おらず、とても30年近く前に放送された作品だと 思えないものです。「ガンダム」というジャンルを 確立させたこの素晴らしい作品をこれから見ていく のですが、ストーリーの感想は他の人に任すとして、 この王道アニメを違った視点で見ていきたいと思い ます。そう、この物語に出てくる人物たちは、たとえ チョイ役ややられ役であろうが誰もが僕らにとって ヒーローだったのです。そんな登場人物たちの名言 とも言える魂の叫びをピックアップして取り上げて いきたいと思います。 第24話「迫撃!トリプル・ドム」 そうね、戦争という破壊の中でただ一つ ものを作っていくことが出来るから、かしらね ホワイトベースの補給とガンダムの強化パーツを届けに 来たマチルダ中尉に対して、アムロが何で軍の補給部隊 を希望したのかを尋ねたときにマチルダ中尉が答えた 言葉。この言葉こそ、いかにも女性らしい感性で答え られた素晴らしい名言だと思います。いかにも凛として 軍人らしいマチルダ中尉も内面はとても女性らしい人 だというのが見てとれるのではないでしょうか。潜在的 にホワイトベースのクルーたちがマチルダ中尉に憧れて いたのもこうした雰囲気を持った女性だということが そこかしこに表れていたからではないでしょうか。 この回はそういう意味では戦争続きのホワイトベースの クルーに青春の1ページのようなドラマのような展開 でした。カイがマチルダが好みだと言ったり、恥かき ついでにマチルダ中尉を中心として集合写真を撮ったり、 アムロはマチルダ中尉に積極的に近づいていったりと、 微笑ましいシーンが目白押しです。しかし、ドムの襲撃 により戦闘を余儀なくされたホワイトベース一行は 追い込まれ、マチルダ中尉がガンダムを救って戦死 したことで、改めて戦争という現実をクルーたちに突き つけられた回となったのでした。 第25話「オデッサの激戦」 マッシュの魂よ 宇宙に飛んで永遠に喜びの中に 漂い給え 黒い三連星の奇襲により絶体絶命のピンチに追い込まれた ガンダムでしたが、マチルダの捨て身の攻撃により辛くも 危機を乗り越え、返り討ちにされたドムのパイロットで あるマッシュの墓に対してガイアが冥福を祈った言葉。 アムロたち、ホワイトベースが主人公の物語なので、連邦 が正義でジオンが敵のように描かれがちなところですが、 こうしてジオンにも戦友の冥福を祈るシーンがあったり するとどちらも同じ思いを持った人間なんだと再確認させ られるシーンです。作戦は開始されマ・クベにいつまで そんなことをやっているのかと問いただされても、ちっとも 動じず敵討ちに行くと言い切るガイアの心意気にはジオン の人間にも歴史があるのだと感じさせられます。 ずっと以前から物語の中で戦争の鍵となるオデッサ作戦が 成功し、マ・クベの前線基地を破壊できた連邦軍であった のですが、この回でも兵站の重要性を訴えるマ・クベの 台詞「ジオンはあと10年は戦える」というのが印象的で した。古今東西、資源が底を尽きると戦争は出来ないもの で、衛星コロニーでしかないサイド3のジオン公国が 地球連邦を相手に戦い続けるにはこうした資源を確保する ことこそ、戦況を担う鍵になるのではないでしょうか。 マ・クベこそジオン公国が戦い続けるために暗躍した真の 立役者であったと思います。 第26話「復活のシャア」 やられる時はどこにいてもやられるものだ 全軍を指揮するものが弾の後ろで叫んで いては勝つものも勝てんよ ベルファスト基地に入港したホワイトベースに攻撃を 仕掛けたゴックに苦戦を強いられ、攻撃されている基地 内から避難をしようとしないレビル将軍に対して将校が 避難するように勧めたときにレビル将軍が言った言葉。 指揮官たるもの、陰に隠れて踏ん反り返って指揮を するよりもこうして生命の危険を顧みず前線に出て 指揮をしてもらうほうが兵士たちの士気は上がるもの なので、そういう意味ではレビル将軍は兵士たちのこと がわかる将軍であったのを感じさせる台詞です。ただ、 ルウム戦役ではシャアに捕らえられたらしいので、その 教訓が活かされていないだけなのかもしれませんが、 こういう上司というのに人はついていくものだと思います。 このゴックの襲撃をガンダムたちが撃退することで、 レビル将軍は時代が変わったと悟ります。今までは艦隊 による戦いが主流だったのに「すべてモビルスーツ、 モビルスーツか…」とあまりに強大なモビルスーツの 力に戦い方が変わったことを改めて知った回でした。 しかしこのレビル将軍は、年の割には柔軟な思考の持ち 主で、時代が変わったと知るや、すぐさまそれに対応しよう と、ホワイトベースのミーティングに参加し、アムロたち クルーの意見を取り入れ対応しようとするその行動力は 的確な判断と新たな戦況に対応していく姿勢があると思い ます。ただのお飾りの将軍でないことがこのことからも 見て取れるエピソードであったと思います。 第27話「女スパイ潜入!」 いいじゃねぇか、弟や妹の面倒を 見ているアンタの気持ちはよくわかるぜ ホワイトベースが正式に軍に編入されたことにより、 そのことを不満に思ったカイが艦を降り、町をさまよう うちに出会った少女ミハルの家で世話になることとなり、 スパイと知りつつもミハルにホワイトベースの情報を 教えたので驚くミハルに対してカイが言った言葉。この 言葉からも戦争によって両親を亡くし、ミハルが親代わり に幼い弟たちのために苦労して働いていることがよく わかるシーンです。戦争というものは当事者同士だけで なく、何の罪もない子供たちまで巻き込む悲惨なものだと いうことが改めて描かれていると思います。 ところで、このカイ・シデンという人物、初登場では 軟弱者とセイラさんに打たれるというアニメ史上最悪な 登場の仕方をし、さらにはひねくれ者でへらず口という とんでもない人物だったりするのですが、実は優れた 素質の持ち主なのかもしれなかったりします。今までも 戦闘中に機銃の操作はおろか、ハヤトより先に単身で モビルスーツを操縦できたり、ミハルがスパイであると いうこともあっさり見抜いたりとなかなか奥が深いです。 飄々と生きていてわかりにくく誤解されやすかったりします が、ホワイトベースが今まで生き残れてきたのはアムロだけ の力ではなく、こうした隠れた才能の持ち主がたまたま 民間人としていたからに他ならないのではないでしょうか。 機動戦士ガンダム DVD-BOX 1 〈先行予約特典限定版〉 機動戦士ガンダム DVD-BOX 2 (初回限定生産) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.08.18 01:35:46
コメント(0) | コメントを書く
[ガンダムな話] カテゴリの最新記事
|